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静かが好きな結界使い  作者: 蒼色
二章 空白の5年間中編 契約の旅
30/75

静かな透明と反射の湖

レリーをケリーに修正しました。


固有名詞紹介で何書けばいいかわからない....。

「水がきれいだな。」


最初に出た僕の感想はこれだった。

僕の見たことのある湖や川の中だ一番きれいと断言できる。


「底まで見える!」


まるでそれを裏付けるかのように底まで10フラット近くもあるのに、

湖の底まで見える。勿論、そのクリアに見える湖には多種多様な魚が泳いでいた。


「見たことのない魚だらけだ。」


見たことのある魚はいるが、それ以上に聞いた事すらない魚までいる。

まるで一匹の巨大魚のような小魚の群れ。

物陰から見え隠れする少し小さいサイズの者もいれば、

この広い湖を我が物顔で堂々と泳ぐ全長20フラットぐらいはある巨大魚。


魚と言っても様々な種類で、貝で言えば、

大きさの違いが激しく、後、それなりの大きさ、だいたい15フラの

貝は、まるで暗殺者の如く、その貝の30フラほど前を通った自分より少し小さいサイズの

魚をパクリとはさみ、ゆっくり砕いた後食べていたりした。


魚だけでなく、水中に生える植物も多種多様な種類が存在していた。

それらの圧巻ともいえる湖を口を半開きにさせながら見ていると誰かに背中を叩かれた。


「やっと気づいたわね。大声で呼んでも気づかないとかどれだけ見惚れてるのよ。」


「仕方ないですよ~。私がこの世界各地を巡って~、集めたんですから~。」


「そうなんだ。世界は広いなぁ。」


「私からすれば~、そうでもないですよ~。」


どういうことだろう、そう思っていると。


「アンタには分からないかもしれないわね。

 前に説明した精霊王様の力の半分を持つともいえる空間属性をもつ半神精霊様の跡継ぎなのよ。」


ス、スケールがでかい。


「えっと?話が大きすぎてちょっとよくわからないや。」


「まあ、偉い人の子供みたいなものよ。」


「なるほど。」


それなら納得だ。


「偉い人の子供ってのは~ちょっと納得いかないですね~私やりたくないのに~。」


「え、何をやりたくないの?」


仕事か何かだろうか。空間を司るということは、何か仕事があるのは間違いないはずだ。


「だって~、引退するまで四六時中~空間の整備や点検を~し続けないといけないんですよ~。」


「整備?点検?」


「他の世界から魂が入ったりしないようにとか~、召喚され過ぎないように見たり~、

 侵略とかの~干渉されないように~管理や攻撃されたときの修復作業とかですね~。」


ゆったりとした口調でいろいろとややこしいことを言ってきた。


「た、大変だね....。」


ただ、気になるのが一つ。


「召喚って?」


「ほかの世界から~、勇者として特殊な加護を持った~別世界の住人を召喚するんですよ~。」


別世界の住人って何だろうか?と僕が思っていると。


「そうですね~、ちょうどオレングスから西に10個ほど町をとおり越した先に~、

 グレゴリアド王国っていう~このあたりで一番大きなところで召喚がありましたよ~。」


グレゴリアド王国と言えば2年ごとに様々なテーマにちなんだ武闘大会を開くところで有名だ。

多くの強者が集まるらしい、でも遠いから面倒だな。頑張ったら1日でつくけど。


「まあ~、いろんなことをしないといけないから~やりたくないんですよ~。」


「何か方法は無いの?」


「あるにはありますけど~。あ!ええと~あの子は何て名前でしたっけ~?」


「メディだよ。」


「メディ~!ちょっと来てくださ~い。」


何故、その名前を使ったのだろう。二人は前から知っていたみたいだから、

何か名前があると思ったのに。


「アンタにそう呼ばれるのはしっくりこないわね。」


と言いながら、メディとケリーはしゃべりだしたが、すぐには終わらなさそうだ。

上を見上げると太陽が傾き始めている。


「後2時間以内には帰らないとな。」


いくら10分程で帰れても、暗いとこを走るのは嫌だ。面倒なの出そうだし。


暇なのでもう一度湖でも眺めようと思って振り返ると先ほどとは違う一面の湖が広がっていた。


照り付ける夕陽を反射し、湖はオレンジに染まり、その真ん中あたりには反射された夕陽が

浮かんでいる。夕陽が浮かんでいる所はひときわ綺麗に染まり、まるでそこにお宝でも

眠っているのかと思わせるほどきらきらしている。


だが、そんな綺麗に反射するオレンジ色の湖の中は多種多様な魚が泳ぎ続けているのは変わらない。


ポチャン ポチャン


「跳ねている.....?」


水が跳ねる音ではなく、魚が跳ねていた。うねうねともぐったり飛び出てきたりと蛇行しているようだ。


「こんな魚もいるんだな。」


その優雅に飛び跳ねるように泳ぐまるで湖に沿うように飛んでいるように見える魚は、

夕陽によく映える。飛び散る琥珀色にも見える水しぶきもとても優雅な光景を際立たせる。


5分経っただろうか、そろそろ二人の会話は終わっただろうかと思って振り返るとメディが立っていた。


「わっ!」


「アンタよく飽きないわね。私だったら10秒で飽きるのに。」


「驚かせるなよ、それと人の感性に口出すなよ....。で、何?」


「私から言うのもあれだからケリーに言ってもらうわ。」


何のことだろう?


「はいはい~、単刀直入に言います~。あたしと契約してくれないですか~?」


「え?」


単刀直入すぎて理解が追いつかない。


「契約?」


「はい~。」


「本当?」


「はい~。」


「本当の本当に?」


「はい~。」


「ほん「いつまでやるのよ!」


「は「ケリーも!」


「アンタたちといると疲れるわ....。」


ご迷惑おかけします。








まあ、そんなわけで10分後。メディは湖を座って眺めている。というより水遊びしている。


「じゃあ、よろしくね、ケリー。」


「はい~よろしくです~。」


ケリーが契約を持ち掛けてきた理由は、

契約を理由に次期空間半神精霊を辞退するという物だった。

ちなみにあの湖は、ケリーが世界中から集めてきた物の集合体らしい。

さっきの話し合いの内容は僕は知らないので、何のことを話していたかは知らないが、

僕が契約者に値するかどうかでも言っていたのだろう。


「でも、僕が死んだら契約は破棄されるよね?」


「その時はまた考えます~。でも鬼人族は~、寿命がそれなりにはありますよね~?」


「まあね。でもハーフだから300はいかないね。」


純粋な鬼人族だと500歳が平均寿命だが、ハーフはその半分ちょっとぐらいだ。


「まあ~、それだけあれば次期空間半神精霊が~、誕生するので~大丈夫です~。」


「あ、後、僕にも空間関係何か使えるかな?」


「え~と~。結界の性能向上と~、結界の任意破壊ですね~。」


「性能向上は分かるけど、任意破壊って?」


別にいつでも展開している結界を消すことぐらいできる。


「破壊して周囲に神気を散らせるんですよ~。神気は回収できますよ~。」


「あ~そういうことか。」


僕だと消してしまうと神気ごと無に帰すので消えてしまうけど、

破壊すれば、全部回収すれば理論上は神気の消費量なし。

これは嬉しいな。


「でも、面白そうなのは無いね。」


「結界を破片のようにして~破壊できますよ~。とってもかっこいいですよ~。」


「いや~、そ、それはいいよ。」


実用性が無い。いや、無いことは無いかな?

破壊したと思わせることができるかも。


「まあいいや。使えないことは無いし。そういえばこれはどうするの?」


僕は湖を指しながら言う。


「私が言わせてもらうわ、ここは、私たちの別荘みたいなものにすることが決まったから、

 私たちが来る前と同じように隠密空間で覆っておいて、気が向いたときに行く形ね。

 ケリーに頼めばいつでも来れるし。」


今さっき戻ってきたメディが説明してくれた。


「へ~、隠密空間って?」


「あれ?ケリーから聞かなかった?隠密空間は、その空間の中を知るもの以外から

 存在を隠す空間よ、一応あなたも結界サイズなら使えるはずだけど。ほかにもいろいろね。」


「え?聞いてないけど。」


微塵も聞いていないんだけど。しかも他にも使えるのか。


「.....。私もよくわからないけど、アンタの結界と違って、防御系だけじゃなくて、

 空間内に効果を発揮するのは同じだけど、それが特殊なのよ。隠密空間もその一例ね。」


「他には?」


「擬態空間、加速空間、後、中心反重力空間。ってのもあるわ。」


「最初の二つは分かるけど、中心反重力って?」


「これは擬態空間やアンタの結界と同じ使用者を軸とした空間で中心である使用者に、

 近づけば近づくほどその反対方向へと押し返すのよ。」


面白そうな空間だ。魔法はどうなのだろう。


「魔法とかはその対象に入るの?」


「魔法は魔力を使った理を無視するもの。空間も同じような物。

 空間にも魔力とその半分の気力がいるけど、魔力が多いほうが勝つわ。」


まあ、魔力を多く込めるか、[魔結界]でも張っておくかな。


「なるほどね、ありがとう。メディ。」


「どういたしまして。ケリー。ちゃんと説明しときなさいよ!」


「忘れていたんですから~仕方がありませんよ~。」


可愛らしく頬を膨らまして反論しているけどあまり理由になってない。


「仕方がありませんって....。しかも忘れてたって...。」


大事なことを言い忘れている友人にあきれたのか唖然としている。


「まあ、メディが教えてくれたからいいよ。

 それより、まだ峡谷が通れるようになるまで時間がかかりそうだから、

 ケリーが言っていたグレゴリアド王国の勇者とやらを見に行きたいんだけど。」


「いいですね~。」


「まだ話はおわっ...。はあ、私も行くわ。

 私も興味はあるし、どれだけ強いとかも知りたいし。」


「じゃあ決まりだね。でも今日はもここで寝ない?」


「私はどっちでもいいわよ。」


「あたしも~。」


「じゃあ適当に用意でも...。そういえば精霊ってどうやって寝るの?」


ベッドなどにでも横になるのか、それとも別の何かがあるとか。


「そうね、基本的に精霊は適当なところで寝るけど、

 その環境が自分に適していないときは別の場所か、自分の寝床のようなものを準備しておく、

 とかが、基本になるけど...。私とケリーは後者ね。

 ケリーはここで、私はアンタと初めて会った時のあの洞窟ね。」


へ~あの時のか。でもあんなとこ不便じゃないのかな? 

それとも精霊だから大丈夫なのかな、氷の精霊って言ってたし。


「じゃあ、僕一人の分の準備でいいの?」


「ううん、今日は私もここに泊まるから私のもよろしく。」


帰らないんだ。それは面倒だ。


「聞こえてるわよ....。氷柱!」


あ。


「ごめ、あだっ!」


痛い....。なにもそんなにしなくてもいいのに。













固有名詞紹介


精霊


この世界中に潜む、あらゆる属性をもった精霊は、基本的には最上級の精霊以外と

自然属性以外例外を除き、自由に生きている。主に属性精霊がこれに当たる。

属性精霊は火、水、木、土、風、闇、光。となっていて、これらの最上級はそれらが持つ

特性を管理しているとか。自然属性は、雨、雷、大地、氷、雪、陽、月。が主なもので、

他には霧、嵐、無など、自然現象を起こさせているとか。

ちなみにメディは自然属性を持つ氷の精霊だが、レイと契約しているためその制約は無くなる。

これが例外で契約すると、その契約者に使えるために自由に生きていくことを許される。

契約が何らかの形で破棄されるとそれは無くなるが、そのために誰かと契約しようとする精霊は多い。

しかし、精霊との契約は中々成功しない、まずその属性の適性、が高いことが必要で、

お互い心から契約していいと思っているかも必要。しかも失敗すれば魔法が使えないどころか、

魔力を失う。それは精霊と契約しようとする方のみだが。それらの条件とデメリットのせいで、

失敗したり、デメリットを恐れて契約をやめる人も多い。

レイが契約できたのは自然属性の氷、つまり寒いところで生活もしくは、

その寒さに慣れているか。などが適正条件だが、レイは雪山で暮らしていたのもあり、

魔法は使えないが成功することができた。レイが7才であり純粋な子供でありつつ、

メディが自分を治してくれたことに恩を感じているのも成功の理由の一つとも言える。

なお、条件さえ満たせえば魔物と精霊が契約することもある。



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