実技試験 その2
レイとエインが遂に戦います。
実技試験は刻一刻と進んでいる、しかし先ほどのマナのように先生に魔切断などを使わせるほどの
生徒は出てこなかった。
「次は...。エイン舞台へ上がれ!」
「はい!」
次はエインだ、どれほどの実力を持っているいるかを見せてもらおう。
「いくぞー!三連斬!」
エインの剣に白い光が宿る、そして先生に上、下、と斬りかかり最後に回転斬りを放った。
しかし先生は1、2撃目をよけ回転斬りに対し、剣を十字に合わせるようにして、
受け止めるどころかはね返してしまった。
「どうしたそんなものか?」
エインの剣は大剣、そう簡単に遠心力の乗った大剣を剣ではね返せるはずはないが、
あっさりととはね返した先生はエインに挑発する。
「くそ~、これならどうだ、スライサー!」
エインは挑発に乗り白の斬撃を飛ばす、
その後ろにエインが続き大剣に白い光が宿る、
「ほう。」
そう呟いた先生はエインと同じようにスライサーを放つ、スライサー同士は
相殺、ではなく先生のスライサーが貫通する。
「っ!」
慌てて跳びあがるエイン、しかし、その口元は少し笑っていた。
「流星」
急にエインが光に包まれ急加速、そのまま先生に突撃する。
「なに!」
初めて驚きの表情を見せた先生、そして、初めて防御の姿勢をみせた。
恐らくあれはエインの切り札、威力が高い大剣のデメリットである
攻撃の鈍さを消し捨て身で特攻する。
失敗すれば隙だらけだが、逆転の一手となる技だ。
「おおおおおおー!」
ドガーン。落下と同時に小さな爆風が起こる、
しばらくすると首筋に添えられた先生の剣があった。
「参りました。」
首筋に剣を添えられたエインはそう言って負けを認めた。
この舞台はダメージを自身の魔力が肩代わりして、魔力が無くなると
気絶した状態で舞台の外にはじき出される仕組みだが、
それでも少しはらはらした。
それから10人程呼ばれたあと、ついに僕の番が来た。
「レイ!舞台へ上がれ!」
「はい」
静かに返事をする僕、そこへエインが声をかけてくれた。
「がんばれよー!」
その声に対しレイは手を振って答えた。
「うん」
年頃の会話かわしたレイは舞台へ上がる。
「いつでもいいぞ。」
「はい!」
そう返事をして居合の構えをとる、先生は基本的には攻撃してはいけないから
より集中出来る。
「居合[疾風一閃]!」
一瞬で詰め寄り斬りかかる、一閃と違い攻撃型の技だ。
これはあくまでも技であり生命力などを使わない、
しかし先生は知っていたかのように剣ではじいてきた、
「スライサー!」
流石にこれだけでは意味がないと判断した先生はスライサーを放った。
しかし、そんなものは僕には効かない。
「結界[防壁]」
僕を中心に半径1フラット(1m)の半透明の壁が現れた。
「ん?」
首をかしげる先生、理由は僕がスライサーを気にしていないかのように
先生へ向かっているからだ。
ガキン、結界が斬撃をはじく、
「な!」
驚きを見せる先生、それに対し僕は巫術を使う。
「神よ、我は願う、祈りの対価に残像を願う。巫術[残像攻撃]」
僕より1テンポ遅れる残像が現れる、巫術は信仰する神に力を借りる
神に仕える者のみが使える術だ。
「居合[桜ノ舞]」
居合の構えから繰り出す四連撃、残像がいるので
合わせて八連撃となる。
「だあああ!」
目にも止まらぬ八連撃、しかし先生はそこまで甘くなかった、
「回転防壁」
先生は緑の混じった白い光が宿る剣を目の前で高速回転させた。
僕の渾身の技はすべてはじかれ、僕の刀から白い光が消えた。
先生の反撃が来る、そこに僕はカウンターを加える。
「結界[反射防壁]」
先程の結界よりもろいが結界に当たる物流攻撃を斬撃に変え反射する。
反射した斬撃で先生に隙を作る。
「奥義・居合[吹雪ノ舞]」
圧縮した白い光を剣に纏い相手を斬る、その光は相手に不可視の五連撃の
追撃をする。
「ぐうう」
見えない追撃で防御しても押されていく先生。
「だあああ!!暴風!」
連撃を防ぎ切った先生は完璧に緑色の光を宿した剣で、強風といくつもの
風の刃を飛ばしてくる。
「や、やばい!結界[二重防壁]」
物理結界を展開して身を守る、しかし、あまりにも多い大量の風の刃に一枚目
が破れてしまう。
「そこまで!」
その声とともに辺りが光で包まれる。
光が収まると、あれだけ荒々しく吹いていた風とその刃が無くなっていた。
僕の結界も同じ様に無くなっていた。
次回は来週の土、日ぐらいです。