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静かが好きな結界使い  作者: 蒼色
二章 空白の5年間中編 契約の旅
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平和なひと時

ちょっとのんびりとした回

モルトさんがコロさんに聞きに行ったが、心配は無用だった。

話をしている途中、プルさんが戻ってきてすぐに連れて行っていいと言ってくれた。

というか、むしろ大歓迎らしい。


二人の護衛にも話を聞いたが、名前は大剣使いの男の人ががジョン、魔法使いの女の人のメイ

というらしく、オレングスに行こうと思ってギルドについでの依頼を探すと、

この依頼だったらしい。

後、僕はあまり知らないのだが、冒険者ギルドというのはランクというのが存在し、

そのランクは、ギルドカードに書かれた星の数で分けるそうだ。

星1つから星9つまであり、その中で、ジョンさんとメイさんは二人とも星6つで

比較的上位のランクらしい、だが、グリーンウルフは群れとはいえあまり強くないはず、

そのことを聞くと、グリーンウルフと戦う前にレッサーオーガに遭遇したというのだ。

オーガは3フラット程の高さを持つが、レッサーオーガも同じほどで差は武器を使うか否か。

しかも、オーガと戦う時の定石は、魔法に対して弱いので、前衛が魔法使いの詠唱できる時間を

確保するために注意を引きながら戦うことだ。


この話だけを聞けば別にどうということは無いかもしれないが、

原因は、本来群れを作らないはずのオーガ種が5匹まとまって襲ってきたことだ。

オーガは群れない、むしろお互いが出会えば競い合うほどだ。

オーガはそうやって知恵をつけていって成長する。


それだけならともかく、自分に魔法が利くことを知っているのか、メイさんに詠唱する暇さえ

与えないほどの連携攻撃を仕掛けてきた。もちろんジョンさんも黙ってみていた訳では無く、

2匹が邪魔してきて思うように助けれなかった。それでもメイさんが無事だったのは

クレアさんが魔法使いだったこと。クレアさんはそれほど強力な魔法は使えなかったが、

土魔法が得意でメイさんに襲い掛かった3匹のオーガの内、2匹倒したので、

何とか乗り越えられたそうだ。だが、メイさんもクレアさんも魔力は底を尽きかけ、

休憩することにしたが、そこに襲い掛かったグリーンウルフに苦戦していたということだ。





剥ぎ取りも終わり、オレングスに向かって出発したが、魔物に出会うこともなく、

平和に到着することができた。ちゃんとオレングスの近くに飛べたようだ。


ただ、関所がやけに混んでいて、何事なのだろうかと思っていると。

「レイ君、恐らく君は知らないかもしれないから言っておくと、

 ここ最近、天と地の峡谷からレッサードラゴン級の魔物が多く出てきて大変な状況なんだ。」


「そんな危険な状況なのにこんなに人がいるんですか?」


「今、峡谷の反対側からの貿易が止まっている今、遠くはなるけどこちら側の近くの町や村から

 資源が欲しい時だからね。冒険者からしても、商人からしても稼ぎ時って訳だよ。」


「そんな時に雇えるんですか?護衛。」


「僕らとしては、冒険者が多くいるところの方が雇える可能性が高そうだし、

 一定以上の強さを持ったこのあたりの冒険者はここにきている以上、

 僕らもここに来るしかないんだよね。」


「うー....。」


クレアさんがうなる。


「ふわ~、ん~、兄さん?おはよう!」


「おはよう、クレア。」


「妹何ですか?」


「そうだよ。兄妹なんだ。」


クレアさんが起きたので僕は自己紹介を軽くこなし、その後、待ち続けたがなかなか列は進まず

待ちくたびれていると、不意にモルトさんは馬車の荷台の所へ行き長方形の紙がたくさん入った

箱を持ってきて。


「シューターやらない?」


と言った。


「何ですか、それ。」



「う~ん、見てもらった方が早いかな、クレアはやるでしょう?」


「もちろん!」


モルトさんはその箱を開けて長方形の紙をそこにあった二枚以外すべて取り出すが、紙にしては強度が少しあった。

二人とも同じ枚数に分ける。このとき紙はどれも何も書いてない方を向けていた。

配り終えた後二人はお互い紙が見えないように持って、モルトさんが残りの二枚を

お互いに配った。そのカードはそれぞれ二人の目の前に置かれている。

そのカードは表を向いていて20個の星が描かれている。


「じゃあ、行くよ。」


と言いつつモルトさんは手に持った紙から一枚裏向けて出した。

その少し後に、クレアさんも一枚出した。


「「せーの。」」


二人声をそろえてそういうと、出した紙をひっくり返した。

モルトさんは6つの星が描かれた紙、対するクレアさんは4つ、


「よし、僕の勝ち、二個だね。」


モルトさんは小さな石をクレアさんの星が20個書かれた紙に二つ置いた。


「次行きましょう、次!」


だいたいのルールは分かった。星の多いほうが、多かった分だけ20個の星から引くのだろう、

多分20個無くなった負け、みたいな。

ただ、それだと飽きるのではないかなと思いつつ見ていると。4回目に変化が起きた。

モルトさんは残り15個、クレアさんは18個のままだ。


「「せーの。」」


クレアさんが9個の星、かなり大きい数だ。勝負しにいったのだろう。

対するモルトさんが氷の絵が描かれた紙だ。


「もうアイス!?」


驚くクレアさんだが僕にはさっぱりだ。


「レイ君、今回はわざと早めに使ったけど、これは魔法カードって言ってね、

 いろいろ効果があるんだけど、これはアイスカード。

 相手は、次に出すカードが、前に出した星の数より大きいカードを出さないといけないんだ。

 もちろん魔法もだめだよ。」


「兄さん!もう私負けたじゃん!次にミラー使われたら負けじゃない!」


「うん、そうだけど?」


「ああーもう!当たり前みたいに言わないでよ、腹立つじゃない!」


「だってそういう遊びだからね。あと、レイ君、ミラーは相手に、相手が出した星の数の倍の分

 相手の星を減らせるんだ。アイスからのミラーは定番だけど、他にもブーストやフレア、

 ヒールがあるから、必ずしも勝てるわけじゃないけどね。」


クレアさんがあっさり負けたことで、モルトさんと喧嘩(クレアさんが一方的に切れて、

モルトさんがのらりくらりといなすだけ)し始めたので僕はまた今度になった。


そんなこんなで平和?に過ごす僕らだった。(ちなみにメイさんとジョンさんも遠くから観戦していた)









固有名詞紹介 シューター


割と一般的にはやっているカードゲーム。

一人15枚の手札を持ち、1~10のスターカードと、フレア、ミラー、ヒール、アイス、ブースト

がある魔法カードも使って行う。お互いに体力として、20個の星が描かれたカードを

自分の目の前に置いて基本的には、スターカード同士なら、星が多いほうの多かった分だけ

ダメージが入る。15枚使い切っても勝負がつかなかった時は残り体力が多いほうの勝ちとなる。

それさえも同じときは、スターカードを裏返して10枚重ねて置きお互いに同時で出し合い、

星が多いほうの勝ちとなる。


魔法カード紹介


[フレア] 相手に3ダメージ。ほかのカードの中で優先順位が一番高く、与えるダメージも少ない

     ので、ミラーや、アイスをよけるときに使ったりもするとか。


[アイス] スターカードの効果を発揮、例えば相手が5を出せば、次のターン相手は6以上の

     スターカードしか出せない、魔法不可。ミラーとよく組み合わせる。しかし、

     最大である10には効かない。


[ミラー] 相手が出したスターカードの星の数の2倍のダメージを相手に与える。


[ブースト] 自分が次に出すカードの効果を倍にする。(魔法も)


[ヒール] 自分の体力を5回復。


(魔法カードは、相手がスターカードを出してもダメージを受けない)





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