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静かが好きな結界使い  作者: 蒼色
二章 空白の5年間前編 目覚める鬼人
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鬼人の末裔

今週はいけました。なるべく日曜の0時投稿を目指しています。

いけたら土曜?

「.....鬼人族の先祖返りさ。」


「ふ~ん。」


「え!驚かないの!つまんないな~。」


「だって、一時的にならなれるから。」


一応、レイの使える巫術の中に鬼人族になれるものがある。

全く制御できないので、使ってないが。あれになると破壊衝動を抑えきれない為、

レッサードラゴンには使えなかった。エインたちを殺しかねないからだ。


「まあいいや。それなら話が早いや~。君にはこれに修業してもらうよ~。」


「え!?これに!?」


レイが驚くのは無理はない、いったい誰がこんなふわふわ浮いているだけの

炎みたいなものに修業をつけてもらうと想像できるだろうか。


『誰がこれじゃ!』


「うわ!しゃべった!?」


「あはは!驚かせれたから満足だ。僕は用があるから抜けるね~。」


そんなことを言ってガロはあっという間に地下から抜けていった。


『さて、レイと言ったか?』


「あ、はい...。」


返事が弱々しくなったレイ。


『おぬしにはまずその力制御してもらわないといけない。』


「む、無理だよ。お父さんや、巫術を教えてくれたお母さんでも

 無理だったのに。」


レイの両親が教えれなかったのは理由としてはいろいろあるが、

大きな理由は二人が鬼人族ですらなったことだ。


『儂は今ではこんな姿じゃが、以前はれっきとした鬼人族の元長じゃったからのう。』


「そうなの?」


『とにかく、おぬしにはまず鬼人化してもらう。』


そういって、炎が揺らめいたかと思うと、僕は不思議な異空間にいた。

瞬きするよりも早かったこの変化にまだついていけていないレイ。


『どうした?早くならんか。』


「だ、だって『いいからやれい!!』は、はいいいいいい!!」


渋るレイだったが、自称鬼人族の元長に怒鳴られ、詠唱を開始する。


「神よ、我は願う、祈りの対価に今は滅びし、古の一族、我の鬼人の血と魂を

 呼び起せ!大巫術![鬼人化]」


巫術とは比にならない神気を要求される大巫術。それを

唱えたレイは、体の奥から湧き上がってくるような力を抑えきれず意識を失った。






レイが目を覚ましたのは1時間半が経った頃だった。


「ん....はっ!ここは、同じ場所?」


『やっと起きたか、早く起きんか、この戯けが。』


「う、うん。」


そう返事を返したレイが感じた感覚は頭に違和感を感じた事。


「ん?なんだこれ?」


頭に猛獣の牙のような尖ったものが二つ...。

大巫術[鬼人化]による一時的変化...。

そこから導き出せる答えは...。


「角!?どうして!?」


とっくに鬼人化は解けているはずなのに、[鬼人化]は

10分しかもたないのに。


『ここは大昔に鬼人族が使っていた儀式の間。その効果は、

 鬼人族が使う巫術の大幅な増幅。だからおぬしは鬼人化を保っていられるんじゃ。』


鬼人族は巫術が使えた。理由は神への信仰心がこの世界に存在する種族の中で

総じて信仰心が大きかったから。ここでは神への祈りの場としても使われた。

祈りの力を高めようと色々やってみた結果がこれなのだが、それは気にしていないようだ。


『おぬしは今まで暴れまわっていたからの、そのせいで時間を無駄にしたが、

 その分余剰な力が省かれたはずじゃ。』


「ほんとだ....。あまりにも大きかった力が嘘のように静かだ。でも、

 僕の体にはまだ力が恐ろしいほど余っているけど、大丈夫なの?」


恐らく、今レイが全力で動いたらまた暴走してしまうだろう。


『何を言っておる。それをおぬしが操るための修業をやるんじゃ。』


と言って、炎は揺らめきだした。そしてボウォと大きく燃え上がった

と思えば、レイの13~16フラット程先に二つの赤い角が生えている

以外は普通の白髪のおじいさんが姿を現した。


「さて、この姿になるのも久方ぶりじゃな。ほれ、ぼうっとしてないで

 始めるぞ。」


「え?え?」


まだ状況が呑み込めていないレイ。しかし、それに対し老人は。


「本気で動かんと死んでしまうぞ?」


と言い、どこからともなく取り出した刀で斬りかかってきた。


「っ!!!!」


ほとんど反射的だった。吹雪で[一閃]を繰り出して防ぐ。

此処に吹雪があるのは、ガロが言うには一緒に浮かんでいたとか。

そんな話はおいて置き、反射的な[一閃]じゃ防ぎきれないのは明白。

ましてや、自分よりはるかに強いものに対してなら尚更だ。


「ほれほれ、どうした?鬼人化してもこんなもんか?

 まだまだやれるじゃろう?」


そういって次々と刀を振るってくる。


結界を張る暇さえくれない。ほとんど自分の勘で動き続ける。

何とか猛攻をしのいで作り上げた、ほんの小さな時間。ただその一瞬で

刀をしまい...。


「居合[桜ノ舞・鬼]」


レイが使い慣れている連撃技。[桜ノ舞]本来、抜刀術は一撃のみ。

当たり前だ。しかし、魔力によるアシストで速度を落とさず連撃を加えれる

ようにした(スキル)

それを鬼人化用に変えた技だ。鬼人による上昇した力を使い、

アシストの分をさらなる速度上昇につぎ込んだ(スキル)なのだ。


赤き剣閃が走る。しかし、常人の目には映るどころか、気づいたら

細切れにされる程の速さ。それが四連撃、しかし、相手も鬼人。

あんなひょろひょろのように見える老人、だが、元長と自称する

彼の動きは伊達ではなかった。すべて軽くあしらうと、反撃もしてきた。

連続技は発動後の隙が大きい、たとえそれがコンマ1秒でも、

戦いの場においてそれは致命的と言える。


「つ、強い。」


予想外だった。どんな攻撃も防がれ、おまけに反撃も食らう。

鬼人化をまだ制御できないのもあり、攻撃が大振りとなって

回避も紙一重なのもつらい。そんなこんなで剣で...ではなく刀で

斬り結ぶうちに、あっという間に僕はボロボロになっていた。

せめて、巫術か結界が使えれば....。


「うむ、とりあえずはこれで大丈夫じゃな。初めてじゃ、こんなもんかの~。

 さて、そろそろ終わりにするかの~。受け止めれんと死ぬぞ?」


そういって、老人は刀をしまい、詠唱を開始した。

邪魔したいところだが、生憎、僕は吹き飛ばされていたので不可能だ。

なので、結界を発動させようとする。しかし、老人が言った。


「結界はダメじゃぞ。本来結界は自分ではなく、仲間を守るもんじゃ。

 絶対に使うんじゃないぞ。」


これから下手をすれば死ぬかもしれないのになんてことを、

と思うがある意味正論。鬼人化を制御しないと修業の意味がない。

諦めて納刀して、居合の構えをとる。相棒である吹雪の調子は

どうだろうか、そもそも刀に調子なんてあるのか、レイにしては

こんな時に考えるのは珍しい。しかし、まるでこれに答えたかのように

刀にほられた吹雪の文字がが淡い光を放っていた。


それを見た瞬間、頭に電撃が走った、もう魔法は放たれているが、

受け止めれると確信していた。そして、体が勝手に動いていた。


「居合[猛吹雪一閃・鬼]」











 





来週の方が投稿できるかわからないかも。

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