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静かが好きな結界使い  作者: 蒼色
二章 空白の5年間前編 目覚める鬼人
16/75

結界使いと不思議な少年。

二章開幕です。

「ん....。」


レイが目覚める。


「い、生きていたのか.....。でもここは....。しかもこれ、ベットか。」


生きていたことに一安心するが、周りが落ちたはずなのに天井がある。しかも、

レイの寝ていた場所が少し薄汚れてはいるが、その見た目に反してとても柔らかい

ベットに寝ていたことにさらに困惑する。起き上がって状況を把握したいが、

神気の使いすぎと体全体に走る痛みで起き上がれない。

恐らく、落ちて体を打ち付けたことは確かなはずだ、[完全防壁]でも防げないとなると。

信じられないほどの衝撃が来たはずだが、何とかなったようだ。そんなことを

考えていたレイだが起き上がろうとしたせいでベットがぎしぎしと音を立てていた。


タッ、タッ、タッ..............


「(足音?)」


もしそうなら、なぜこんなところに人がいるのだろう。

そしてその足音の主は一見ただの薄汚れた服を着たレイと同じぐらいの少年なのだが、もしただの少年なら

なぜこんな所に.....?


「やっと目を覚ましたの?」

「君は?」

「こんなところに僕みたいな子がいたらさすがに警戒するか~。」


少しゆったりとした声で話す少年。


「僕はガロ、君の名前も教えてよ~。」


「え、え~と...。」


ガロの何とも言えぬペースに押され気味のレイだがしっかりと持ち直す。


「僕はレイだけど君はいつからここにいるの?」

「僕~?生まれた頃からだよ~。」

「(!?)」


ありえない!その言葉しか浮かばない。何故こんなところに、少年への疑問は増えていくばかり。







お互いに情報を交換し合った結果、分かった事がいくつかあった。

まずここは天と地の峡谷の底であり、そこでいたるところにある

洞穴の中であるということ。それは分かっていたことだが、ガロの証言によると、

僕はこの洞穴の目の前に倒れていたと言う。あまりにも偶然のように聞こえるが、

この洞穴の目の前は、この峡谷に流れる川の終着点にあたる場所で浮かんでいたらしい。

驚きはしたが、恐らくあの高さから落ちて無事だったということは、多分、

流れる川に落ちたからかなと、思っている。しかし流されたということになるので

ビュルンデルに戻るのは大変そうだ。


「う~んと、レイはそのびゅるんでるってところに帰りたいの?」


「うん、そうだよ。」


「送っていきたいんだけど、僕は、あんまり遠いところいけないし、それに.....。

 じゃなくて......。」


後半の呟きのような小さな声は聞き取れなかったけど、送れないことは分かった。


「大丈夫だよ。川さえたどっていけばいつか....。「無理なんだ。」え?」


「ここには、レッサードラゴンなんかとはくらべものにはならない魔物がいくつもいるんだ。」


「じゃあどうすれば......。」


どうやって帰ればいいのだろう。


「君は、結界と巫術が使えるんだよね~?」


そういえば、言うのをためらったが、命の恩人でもあり、此処ならいくらなんでもばれない

と思ったので、伝えることにしたのだ。


「そうだけど?」


「うちの地下に行ってみなよ~、面白いものが見られるし、君のためになるかもね~」


気楽な口調に戻ったガロ。


「僕のためになる?」


「とりあえずついてきて~。」


その言葉に従い、とりあえずついて行ってみる。





地下につくと、何か不気味な赤い炎?みたいなそんなものが宙に浮いていた。

赤い炎という言葉に矛盾を感じるが、血の色のような赤と言えば伝わるだろうか.....。


「こ、これは。」


不安を感じつつ聞く。


「これは、とある絶滅した種族の魂みたいなんだけど、僕もよくわからないんだ~。」


なんだろう、これを見ていると僕の中の何かが暴れるような、変な感覚を感じる。

恐怖をも感じてきたレイは思わず顔を伏せた。


「予想通りだね~。」


「え?」


思わずガロの方を向いてしまうレイ。その顔はいたずらが成功して嬉しそうな顔をしている。


「やっぱり君はあの種族の血を、いや、先祖返りかもね~、姿かたちは人族だけど、

 これを見て何か感じるってことはきっとそうさ~。」


「どういう意味?ガロ。」


「君は......。」










来週は投稿できないかもなので、できなかったらすみません。

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