野外訓練の準備 前半
長らくお待たせしました。
野外訓練1週間前、かなり単刀直入だが、最近、皆のストレスがかなり溜まっている。
理由と言えば野外訓練のための知識、必要な物、戦うことになるだろう魔物の対処法などと、
体ではなく、頭を働かせる授業しかしていない、しかも、実技の時間にするので体を全く動かせていない。
この学校は比較的他の学校より知識などではなく、
戦闘能力が求められる。勿論、最低限の読み書きも必要だが。
要は、その溜まっているストレスを初めて戦うであろう魔物におもいっきりぶつけたいのだ。
僕の班の現在の状態は、僕とフーラは普段同様。僕は魔物を狩ったことがあるので別にどうでもいいや
という感じに対し、フーラは、そもそも興味がない様だ。まあやるからには、きちんとやるみたいだが。
マナはそわそわしている。そこまでストレスは溜まっていないが、1週間前だけあり、
興奮を抑えている感じだろう。ストレスが溜まっていないのは実技の時間に魔法使いは
魔物ごとの対処法の時にそれぞれに合う魔法の授業で魔法を時々使えたからだろう。
この順番で来ると察しが付くと思うけど、エインはもう爆・発・寸・前だ。
普段勉強が苦手なエインがここ1ヶ月の間全ての授業が勉強だったからだけど、一応息抜きもしている。
昼食の後に僕と軽い試合をしていたけどそろそろ限界だ。まあ3ヶ月強一緒にいた僕らは
割と仲良くなっている。ただ皆で雑談をするときに、家族関係や、過去の話をするときに、
フーラに話を振るとなんだかんだで話を誤魔化そうとする。何かあったのかな?と思ったけど、
いつか自分で話してくれると思い話を変えていた。
僕が予想するには、戦うことになるであろう魔物は3種類ぐらい。
スライム、ゴブリン、レッドウルフ、のはずだ。
もしここで、特にこれといった害がないスライムの依頼を受けることになる班は、
さらにストレスが溜まるだろう。あいつは、物理攻撃に対しては、
恐ろしいほどの耐性のようなものを持つからな~。
斬ったら分裂、叩けば圧縮、握りつぶせば水の如く、ニュルリとつぶれない。
だけど、近くに行って火種でもいいから当てると、一瞬で灰、いや灰すら残さず消えるんだけど...。
僕らはレッドウルフ....確か5匹の討伐なので、そのための準備をしに来たわけだ。
「ねえ!これなんかどう?水が湧き出る、水の魔石付きの水筒!」
「高い!ただレッドウルフ狩りに行くだけなのにそんなのいらないよ!!」
やっぱり、女の子というのは買い物が好きなのだろうか、やけに高いものを
勧めてくる。それはマナだけか?使える資金は事前に支給される5000ローアだけなのに。
パン一つで100ローアするのに、こんな高い水筒、えっと....4800ローア!!
もするのに。しかも3回しか満タンにできない使い捨てレベルの水筒だ。
まあ、魔力を魔石に込めれば水が補給されるから、使い捨てとはいえないかな。
「じゃあ~......。これ!自動着火機!火の魔石で魔力を込めれば火を簡単につけれる
すぐれ「お前魔法使いだろ!!」あっ、そうだった。」
「はあ~....。」
レイの苦労は続きそうだ。
一方、フーラとエインは....。
「えっと、まず何から買う?」
「....ん、....日帰りだから、食料と水を入れる入れ物、剥ぎ取り用のナイフは支給される
からだいじょぶ。」
「りょ、了解。」
活発で冒険者らしい言葉使いのエインとそれに対して、大人しく、感情の起伏があまりないフーラ
にどう接したらいいか分からないエインは少し困惑しているようだ。しかも、
実は、支給される5000ローアの内2000ローアを食料購入用としてすでにもらっている。
「嬢ちゃん、まいどあり~!またこいよ~!」
「うん。はい、エイン、これと、これ、.....あとこれも....もういい、全部持って。」
「ちょ、まって、おっと、よいしょ、ちょ。」
フーラと店主の交渉により、2000ローアで干し肉とパンの10個ずつを、12個ずつに
してもらったが、おまけで、買うかどうか悩んだ水筒代わりの水袋を4つもらった。
だがそれらをすべてエインに投げてレイたちと合流しに行く。
それらは、干し肉とパンは6個ずつで袋に詰めてもらっていて、持ちやすく、すべて合わせても、
10歳が困るような、ましてや訓練しているエインが困る重さではなかった。
しかし、適当にばらまくように投げられたそれらを回収するのは至難であった。
少なくとももう一話投稿します