君には酷だろうね。
登場人物
黒潮 琥玖♀
ちょっと変えたら女の子なのに男の子っぽいでいたがる。クール。女の子が嫌い。虐待を受けていた。傷だらけの体。主人公。心を開いた人の前では可愛い。
トラウマを思い出して時々狂う。
この作品では八~十歳くらい?
ませてる。
琥玖の父親
神を攫い無理矢理自分の子供を孕まさせ殺した犯罪者。琥玖を道具としか思ってない。琥玖を虐待している。琥玖が自分に逆らえないように昔から教え続けていた。
籠鳥 橘音♂
琥玖の里親
琥玖大好きだから鍛えるねッ♪
籠鳥 賢狼♂
琥玖を可哀想に思う。厳しい。けど甘い。優しい
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気が付くと僕は真っ白な場所に寝転がっていた。動こうとしたけど、体何故か動かなかった。もう少ししたら動くんじゃないかと思い少し動かそうと試みたが、無駄だった。無駄だとわかったら僕は動こうとするのをやめた。無駄なことに体力を使う必要は無いからだ。ここは何処だろう。この白は何処まで続いてるのだろう。僕は死ぬまで出られないのだろうか。体を動かそうと試みるのを止めてから数秒、ふつふつと恐怖が心の奥底から湧き上がってきた。今迄死にかけた事は何度もあった。いじめが嫌で自殺しかけたことも何度もあった。だけどこんな恐怖は感じなかった。気を紛らわせようとするが、一度湧き上がってきた恐怖は拭えずどんどん溢れてきた。
僕は死ぬのか?何故ここに連れてこられた?死にたくない。死にたい。死にたくない。死にたい。死にたくない。死にたい。死にたくない。死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくないッ....!!
恐怖で呼吸が段々荒くなる。苦しくなる。ぎこちなくなる。
嫌だ。独りはやなんだ。止めていや嫌だ
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ........
ふっと頭上に人影か見えた。人がいる事をを確認した途端、ぎこちなかった呼吸が段々元に戻ってきた。
僕の頭上にいる人は僕の前に来て僕に跨った。跨った人の顔は見えなかった。
何をするんですか、そう言おうとしたが、声が出なかった。
僕に跨った人は僕の首に手を伸ばし、僕の首を絞め始めた。ぐぐぐ、と僕の首が絞まるにつれ息ができなくなった。
「出来損ないが、」
「!?」
聞き覚えの有る声が僕を罵倒し始める。
「何故のうのうと生きている?」
「皆お前の事がじゃまで邪魔で仕方ないだろうな。」
「お前のせいだ。」
「お前は自分の母親の魂を喰らい生まれてきた屑だ。」
「穢れた屑め」
「お前はただの道具だ」
「なのに何故道具が俺の役に立たん?」
僕の心の傷を再度抉られる。間違いない。これは、
「とお...、さ、ま...」
僕の父親は、冷たい目でぼくを嗤い、また罵り始める。
「なぜ死なない?」
「やはり化物だな?」
父様は首を絞めている手を外して懐から大量のナイフを取り出し床に置く。
「化物ではない、そう言いたそうな顔だな。」
床に置いたナイフを一本拾い僕の首に当て滑らす。
サクリと僕の首にナイフが刺さり激痛が走る。しかし、僕の傷口は煙をたてて再生し始める。
「痛くないのか?痛かろうな。」
「化物ではないか。」
サクリ、サクリ、サクリ、サクリ、サクリサクリ、サクリ、サクリ
何本も何本も僕の体にナイフは刺さっていく。
激痛に涙が出る。何故父様は僕を虐めるの?痛いよやめてよ。
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いんだ!
何処からだろうか?遠くから僕を呼ぶ声が聞こえてくる。あれ、いし、き、が....
「....く...こ....こく... 琥玖!琥玖!琥玖っ!!! 」
目を開けるとそこは見慣れた場所だった。お父さんが僕の起こしたのだ。
さっきまで見ていたのは夢だったと理解した途端、涙が溢れ出てきた。
お父さんは一瞬ビックリしたように僕を見たけど、優しい顔をして僕を抱きしめた。泣きやもうとしても涙は止まらなかった。
昔のことでも思い出したかい?辛かったね。寂しかったね。
お父さんは声をかけてくれる。
暖かかった。
暫く僕は泣き止めなかった。ずっと泣いている僕にお父さんはずっと付き合ってくれた。
段々意識が薄くなっていく。
「こく、おやすみ。」
お父さんはニコリと笑った。
「おや、す、み。」
僕の意識は夢の世界へ行った。
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「またお前はろくでもないものを拾ってきおって!」
説教する声が部屋の中に響く。
ちょっと父さん!子供が寝てるから静かに!と注意をすると父さんは黙った。
「いい?あの娘は姉さんの子なの実験台にされて変なものも混じってるけど。」
うむ、と父さんは頷いた。
「して、お前はあの幼い娘をどうするつもりだ?」
父さんはじろりと僕を睨んだ。
「勿論、×××―――――。」
父さんは怒りをあらわにした。
彼女にはこれから自分が過去のトラウマや、全ての心の傷以上に、自分が壊れていく体験を十数年とし続けてもらうからね。
壊れない様にしないと。姉さんの娘。可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い僕の、琥玖。
あぁ、愛おしくて堪らない。この愛は
「琥玖には酷なだろうねぇ。」
なあんてね。と僕は歪んだ笑みを見せた。