プロローグ1
不快に思われる方もいるかもしれませんが気にせず読んで下さる方も何卒よろしくお願いします。
ラジオのノイズのような音が耳障りで、汚くバスドラを叩いたような雑音が心地よいそんな雨の日。
異質。
只々異質。
異様であり奇異、奇怪。
僕はその光景に歩くのを忘れて立ち止まっている。
前から歩いてくる学生服をマントの様に翻す傘をささない男は顔をこちらへちらっと向け僕の驚いた表情を見て、フッと笑うと全く濡れていない頭をまた進行方向に向けて歩いていった。
☆
傘をささずに歩く。
こんなにも他人と違うことに優越感を覚えることはない。
まあ、こんなことせずともこの俺ーーーリク=アイネスが他とは格が違うのは明白なのだが…まあ、それがわからない愚民にはこの方法が手っ取り早い。
この俺が何故雨に濡れないかというとそれはこの世界の秘密などに関係があり、それを説明しなければならないので面倒臭い事は後ということだ。簡潔にいうと俺はこの世に稀に存在する特殊能力者なのだ!まあ、最近は大量発生しているらしいが…まあ、それはそれとしてつまりこの俺は一般の凡人とは違うのだ。ちなみに俺の能力は「上から下へ行くものの影響を無くす能力」。
例えば今俺に落ちてくる雨粒は俺の身体を濡らさずに身体を滑るように自由落下していく。理解力が俺に遠く及ばない者にわかりやすく言うと、俺は頭上に鉄球を落とされてもビルの上から狙撃されても死なないのだ。まあ、この俺からすれば当然のことではあるがな。つまり雨に濡れないなど造作もないことだ。凡人や愚民と力の差は歴然。特殊能力者、この世界では「ユーク」という呼び方が世間一般では広く使われているが、俺の能力を見ただけでそう呼ぶのは勘弁して欲しいものだ。俺の名はリク=アイネス。名前で呼ばないというのは失礼に値する。自然現象にさえ抗うこの偉大なる俺に対して軽蔑とか軽視だとか蔑む行為は全くもって不愉快かつ軽忽なものだ。
「俺と雨の影響を無くす」という条件で雨に濡れないそんな偉大なる俺は濡れた学生服や鞄を見てとりあえず寮に戻ったら乾かそうと少し早足になった。
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読んで下さった方々、ありがとうございました。これからも読むよと言って頂ける方々、ありがとうございます。続きは良いかなという方々、期待に答えられず申し訳ございませんでした。
では次はプロローグ2です。こちらも何卒よろしくお願いします。