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14 ドラゴンさんの後始末

 

 

「なんで出現地点が空なんだああああああああ!!!!」


 転移した瞬間はじまった高度約三千メートルからの自由落下に、カイルは盛大な悲鳴を上げながらもきっちり文句を言っていた。

 おお、左手を握り締める握力がすごい。


「いや、だって結界壊して入るのはだめでしょ」


 一度来たときに王都全体を対魔術妨害用の結界が張られているのは知っていたから、王城の真上にしたんだけど?

 するとネクターは空中でも器用にぺこりと頭を下げた。


「お気遣いありがとうございます、あの結界は一度壊れると張り直すのに1年かかるんです」

「なんでそこまで落ち着いているんだネクターあああ!!!!???」


 風精を使っての会話についてくるカイルも結構余裕あると思うけど。

 まあネクターはいっぺんドラゴンの高速飛行と杖での自由落下をやっているからだろうね。


 まあそうこうしている間に二千メートルを切っていたので私はさっとドラゴンに戻ると、両手で二人を抱えた。二三度羽ばたいて落下速度が落ちた途端、げっそりとした様子のカイルがつぶやく。


「結界を避けるだけなら、近くの平原でもよかっただろう。どうして空だったんだ」


 結構気にするね、一応理由はあるんですよ?


「私がドラゴンだということを印象付けたほうがいいと思ってね。ネクターや君にかかる迷惑の後始末のために今回はこうやって動いたけど、人の面倒事にはかかわる気はないんだ。きっと人型をとると、いくら言っても忘れがちにされそうだから、先手を打っておこうかとおもったわけだよ。……あと門から入ると時間がかかりそうだったから」


 一時的にふさいだだけだから、あんまりほころびをほうっておきたくないんだよね。

 呆れるかと思ったが、不安定な掌の上でも身を起こして私を見上げるカイルの表情は真摯だった。


「俺には魔術的な宣誓はできない。だが、これ以上人の思惑があなたを煩わせないよう、全力をもって退けることを誓おう」


 真面目だなあ。


「元は私のおせっかいが原因だから気にすることはない。でも、それが君の誠意なら受けいれよう」


 ドラゴンに戻って地上に近づいていくと、予想通り眼下にそびえる壮麗なお城の前庭や城壁にはわらわらと人が出てきていて、私を見上げて騒然となっているようだ。

 城下町でもこちらを見上げる人々がよくわかった。首尾は上々のようである。

 そのまま舐めるように低空飛行をしてから、私は風精を飛ばして声を張り上げた。


「もしもーし、新しい王様はいるかーい? 会いに来たよー!」


 カイルが盛大なため息をついていた。なんで?






 ともかく無事王城の前庭へ着地した私は、へっぴり腰の兵士から大量の刃を向けられることになったのだが、手のひらから降りたカイルとネクターによって抑えられ、恐る恐る出てきた王様や新政府のお偉いさんが来たので、美女型になって話をした。


 だってドラゴンのままだと全く話にならなかったし、彼らに伝わっている話は美女だから合わせましたよ? わざわざ別の顔もありますなんて言う必要ないしね。

 もちろん、本物の私が実演付きで証明したからネクターへの嫌疑は綺麗に晴れた。やれやれよかった。


 新王は、油でてらてらしていた前おっさん国王とは似ても似つかない十代後半くらいの好青年だった。


 あとで聞いた話によると、あのおっさんの前の前の黄金時代と呼ばれた王様の隠し子の息子だという。

 公に知られていた次期国王になれそうな年頃の血縁者は軒並みおっさんが粛清していたそうで、それくらい遡らないと居なかったんだそうだ。

 それでよく正当性を証明できたねと感心していたら、血縁関係を証明できる魔道具があり、国王の戴冠式には必ずそれで顕示する儀式があるという。

 そういうところはきっちり進んでいるんだねぇ。


「そ、それで、あの、黒竜さま。私たちはどうなるのでしょうか……?」

「ん? ……あーそうか、忘れてた」


 一度黒火焔竜と呼ばれたのに思わず殺気立ってしまってから完全に委縮してしまった王様くんに、びくびくそわそわしながら上目づかいに言われてやっと用事を思い出した。


「そうだねえ、私は君たちがどう争おうと興味はないんだ。だがね、前の王は私にとって許せないことをした。もちろん君たちが同じことをしようとすれば同じことをする。だが、君たちはしないだろう?」

「っ…………!!」


 王様くんが、がくがくとうなずくのがちょっと面白くて、思わずくすりと笑ってしまった。

 すると王様くん含む目の前にいる全員ガキンッ!と音がしそうな勢いで動きが止まった。

 不思議だったがまいっかと続ける。


「君たちにかかわる気はない。それでもあえて言うなら、私の邪魔しないでくれ。君たちの害になるようなことはしていない。つまりだ、君たちはいい国づくりをすればいい。そうすれば私の大事なものに手を出さない限り見守っているよ」

「っはい!!」


 なんちゃって威厳(魔力をちょっと解放)付で宣言したら、表情が真っ青になったり真っ赤になったり忙しそうだったが、王様くんも幹部たちも一も二もなくもなくうなずいてくれた。

 誰かに見られていると思うだけで気が引き締まるだろう。

 さらに、国政が安定すればきっと文化も進んでおいしいものが沢山できるだろうという立派な打算付である。





「やり過ぎだラーワっ! 若い野郎を軒並み惚れさせてどうする!!」



 いいことしたと思ったのだが、カイルにはそうではなかったらしい。

 是非ともと引き止められて案内された客室で三人になってすぐ、頭痛がしてそうなしかめ面で小気味良い突っ込みを入れられた。

 呆然とはたかれた頭に手をやる。もちろん痛いわけではない。


「……友人くん、もう一回やってくれっなんか今のとても友達っぽかった!」

「なに妙なところに食いついている! 俺の話聞いていなかったのかっ」

「ラ、ラーワが望むのでしたら私だって突っ込みの一つや二つ会得してみせます!!」

「ネクターもなぜそこで張り合う!?」


 部屋にあらかじめ施されていた盗聴設備は、部屋に入ってすぐのぞき見盗み聞き防止魔術で無力化したから何を話しても問題ない。まあ、聞かれて困るようなこともないんだけど。

 だってねえ、ドラゴンの知覚だと、壁一枚隔てていても目の前でガン見されているのと同じくらいよくわかっちゃうんだもん。魔術に頼った盗み聞きなら言わずもがなだ。

 気になるのはわかるけど、居心地悪いも程がある。


 だけど、ぎゃんぎゃんと遠慮なくじゃれあう私たちの姿を、用事があってきたらしい文官さんや見知らぬ魔術師、お茶が飲んでみたいといった私のリクエストに答えてお菓子!付のティーセットを持ってきてくれたメイドさん!!などが方々に話して回ったのか、カイルとネクターはドラゴンに認められた強者という風評が立ったらしい。

 そのおかげで、実力の割に評価がものすごく低かった魔術師たちの地位がうなぎ上りに上がり、スムーズにいくことが多々あったというから何が幸いになるかわからない。


 300年ぶりのお菓子はマドレーヌみたいな焼き菓子で、懐かしい味に泣きかけた。

 なんとそのメイドさんの手作りだというから思わず握手を求めてしまったよ。


「マドレーヌだあああああっ! お店で売ってたら絶対買う、買いに行く! ほんと食べさせてくれてありがとう!!」


 気が付くと腕の振り回し過ぎたせいかマドレーヌのメイドさんが目を回していて、カイルにおもいっきりはたかれた。

 さらに私の喜びようを見たネクターが、お菓子作りにも精を出そうとひそかに決意していたらしい。


 そのあと新王の主催する夕食会にもお呼ばれしたのだが、面倒くさそうだしマナーとか無理なので、当初の予定通りカイルの部隊が寝泊まりする魔術師の頓所に突撃し、部下の人たちを混乱の渦に陥れつつ魔術談義に花を咲かせている間に、ネクターが気合い入れて作った料理にみんなで舌鼓を打った。

 部隊の人たちの間でもネクターの料理のうまさは周知の事実だったらしい。


 やっぱわいわいご飯食べるのが一番だ!


 そのまんま酒盛りに突入し、並み居る猛者を潰しまくってドラゴンは酒好きうわばみイメージを構築することに成功した。ぶい。


 ネクターが酒に強いことに驚き、意外にも弱かったカイルがふにゃふにゃになるのを見て笑い、酔った勢いで片思いだという同部隊の女性に告白する場面にはやんやの喝さいを浴びせたが、彼女が真っ赤になりながら了承すると手のひらを返すように怒号と怨嗟に変わっていた。


 どうやらライバルが相当数いたらしい。あんたら本当に正直だね!


 襲い掛かる野郎どもをあしらいつつも酔いをふっとばして喜ぶカイルに私は、幸せならより幸せに浮気したら馬に蹴られろという、もはや呪い的な祝福の言葉を送ってあげた。


 ドラゴンの言葉は現実になるから気を付けろよ!幸せになりやがれー!!


 それが独りもんに受けたのか、彼らの傷心のヤケ酒に付き合い話を聞いているうちに「ドラゴンさん」と呼ばれるほど仲良くなり、最後にはその場で覚えた戯れ歌をみんなで大合唱した夜だった。







『じゃあネクターまたね。時々連絡ちょうだい』

『はい、ラーワ必ず会いに行きますから』


 翌朝、カイルを含む部隊の人たちは、まったくもって使い物にならなくなっていたから、ネクターにだけ別れの挨拶をして帰った。


 思ったより転移術の計算が大変だったのと、久しぶりに大勢の人間に囲まれて精神的に疲れていたのも相まってドラゴンに戻って飛んで帰ったのだが、城下の人に姿が目撃され前日のお昼以上のパニックになってたそうな。

 朝早くだったからいいかと思い、目くらましをかけなかったのは失敗した。

 まあ、ほころび近くの街のような悲観的なモノではなく、自慢話の一種になったらしいから良かったとはいえ、その、縁起物のような扱いはかなり恥ずかしく、後で聞いた時に微妙な気分になったことは察してほしい。

 私を見ても寿命は延びませんよー……?


 タッチの差で王城から歓迎会やら舞踏会やらの出席要請を求めに役人が押し寄せていたというから、絶妙なタイミングだったといえよう。

 王様くんの後ろに控えていた大臣の一人、目の色変えていたからなあ。





 ネクターの会いに来るという言葉は本当にすぐだった。

 王都からほころびに一番近い、そう例のドラゴンパニックで騒然となった街にレイラインの経過観測とドラゴンとの対話を名目に王立魔導研究所の分室を作り、そこの室長として赴任してきたのだ。


 他の仕事もあるらしく基本は王都で仕事らしいが、週に一度は精霊樹の杖に乗って平原にいる私のもとへやってくるので、以前のようにのんびりしたり、昼寝したり、ごろごろしたり……あれ、だらだらしかしてない?


 一応ネクターにはレイラインの資料編纂を頼んでいるので、間違いがないかその時点まで書いた資料を読ませてもらったりするのだが。

 ……うん、一月以上前に話したことを一語一句まで寸分たがわず書き起こしてあるそれにネクターが国一番の天才だってことを思い出したよ。


 そんなあの一か月が戻ってきたかのような穏やかな時間が過ぎたが、王宮はそう芳しくないようだ。

 或る日、ネクターがかなり心配した様子でこんなことを言った。


『最近カイルの疲れが目立つようになりまして……』


 魔術師長に就任したカイルはとにかく殺人的に忙しい、と前から聞いていたが、最近特に顕著らしい。

 どうやら原因は私も少なからずかかわっているようでして。

 あの後もカイルやネクターを通して公式の場から私的なお茶会まで私に対するいろんなお誘いがあって、その対応に時間をとられて輪をかけて忙しくなっているようだ。

 そういうネクター自身も少々疲れ気味だ。


 王城で話をしたときにあんたらとかかわる気はないよと王様たちには言っておいたはずで、その上でのお誘いなんだから断られるのが当然で、彼らは最初に宣言した通り、私の意思をくみとって煩わせないでくれているのだ。

 本当にありがたい人たちである。


『どうにか手伝いたくはあるんですが、カイルには仕事には手を出すなと言われていますから。どうしたものかと』

『うーん。私のせいでもあるからね。やめさせるんなら王様んとこ乗り込んでみる?』

『それは絶対にやめろとカイルから伝言を預かっています。ラーワが出てくると悪化する。だそうです』

『あーやっぱり? じゃあせめて彼のストレス発散になるような事を考えてみるか』


 現在進行形でお世話になっているし、そう聞くとやっぱり心配だからね。


『ありがとうございます』


 少し憂いが晴れた様子でネクターが帰った後も何かできないかと考えてはみたものの結局まったく思いつかず、カイルに直接鱗で連絡を取ってみたら、予想以上に疲れた思念で予想外の言葉が返ってきた。


《事務処理ばかりでうんざりだ。一度でいいから、古代魔術の話が聞きたい》


 どうやらネクターが相当羨ましかったらしい。

 ネクターに話したくらいのレベルなら問題ないし、そういえば部隊の人たちも聞きたがっていたなあと思い出し、それならこっそりそっちへ行こうか? と聞いたのだが、カイルは断固として平原に行くと言い、その二日後にはカイルの元部隊の人たちが勢ぞろいで平原に来ていた。

 ちなみに王都からこの平原近くまで、馬を使って丸一日かかる。

 こっちの馬は鱗が生えていたり、そもそも鳥だったりして地球の車並によく走る。その距離は推して図るべしだ。


 ほこりまみれでよれよれで、でも眼だけはキラキラと輝かせる彼らに苦笑した。

 彼らの熱意に私も自然と熱が入り、講義は日が落ちるまで続いた。

 カイルが一番熱心で、帰るころには来た時よりも生き生きとした表情をしていたからこんな形でもリフレッシュにはなったようで、ネクターと顔を見合せてほっとした。


 それから、噂を聞いたほかの魔術師も出来れば参加したいというものが続出したらしく、ネクターとカイルと相談して、定期的に青空魔術講義をやるようになった。

 参加資格は、ドラゴンの魔術資材価値よりも知識的価値を優先できる魔術馬鹿であること……ってをい。

 ドラゴンの前で臆せず話すという高いハードルがあるから自然と選別はできるんだろうけど、魔術馬鹿の中に私も入っているらしいってのがちょっといやな気が。


 さすがにまずい情報は選り分けているから講義自体はそんなに長くはないのだが、研究成果や議論を交わす場として多くの魔術師が平原に集まり、開催日は朝から晩まで激論が繰り広げられた。

 魔術馬鹿だけあってドラゴンを見ても魔術が介在すれば全く気にしない彼らと話すのは面白く、退屈とは無縁だ。


 まあ、何人かの魔術師は隙あらば荒い息遣いで私の体に触ろうとして来るのは困るんだが。

 一応、古代語が話せるようになったら、私の鱗もたてがみも許可なく持ち帰らないと宣誓してもらっているから、今んとこマナーの悪い人は出てきていないんだけど、やっぱり魔力のかたまりである私が魅力的に見えるのだろうか。

 それも、すぐにネクターが無表情で吹っ飛ばしてくれるから実害には至っていない。


 カイルも王都での魔導関係の人事異動と部署の統廃合など殺人的に忙しい仕事の中で一体どうやって時間を作っているのか、月一の開催日に必ずやってきて激論を交わしていく。

 ここで時間を過ごすことがいい気分転換になっているようで、それからはカイルも元気そうである。





 だがいくら断られても諦める様子もなく、そういうお誘いはなくならないようだった。

 中には要求を突っぱねるとは国家反逆罪とか言う野郎もいたようで、それが人の友達に物を頼む態度かって一年もたつころにはかなりムカッと来ていた。


 ある日、とうとう私のいる平原にまで王の使者だというやたらきらびやかな人間がやってきて、高圧的に王城への参上要請を読み上げられた。

 さすがに聞いたことがない謙譲語やら修飾語が多くて解読するのに苦労したが要約すると、


 ひとーつ、人型にて魔術顧問として知識提供を求める。有効活用してやる。

 ふたーつ、有事の際は本性にて出動を要求する。戦争が起きたらあんたが解決しろよ。

 みーっつ、王の正妃に迎え入れる準備がある。確固たる地位を与えてやるのだからありがたく思え。

 よーっつ、ここはあくまでうちの国のものなのだから、滞在費として鱗と爪をよこせ。

 守らないのなら懇意の魔術師を…………


 …………なんか舐められてない?


 もう少しあったようだがそこまで聞いたところで堪忍袋の緒がぷちっと切れた私は、来た人間を王城の謁見の間に強制転移させて、ネクターに連絡を取った。


『ちょっとお爺ちゃんのとこ行かない?』

『喜んで!』


 打てば響くようなネクターの返答だった。

 予定通りレイラインの修復も終わっていたころだから、約束を果たすにはちょうどいい。


 だって”見”守るとは言ったけど、守るなんて言ってないもん。

 ネクターを筆頭にカイルやここに来てくれた魔術師たちに古代魔術の知識提供はしたのだから宣言した分は責任取ったし、もういいよね?


 そうしてカイルだけに話をして、ネクターと一緒に約束の土産をもって遊びに行った。






 着いた途端お爺ちゃんに微妙に乱れているレイラインを治してほしいと言われた。

 快諾して、ネクターを置いてその地点へ飛んでやり始めたのだが、昔の仕事を見ると治したいところをいろいろ見つけてしまい、あれもこれもと熱中していたら案外時間がかった。


 何とか終わらせて戻ると、お爺ちゃんとネクターは意気投合して大いに盛り上がっており、お土産に持ってきていた酒の大樽を半分以上あけてしまっていてちょっと泣いた。


『なにしゃべってたの?』

『ちょいと悩める青年に訓示を、な』


 なんでも男同士の話で盛り上がっていたらしい。

 おじーちゃん性別あったっけ?


 まあそのあとお酒とネクターが持参したつまみをかじりつつ大いに語り明かしたのだが。


『ラーワはいつまでも私の特別なんですからね』


 お酒のせいか顔を真っ赤にしているネクターが妙に色っぽかった。






 ちなみに。

 私が平原からいなくなった事は即座に知れ渡り、黒竜殿の機嫌を損ねたと上を下への大騒ぎだったそうである。


 同時期に失踪したネクターも帰ってきたとたん相当追求されたらしいが、唯一事情を知るカイルと口裏を合わせのらりくらりとかわし、最後は「ドラゴンを怒らせたのはてめえらだろ」で、黙らせたそうだ。

 青空魔術講義に参加した魔術師は全員味方になってくれたから、案外楽だったってさ。


 まあ、仕掛けたのは王様ではなく側近の一人で、その人は失脚したという。

 さらにネクターが理路整然と如何に悪手を踏んでしまったかをテーマに弁舌をふるったらしく、王様はしばらく燃えカスになっていたらしい。


「ネクターのキレ具合を見せてやりたかった」


 と後でカイルに愚痴られた。


 その後少々他国との関係作りに骨を折ったらしいが、ドラゴンに守られた国として勝手に喧伝しようとしていたのだから自業自得ということにしてもらおう。


 

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