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転生者

2-Cの教室。

モブがわんさかいる中で、やはり猫実は目立っていた。


「・・・・」

「・・・・・」


解せない。

どうしても解せない。

普通席順は出席番号順ではないのか?


(・・・あぁ、OK。理解した。)


このクラスの男子の苗字の頭文字は、"え"まで来てから

ぶっとんで"ね"なのだ。

私は出席番号五番。

猫実も、五番。

だから必然的に隣の席。


「・・なあ」

「な、なに?」


あぶなかった。

桜月虹花は明るい子のはずなんだ。

だから、作らないと。


「虹花ちゃん・・・いや、桜月はさ、なんで俺の前知ってんの?」

「猫実くんこそ、なんで私の名前呼んでいるの?」


綺麗な笑顔で返答すると、猫実はヤベッと声を漏らした。

・・こいつ、何者?

しかも、私を虹花にじかではなく、虹花いろはと呼んだ。

クラス表には漢字しか書かれていなかったはず。

それに私は転校生だ。


「お、俺の事はいいんだよ。お前のこと聞いてんの」

「私は諸事情あってだよ?」


どうしよう。

このイベントしらない。


「俺も諸事情だ」

「教えてくれないの?」

「・・・いいけど、頭可笑しいように見えるだろ?」

「別に」


あ、どうしよう。

そっけなくしてしまった。

虹花は優しく明るい子なのに!


猫実は驚いたように目を見開く。

え、虹花ちゃんってこんな子だっけ・・という言葉はダダ漏れだ。

こいつ、何を知っている?


「・・・・教えてよ」

「・・・頭可笑しいって言わないか?」

「アンタが頭可笑しいことになるなら、予想では私も頭が可笑しいことになるよ。」


素のままで口を開く。

猫実は、「そんな・・・っ!虹花ちゃんが・・っ!」と嘆いた。


これで確信した。


「アンタ。転生者?」

「・・・・おまえも?」

「まあね」


自嘲気味にため息を漏らすと、猫実は苦笑いを浮かべた。

話を聞くところによると、猫実は物心つくころに思い出したらしい。

この世界を知っていた理由は「前世の妹がこのゲームのファンだったから」。

主人公のことはあまり好いておらず、なんでも虹花のファンだったとか。

健気な姿がいい!と熱弁してくれたのは、正直有難迷惑だが。


にしても、転校早々ラッキーだ。

秘密を共有できる人というのは、今の私からしてみれば貴重である。

しかも攻略対象。

そして虹花のファンときた。


「なぁ、虹花ちゃんって呼んでいいか?」

「そのナリでちゃん付けとか違和感しかないからね?」

「じゃあ桜月さん」

「・・・・虹花って呼んでよ?」

「お、おう」


小さくガッツポーズを決め、「っしゃ!」と声を漏らす猫実。

コイツ、こんなキャラだっけ。

そう思って、苦笑した


展開早くてすみません

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