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とある双子の非日常  作者: 吹雪
第2章 ゲームをしよう
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第6話 とある双子の疑惑

 僕はコントローラーのスタートボタンを押したところで、なんとなく横にいる一夜の様子を伺ってみた。


「……」


 仏頂面に拍車がかかってる。例の如く機嫌がよろしくないらしい。まあいつものことだから気にすることもないだろう。どうせ付き合ってくれるんだし。


 気を取り直して画面に改めて向き合う。まず初めにしなくてはならないことは、初期設定である。


 要するに、主人公たちの名前、容姿などを決めるということだ。


「ねぇねぇ、名前はそのまま僕たちのでいいよね?」

「……」


 無言で睨まれた。どうやら嫌らしい。


 結局僕は、一夜の無言の拒否を無視して僕たちの名前を主人公たちに付けた。ついでに容姿もできるだけ似せて。


「……」


 横から不機嫌オーラ全開な気配がするけど気にしない。ていうか、気にしたら負けだと思う。


 さてさて、これで全ての準備が整った。開始ボタンを押し、プロローグが流れ始める。……なんだかホラーらしい音楽が流れ始めた。地味に怖いな。


***


「やばいやばいやばい!なんかゾンビみたいなの出てきたよ一夜!」

「……」


 なぜかプレイしていくうちに神隠しと関係なくなってきた。なぜだ。


「おかしいなぁ……これってゾンビゲームじゃないよね?何でゾンビが出てくるわけ? どういうことだよ高橋さん」

「誰だそれ」


 とうとう一夜が口を開いた。ていうか、今日初めての言葉がそれかよ。


 でもまあやっと一夜がしゃべってくれたわけだし、質問には答えてやろう。


「高橋さんは僕たちのクラスメイトだよ。覚えてないかな? ほら、パソコンとゲームが大好きな眼鏡のゲーマーちゃん」

「……知ってる。その高橋がどうした」


 なんかさらに一夜の機嫌が急降下してる…。正直に答えないとうるさく(?)なりそうだな。


「高橋さんから買ったんだよ。中古でなんと五百円!遊び終わったからって格安で譲ってくれたんだよ」

「……」


 高橋朱希たかはしあきさんは、僕たちのクラスメイトなゲームオタクだ。見た目は普通に眼鏡をかけた真面目そうな子なんだけど、中身は普通に今時の子。


 最近やっと僕はクラスの皆に慣れて、普通に会話できるようになった。(一夜は変わらず無口だけど)その過程でできた友達の一人がその高橋さんなのである。


 一夜は僕の言葉を聞くと、さらに不機嫌になってしまった。なぜだ。僕は何も悪いことしてないのに…。


「兄貴、そのゲームはおそらく高橋が改造したものだ。騙されたんだな。」


 ……えー、そんなー。ひどいよ高橋さん。

2013/1/13 少し改稿しました。

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