高倉凛今日から桜風中学校に赴任してきました。
4月8日 晴れときどき春風あり。
「はぁぁあぁぁっ!なんだこの坂道は!必要ないだろ。」
4月の初旬なのにこんなに暑いか?
暑い、暑すぎる。てか、なんだこの無駄に多い坂道は!要らんだろ!
…って、ん?んんっ!?生徒の皆さん歩くの早いっ!いや、私が衰えただけだ…
あぁぁ!それにしてもしんどぉぉぉっ。
「はぁ、はぁ、はぁー…つっ疲れた。」
やっ、やっと【桜風中学校】という文字が見えた。
息が途切れる中ふと顔をあげると、そこは素晴らしかった。
まだ創立5年しか経っていないため綺麗。しかも玄関の前には大きな時計台。玄関を抜けると思わず授業中に見とれてしまいそうな噴水。
…本当にここ公立校か?
そんな風に驚きを隠せずぼーっと突っ立っていたら…
「あの…あなた制服は?」
…は?、と思い後ろを向くと、因縁のメイクをしている女性がいた。
「あの、私今日から赴任してきた高倉ですが…。」
「…………」
「…………」
なんだこの沈黙。
誰ですかって問いかけようとしたその時。
「あぁ~あなたが高倉さんね!後ろ姿が生徒に見えて…ごめんなさいね☆」
「はぁ…それは、どーも」
って何褒め言葉として受け取ってんだ私!
「紹介遅れました。私がこの学校の校長、中井幸代です。ヨロシクね、高倉凛さん!」
「あ、こちらこそよろし…ってえぇぇっ!若っ!」
「あ、私校長でありながらまだ36なの☆」
はぇー、すんげぇ。
てか、ちょっと同じ目線で見ちゃった。
「あの、中井校長。私は今からどーすれば…」
「あっ、そーだね。とりあえず職員室行きましょうか。皆に挨拶まだだしね。」
あ、そーか。私これから教室じゃなくって職員室なんだ…。
「それじゃ、早速行きましょ☆」
「はい!」
高倉凛 23歳
今日から桜風中学校に赴任してきました。