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2.無血の英雄と出会えたところ

 齢三歳にして、既に人生に疲れた。

なんだこの容姿は。普通で良いって言ったよ。普通で良いって。なにこの愛くるしい生き物。私じゃないよね。私じゃないよね。誰か否定してーっっ。

 鏡の前で、誰も居ないことを確認してから、まるで日課のようになった自分の姿を見て落ち込むという一連の作業。

まして、貴族はイヤだって言ったら王族とか。なんの嫌がらせだ。

その上、要らないプレゼントは、精霊と自動契約らしくて、鳥の声が理解出来るし、木々の声も分かるしという、便利さ。便利ってことにしておく。うん。

多分、他の動物全般、言葉は理解出来るんだとは思うけど、私の周りにいる動物は、残念ながら小鳥くらいしかいなかった。

きっと、集中すれば、風とか、水とか、炎とか、土とかの精霊の言葉も分かったりするような気もしないでもないんだけど、元々要らない力なので、極めない。絶対に極めたりなんかするもんかっ。

 生まれ変わった世界は、どうやら私のまったく知らない世界だけれど、まあ、こんな感じで日々を過ごしてます。

子供の振りをしたところでボロが出るので、普段は奥に引っ込んで、自動でお相手をしている。とは言え、知識を引き出せないだけだから、行動は私なわけなんだけど。

小さい頃からこんな、なんというか、相手を見て態度を変えるような子供で良いのかと、実はひっそりと思ってはいるのだが、何歳児であろうと、絶世の美女になろうと、中身は私だ。

そう考えると、なんかとっても残念な人っぽいな。

自分の現状を理解したときは、クーリングオフは出来ないのかと、本気で考えたけど、この場合のクーリングオフって、死ぬってことなんじゃないかと気が付いて、黙ることにした。

そんな私の目下の敵は、実の兄。しかも上二人。

 「リィリ」

そう言って、今にも蕩けてしまいそうな笑みを浮かべるのが長兄。レイガウス。私は、レイ兄様と、舌っ足らずに呼んでいる。いや、呼べないだけなんですけどね。

 「リィリ」

そう言って、ひょいっと私を抱き上げて、頬ずりしているのが、次兄。クウレウス。私は、クー兄様と呼んでいる。

この二人はことあるごとに私をだしにしてとしか思えない感じで、ケンカをする。二人的には、いかに私を愛し、かつ私に愛されているかの競争らしい。はっきり言って鬱陶しいのでどっか他所でやってください。と、思うのだが、これが外の女性だと洒落にならないので、我慢しておくことにしている。

この年齢の子供に手を出したら、変態どころじゃないですよ。兄様方。

次なる私の敵というか、多分なんか私が琴線に触れてしまったらしい、姉。

 「汚い手でリィリに触らないで」

ペしんと思い切り、クー兄様の手を叩き落とし、私を奪還したのが、私の姉様。マリルリイ。兄様方と違って一人しかいないので、基本的には姉様と呼んでいる。ラ行の発音とか難しいんですよ。上手く呼べなくて、マア姉様と呼ぶのが恥ずかしいだけです。

ごめんなさい。マリ姉様。

最後に、この賑々しいやりとりを壁により掛かって溜息混じりに見ているのが、三兄。スウリウス。スー兄様と私は呼んでいる。

ちなみに、年は、長兄、次兄、姉、三兄と言う順になる。

王族だと分かったのは、この妹バカの兄たちが、ケンカの末に。

 「俺が王位を継いだ暁には、リィリは一生嫁にやらん」

とか、力説していたからだ。

いや、結婚てそれなりに女の子の夢だと思うんですけど。政略結婚だとしても。

愛情とかそう言うのは、生まれるのかは分からないけれど、ウエディングドレスは密かに憧れる。お母様の肖像画とかそれはもう、きらびやかで素敵で。やっぱり一生に一度、袖は通したい。

ああ、そうだ。私の名前は、リィリア。名前の由来は、高原に咲く小さな青い花の名なんだとか。しかもなんか、咲くのはかなりの高所で、採取が難しいとかなんとか。低所にあるものは、亜種だという話しも聞いたけど。

まあ、何となく、レイ兄様が何を思ってこの名前を付けたのかは、何となく分かってしまうので、あえてそのことには触れるまいと既に誓っている。

きっとレイ兄様的には、大きくなった私が、愛らしく首を傾げながら。

 「レイ兄様。私の名前をどうしてリィリアにしたの?」

とか聞いて貰いたいのだと察するが。それをする自分がいや。そして、その理由を聞いたら多分私は、容赦なく何かをしそうな気がする。

うん。一生聞かないことにしよう。互いのためにも。

 大好きな家族。幸せな日々。

クーリングオフだとかなんだとか言ってはみたものの、既にここは私の居場所になっている。

まあ、ちょっとばかり兄様たちが暑苦しいけれども。それも私に対しての愛情だって言うのは分かるから、イヤだとは思ってはいない。

幸せで幸せで、満ち足りた時間をゆるゆると私は過ごしていた。



 十二才になった私には、妹が出来た。

兄の溺愛は、下の妹にも及ぶ。姉のこともこの調子で可愛がっていたらしいのだが、あの姉の性格で、あの猛攻でこられたら、それはもう、トラウマになるだろう。

苦労したんだな。姉様。ちょっと同情してしまう。

まあ、私も受けたわけだけど。私は、本当の小さな子供ではなかったし、兄といっても、死んだ私の年齢よりは下の子供だ。上手くいなせなくても、年下の子供のやることだからと、我慢することが出来た。

まあ、そんなわけで、目下、レイ兄様とクー兄様は、小さなコウデイリアにも、トラウマを刻み中である。

それ以上やると、憎まれますよ、兄様方。寝首をかかれても知らないですよ。兄様方。というか、今、正に、マリ姉様が短剣に手を。

 「わーっ。マリ姉様。それはダメです」

慌てて私は、姉様を止めに入った。いま、本気で半分くらい抜いてましたよね。姉様。いくら兄様方の溺愛が異常に暑苦しくて面倒くさくて、出来れば五年くらいどこかに留学とかの名目で行っててくれれば静かで良いのにとは思っても、刃傷沙汰は不味いです。

刺しても死ななそうですけど。むしろ体じゃなくてどうにかした方がいいのは頭です。姉様っ。どうせやるなら鈍器で頭を殴った方がきっとっ。

いや、バカは死んでも直らないって言う言葉があったな。いや、きっと兄様方はそんなことはないって信じてる。信じていますよ。兄様方。



 そんな概ね平和な日々を、私は満喫していたのだけれど、スー兄様はそうではなかったらしい。

いや、希代のダメ王と名高い。いや、本当に洒落にならないくらいダメなんですけどね。そんなお父様を見ていたら、それはそれは心配になるとは思います。その上、レイ兄様はあれですし。とっても次の王とか任せたくないのは分かるんですけれどね。

これはさすがに。

 「姫様方。どうぞこちらへ」

諸悪の根源が、私たちを王宮の一室に閉じ込めた。スー兄様だけでこんな計画を立てるはずがないのは分かっているから、この大臣が唆したんだろうな。

確か、議会末席。発言権は、かなり低かったはず。父様に必死に取り入って上を目指してたみたいだけど、取り入る相手を間違えてる。取り入るならお母様なのに。

まあ、この手合いに、簡単に入り込まれるようなお母様じゃないから、お父様狙いで行ったんだろうけど、それがなかなか実を結ばないから、お父様に対して不満を山のように抱えているスー兄様に、「このままでは国が傾いてしまいます。レイガウス様も頼りなく、王亡き後は心許ない」とかなんとか。ああ、なんか一言一句違えず思いつきそうだけど、それが当ると何となく精神的にきつそうなので、考えないようにしよう。

どのみち、スー兄様は、この計画が失敗したときのスケープゴートでもあるんだろうし。殺されたりはしないとは思うんだけど。

このままお父様やお母様を捕らえて、国を乗っ取られてしまうと言うのも、王族としてダメだよねぇ。

溜息しかでない。

 「リィリ。大丈夫よ」

ぎゅっとマリ姉様が私のことを抱き締める。顔は必死に笑顔を作っているけれど、その体は小刻みに震えている。必死の笑顔は、私とコーディを不安がらせまいとしてだ。小さなコーディは、怯えるように私に抱きついていて、マリ姉様は、コーディの頭をそっと撫でた。

こんな風に、大人の私の意識は、みんなのことをとっても冷めた目で見ているのだけれどね。大好きなのよ。

ねえ。大好きな人たちが怯えているのよ。

それを、このまま放置なんて、して良いはずがないじゃない。

 「姉様。大丈夫。きっと、助けが来ます」

私が絶対に呼んでみせるから。

そう心に誓って、私は結局、私の持っている力を最大限使う羽目になった。




 夜明け前。ひんやりと冷たい風が肌を差す。春も過ぎた頃とは言え、まだこの時期の朝は寒い。もっとも、もう吐く息が白くなるようなことはないけれど。

テラスに出て、私は静かに声を出す。

 『私の声が聞こえる?』

私は、言葉じゃない言葉で、外にいる私の声の届くだろうものに話しかける。何度も何度も話しかけて、やっと、小さな鳥がその姿を現した。

 『あなたはなーに?』

ちょこんと、テラスの手すりに舞い降りた小鳥は、忙しなく動きながらしきりに首を傾げて私を見ている。

 『私は、多分、普通の人間よ。うん。多分』

 『自分のこと、分からないの?』

さくっと、見事なまでに私の精神に刃を立てる。その見た目が愛らしいだけに鋭く突き刺さった。

 『うん。よく』

いや、なんというか、だって、これだけだって本当は要らないオプションなんですけど。なんか、あの人達、全員して何かオプションとか付けそうじゃないですか? すっごいいらないことを山のようにやってくれそうじゃないですか? その上それを親切と信じて、自分いい仕事したなとか思ってそうじゃないですか? それって私の被害妄想ですか?

まあ、そう言うわけで、何か隠されたものがありそうな気がしてならないので、私は私に対しての質問に曖昧に答えた。

 『ふーん。それでなんで呼んでたの?』

可愛い良い子でかつ、賢い子だ。すぐに本題に入ってくれるなんて。

 『実は、助けを呼びたいの。誰が良さそうな人、この近くにいないかしら?』

 『良さそうな?』

きょとんと首を傾げる小鳥の仕種に、私はしばらく考えて、どういう者が最良かを吟味する。

 『外見じゃなくてね。いわゆる精霊に愛されそうなって言うのかな。そう言う人』

 『いわゆるちゃらんぽらんってやつだねっ』

言い切った。と言うか、精霊に愛される人間って、中身すっからなんですか? それは困る。とても困る。と言うか、そんな人が救出に来てくれるとか無理だろう。

 『そうなのか』

ガックリと項垂れると、小鳥は慰めるように言った。

 『俗世に興味ないのってそう言う人だよ』

 『ああ。そう言う括りか』

ああ。確かに欲に塗れていないというのは、総じて興味が薄いという事にもなる。権力などに興味がなければ、貴族としては、ちゃらんぽらんと言われるだろう。逆に自分の興味のあることには、無駄に積極的なタイプであれば言う事はない。

 『うん。受け売りだけど』

そう言って小鳥は楽しそうに笑った。

とにかくちゃらんぽらんが私の読み通りで、能力値が高いことを祈ろう。がんばれ私の幸運の星っ。

 『じゃあ、そう言う人が居たら、これを渡して、出来れば、お返事持ってきてくれると嬉しい』

そう言って、小鳥の足に手紙を括り付けると、残しておいたパンくずを差しだす。美味しそうにパンくずをついばんだ後、小鳥は元気よく飛び立っていった。

どうか。どうか上手く行きますように。



 数日後、テラスに出た私は、鳥まみれになっていた。

何故に。

 『みんなご馳走が食べたいんだって』

うん。それは分かった。でも現状この数を養う力は私にはありません。三食のパンを全て差し出すわけにもいかないので。私だって、食べないとおなか空くしっ。

 『今、これだけの子に上げるのは無理です。出世払いって言うか、成功したらでいいなら良いけど』

成功すれば、まあ、この程度だったらなんとか。これ以上増えると困るけど。救いは、猛禽類は、パンに見向きもしなかったってことだね。あの爪でたかられたら、私も無事じゃすまない。

 『なんだー』

 『けちー』

 『ばいばい』

と、見事にほとんど居なくなった。いや、いても困るだけなんだけどね。精霊と話せるようになれば、多分この辺楽になるような気がするけど、絶対に精霊と話せるようになんかならない。誰がなんと言おうと、どんだけ大変だろうと。精霊を使うことが出来れば、実は逃げるのも簡単なんじゃないかとか色々と思うこともあるが。

あくまで、人の範疇で私はおさまっておきたいんだ。平穏無事で、普通の生活をしたいんだ。本当だったら、この力だって使わないで済ませたかった。

そう思うと、だんだんと、大臣に対しての怒りが湧いてきた。この騒動にけりが付いたら、個人的に復讐してやるから覚えてろよ、大臣っ。あの鳥全部けしかけて、屋敷をふん塗れにするとか、地味な嫌がらせをしてやる。

そのためには、とりあえず、名前と屋敷の場所後で調べないとな。嫌いな人間を欠片も記憶したくないという癖が未だ抜けない私は、薄ぼんやりとしか大臣の顔すら覚えてなかった。

 小鳥が伝書小鳥をしてくれるお陰で、なんとか、脱出というか、この、クーデター騒ぎを治める目処は立ってきた。

小鳥の手紙を受けてくれたのは、ジュダンという青年だった。なかなかに聡明で、文字も読める。私の書いたことの裏まで読んで行動してくれる彼は、大変有難い存在だった。

いや、文字数制限があるから、それほど詳しく書けないだけなのよ。小鳥の足に括り付けられるほどの文章なんて、ほとんど要点しか書けないから、本当に彼の機転には助かっている。

 街の警備隊には、お母様のファンクラブのようなものがあるらしいし、お母様を助けるためとなれば、手を貸すのはやぶさかではないだろうから、どうしようもなくなったら私の名前で、なんとか繋ぎを作ってくれと言ったのだけれど、どうやらその必要はなかったらしい。しかし、その集団は、今や勢い反乱軍となっているらしい。クーデターを鎮圧するのに革命軍を作っている気分になってきたが、きっと気のせい。うん。

決行日だけを聞いて、城に入るための通路を教えた。これはあとでお母様に言って、潰して貰わなければならないけれど、城の最深部から延びているものは、ばれない通路なので大丈夫だろう。

これで奇襲が成功すれば、クーデターは鎮圧出来る。

無血というのは、多分無理だろうけど。




 外はお祭り騒ぎだ。無血の英雄、ジュダンを讃えて。

そう。誰一人死ななかった。怪我人は少し出たんだけど。それも、たいしたケガではなくて。

いったいどうやったのかと聞いたら、ジュダンは魔女にも知り合いが居たらしく、頼み込んで眠り粉を大量に使って、城のほとんどを燻したらしい。とんでもなくおおざっぱで大胆な作戦に、私は顛末を聞いて思わず笑ってしまった。

だから、城のほとんどの者は睡魔と戦って、使い物にならず、取り押さえて無力化させていったそうだ。

城という限られた空間であったから取れた作戦でもあり、城下が一丸となっていたからこそ出来たものとも言える。これが他国の城攻めともなれば、外の警戒を怠るはずもない。

クーデターだからこその状況下。クーデターの的は外ではなく、中だ。中には入れなくしてしまえばいいと思えば、必然、外への注意は、出入り口のみになる。攻められ居るわけではないのだから、その辺は気楽だったらしい。いや、あの大臣のことだから、城を固めてしまえば外から襲われるなんて考えもせずに、自分に逆らう騎士団とか全部牢に入れていたのかもしれない。

そこまで詳しくは私も知らないんだけど。

そんなわけで、あっという間に、城は鎮圧されたという事だった。

 ジュダンは、城に招かれるのを拒み、何も要らないと言ったらしい。

その代わり、城下町にある酒を全部買い取って、皆に振る舞ってくれと言ったそうだ。お陰で城下は、クーデターの鎮圧の後、一週間ほどお祭り騒ぎになっていた。治安維持のために、城勤めの騎士が歩哨に出たほどだ。

その騎士も、酔っぱらいに絡まれて帰ってくる頃には酒をしこたま飲まされるという状態。

これでは、泥棒も酔い潰されていそうだと、思った。

そんな狂乱の時も過ぎ、やっと、城下町も城も落ち着いた。疲れたように人々は日常に戻り、私はと言えば、地味な報復活動のための下準備に取りかかっていた。

ただ一人、スー兄様だけが、幽閉されたまま。



 「スー兄様」

私は奥まった地下牢で一人本を読んでいるスー兄様に声を掛けた。

 「リィリか」

スー兄様は何時ものように無表情だった。何を考えているのか良く分からないけど、スー兄様の傍は静かで、私は好きだった。それは今でも変わらない。

 「なんで、スー兄様はこんな事をしたの?」

あの大臣達は、ほとんどの罪をスー兄様に押しつけて、自分達は何食わぬ顔でまた城に上がってきていた。スー兄様のしたことは、スー兄様の首を絞めただけだ。けれど、スー兄様は。

 「俺がやったからこの程度で済んだ」

スー兄様は知っていたのか。あのまま大臣達だけで事を進めていれば、私たちは監禁などされずに殺されていたのだと言うことを。だからスー兄様はあえて悪役になって、舞台の袖に引っ込んでしまった。

 「スー兄様。また来るね。今度は、あの大臣達も、みんな、みんなここに連れてきて上げる。二度と、お母様達に手を出さないように。きっちりと脅しておくから」

にっこりと笑って私がそう言うと、スー兄様は牢の隙間から手を伸ばして、私の頭を数度撫でた。

 「お前がそれを出来るのを、俺は知っているけど、お母様に任せておけ」

 「スー兄様?」

 「鎮圧勢力を束ねたのはお前だろう。ジュダンという男が、妹に心配を掛けるなと言っていたよ。でも、俺は、お前が普通に生きていきたいって思ってるのも知ってる。だから、静かにしておくんだ。目立てば、お前が望んでいるものは遠のいてしまうから」

スー兄様は、本当によく見ている。だから私は、スー兄様にだけは絶対に本当のことを知られてはいけないって思っていた。だって、スー兄様は優しいから、私の分まで傷付いてしまう。

 「大丈夫だよ。でも、スー兄様に心配かけるのはいやだから、今回は大人しくしておく。でも、ここにはまた来るからね。今度はスー兄様の好きそうな本を持ってくる」

そう言って、私は、地下牢を後にした。


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