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空を飼い慣らす星の鎖ーステラドックスー  作者: Liar.


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第22話 -せいじゃく-

誰かの命が無くなり、俺が守られるための

もしくは

俺が死ぬための、物語が動き始めた。


俺の考えをみおに伝えると、「楽しみー!」とだけ言い放ち銃の手入れを始めた。


でもきっと、俺の言った作戦で綺星あやせさんは怪我さえしないだろう。

まず、ひとりで来るはずがない。

どこかしらに、誰かしらはいるだろうし綺星あやせさん以外が変な行動をとれば、

あっという間に星へと変えられているだろう。


みおは、そんなことわかっているはずだ。

なのにどうして、あれほどまでに普通なのだろう。


みおはたぶん、死にたいわけじゃなくて

俺の前で綺星あやせさんを殺して、俺の前で死にたいんだろう。


確信はないが、誰かの中に傷として居続けることを望んでいる。

そして、選ばれたのは嫌いな奴が拾った俺。


始めは、”落とし物”のせいで連れてこられたと思っていたが、そうではなかった。

でも、運転手はそのことを話していたし知らないわけではない。


あれが何なのかは本当に知らないが、本当にあれを狙っている組織はいるんだろう。

俺は、《《黒崎組》》と近いし”落とし物”にも触れている。

そのくせ何の後ろ盾も持たないただの学生。格好の獲物。


--------------------------


あの日見た星空ほど感動しないのは、きっとこれから起きることに緊張しているからだろう。


あっという間に時間が過ぎ、約束の時間へと時計が変化した。

みおとその部下と思われる人たちは木の陰に隠れている。


俺は、綺星あやせさんが教えてくれた星空の下でただ息をしている。



〈ジャリ〉


砂がこすれる音がして振り返ると、月明かりに照らされる綺星あやせさんの姿。

顔が整っている人は本当に絵になるな。


なんて場違いな事を思っていた。


「随分疲れた顔をしているな。」


少し困ったような表情をしながら、綺星あやせさんが呟く。


みおの相手をしていて疲れないわけないよね。」


苦笑交じりに俺が言う。


「結局、守るどころか巻き込んでいるな。」

「まぁ、これを選んだのは俺だからね。」


風が木々を揺らす音。

それしか聞こえない空間。


「他には誰も来ていないの?」

「あぁ。当たり前だろ、ひとりで来るよう指定したのは蒼空そらだぞ?」

「いや、罠だと思わないの?」

「思わないわけではないが、蒼空そらとの約束だ。守らないわけないだろ。」


そう言い切る綺星あやせさん。


そりゃこんな人だもん、桜夜おうやさんや朔月さつきさんがついてくるわけだ。


みおたちはいるだろう?」

「いないわけが無いよね。」


多分、きっとこの人は本当に俺が死を望んでいるとは思っていないのだろう。


でも俺は、拾ってくれた人を利用してここにいる。

拾ってくれた人を利用して死のうとしている。


みおは、”落とし物”が狙いじゃないみたい。

純粋に、綺星あやせさんに何かの復讐をするために生きているらしいよ。」


綺星あやせさんの顔はあくまで無表情。


「だけど、余計に気になるよね。”落とし物”の正体。」


そう俺が言うと、綺星あやせさんは胸元に手を入れると、少しだけ金属音のようなものが聞こえた。


〈パンッ〉


月明かりの下、破裂音が響いた。

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