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空を飼い慣らす星の鎖ーステラドックスー  作者: Liar.


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第17話 -どんてん-

新しい生活が始まり、あっという間に時は過ぎ一カ月が経っていた。

風斗ふうとと一緒に学校に行って、気付けば風斗ふうとのおかげで周りに

クラスメイトが集まるようになった。


こんなにも賑やかな日々は、初めてで戸惑うことが多いが素直に楽しい毎日を送っている。


組の人たちともだいぶ挨拶が出来て、特に、朔月さつきさんは俺を気にかけてくれている。

朔月さつきさんは、綺星あやせさんの直近の部下ということもあるから、指示されているんだろうけど、それでも気にしてくれる人がいるっていうのは嬉しい。


この日常が、当たり前の日常と化して来たころ。

この日常を、当たり前と思ってしまったころ。

その日常に、終わりが見え始めた。


--------------------------


風斗ふうとがいない。


この一カ月、俺の傍で日常を共にしてくれていた風斗ふうとが今日は、組の会議に出なくてはいけないから学校を休んでいた。


なので、朝も帰りも用意された送迎車で送迎をしてもらうことになっていた。


放課後になり、迎えを待っているとスマホが鳴り始めた。

知らない番号だった。


「もしもし?」

『あ、もしもし?蒼空そらくん、迎えついたよ。

まだ俺、自己紹介してない人間でさ。番号も、海晴かいせいさんから聞いてかけてるから

驚かせてごめんね。とりあえず、校門に待機してるから準備できたら出て来て』

「…わかった。ありがとう。」


電話を切って校門へと急いだ。


〈バタンッ〉


「わざわざ迎えありがとう。」


車の中に入り、声をかける。

運転席から返事はない。


「《《黒崎組》》にしちゃ、随分抜け目のある護衛だな。」


その代わり運転席から返ってきた言葉は、《《黒崎組》》ではない人の言葉。


「やっぱり、あの人たちではなかったんですね。」

「あれ?気づいてた?」

「はい、あまりにも説明的すぎておかしいなとは思いました。」


知らない大人と2人きりの車内。

そして、綺星あやせさんとは全く違う温かみのない大人の雰囲気。


「少しドライブに付き合ってね」


そう言うと、その大人は車を走り出した。


「なんで、俺を連れ去ったんですか。」

「んー?お前が拾ったものが欲しくてね」

「あぁ、”落とし物”ならもう綺星あやせさんに返しましたよ。」

「中身は知ってるか?」

「知らないですよ。興味ないし。」


俺は淡々と質問に答えた。

早く、俺から興味をなくすために。


「なら、お前を出しに奴等呼び出すしかないな。」

「呼び出すって、俺が人質ってことですか?」

「まぁ、簡単に言えばな。」


人質……。

ただでさえ、迷惑かけているのにこれ以上迷惑はかけられない。

本当に、処分される。

まぁ、ちゃんとあの場所に戻れるかもわからないけど。


「人質って言っても、俺にそんな価値ないと思いますよ?

そもそも、俺は綺星あやせさんの気分で拾われただけだし、気分が変われば俺なんて

粗大ごみになって終わりです。

しかも、人質って形で迷惑かける以上見限られて当たり前。

粗大ごみの処分をしなくてよくなったと思われておしまいです。」


つらつらと並べる言葉に、その人は興味が無いのか全く反応が無い。


「お迎えが来る前に死にたくなきゃ黙ってろよ、餓鬼。」


返事が返ってきたかと思えは、そんな言葉で

諦めながら外を眺めた。


見上げた空は、久しぶりの曇天だった。


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