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空を飼い慣らす星の鎖ーステラドックスー  作者: Liar.


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第15話 -かぜ-

海の偉大さと、星の力強さを体感した日から俺は盛大に体調を崩した。

40度近い高熱と咳に襲われて、ここにお医者さんを呼んでもらって治療してもらった。


4日後、やっと体調も戻りすっかり元気になった。

綺星あやせさんも桜夜おうやさんも「ゆっくり休んで」と言ってくれていて

文字通りゆっくり休んだ、時折初めて会う人たちが食事を運んできてくれたけど、

挨拶も出来ずに申し訳なかった。


〈コンコンコン〉


俺は、綺星あやせさんの部屋をノックしていた。


「なんだ。」


中から短く返事が聞こえた。


綺星あやせさん?迷惑かけてごめん、体調戻ったんだけど〈ガラッ〉」


俺が言い終わる前に部屋の襖が開いた。


「大丈夫なのか?」


俺の顔を見るなりそう声をかけてくれる綺星あやせさん。


「うん。迷惑かけてごめんね。もうすっかり――〈ガラっ〉「蒼空ぁ!」」


また言い終わる前に、今度は隣の部屋の襖が開いて桜夜おうやさんが駆け寄って来た。


「起きてて大丈夫なのぉ?」

「うん、大丈夫。迷惑かけてごめんなさい。」


謝る俺に、綺星あやせさんのため息をつく音が聞こえた。


やっぱり、凄い迷惑かけてしまった。

拾ってもらった身なのに。


「体調不良は誰でもなることだろ。それに、今回のは環境もいきなり変わってストレスもあってだろうと医者も言っていた。

お前が悪いことじゃないし、謝るくらいなら心配してくれてありがとうくらい言ってみろ。」


予想外の言葉に目をぱちぱちしていると、隣で桜夜おうやさんが笑っていた。


「そうだよぉ、僕たちは蒼空そらを心配してたんだよ。」


心配…。

そうか、そんな風に思ってくれる人たちなんだ。


「ただ、病み上がりのとこ悪いんだけど、学校はいつから行く?もう今日、木曜日だし大事取って来週からでいいかな?」


桜夜おうやさんの言葉に頷く。


「了解、学校にはそう伝えておくねぇ。

なら、先に蒼空そらの護衛役、紹介しておこうか。こっちおいでぇ。」


桜夜おうやさんに連れられて、少し歩くと部屋の前で歩みが止まる。


風斗ふうとぉ、いるー?」


そう声をかけると、すぐに襖が開いた。


桜夜おうやさーん!お疲れ様です!!どうしたんすか?」


部屋の中から出て来たのは、元気で明るく太陽みたいな人だった。


「相変わらず元気だねぇ、ほらぁこの間話した、

風斗ふうとに護衛して欲しい子、連れて来たー病み上がりだから気遣ってね」


そう言われると、桜夜おうやさんの方を向いていた笑顔がこちらへ向いた。


「え!?君が蒼空そらくん??俺、風斗ふうとって言います!

よろしく!同じ年でしょ?蒼空そらでいい?!」

「え、あぁ、うん。蒼空そらっていいます。呼び捨てでいいよ…。」


あまりの元気さに、思わずたじろいでしまった。


「熱出してたんでしょ?大丈夫??」


首を傾げて覗き込みながら聞いてくれる姿がまるで、子犬に見えてきて、思わす頬が緩む。


「うん、大丈夫。もう、元気になったから。

来週から、学校に行く予定だからよろしくね。」


俺が言うと、風斗ふうとはニッコリと笑って頷いてくれた。


「そうだ!車庫にさ、俺の兄貴居るんだけど紹介したいから、蒼空そらが体調大丈夫なら行こうよ!」

「え、風斗ふうとここにお兄さんもいるの?」

「はぁ!?ちがうよ!兄貴分ってこと!あははははっ!!蒼空そら面白いね!

桜夜おうやさん!綺星あやせさん!ちょっと行ってくる!」


そう言うと風斗ふうとは、俺の手を取り駆け出した。


「え!?うわっ!危ないよっ、行ってきます!」


俺も2人に告げると、こけないように必死に走り出した。


蒼空そらには、ああいう光が必要だよね」

「…あぁ。」


俺たちの後姿を見ながらささやく2人の言葉は俺の耳には届かなかった。


ただ、先を行く風斗ふうとが風を切る姿とその隣にいる今は、とても心地よかった。


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