表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空を飼い慣らす星の鎖ーステラドックスー  作者: Liar.


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/31

第10話 -さくら-

まるで、猫のように自由気ままで

まるで、しゃぼん玉のように儚くて

まるで、桜のように力強くて


ほんの数時間しか接していないけど、俺は桜夜おうやさんにそんなことを感じていた。

そして、一つ追加されたこと。


まるで、氷のように冷たく鋭い。


突然見せたその姿に俺は、少しだけ人間味を感じてなんでだか嬉しくなった。


あれからその姿は、ふっと消えにこやかな彼に戻り朝ご飯を貰い、お出かけしようと

連れ出してくれている。


桜夜おうやさんの車は桜のような香りがする気持ちのいい空間だった。

昨日とは打って変わって、見上げると深い青空が広がり少し怖いほどだった。


「もし、僕が綺星あやせを殺すって言ったら、蒼空そらは止める?」


お昼何食べる?

のようなテンションで、大きな言葉を放つ桜夜おうやさん。


でもなぜか、驚きはしなかったし動揺もしなかった。

そう聞かれることがわかっていたような。


「んー…」


俺は、開かれた車窓から風を感じ空を感じながら考える。

多分これは、答え方を間違えれば桜夜おうやさんの中で俺の位置づけが変わる

質問なんだと思う。


「止めたところで、俺なんかには止められないと思うけど

桜夜おうやさんが止めてほしいと思うんなら、止めると思う。


仮に、その時に俺が死んだとしても元々俺は生に執着が無いし

あのまま生きていれば消えることを選んでたから罪悪感とかは、感じないでほしいかな。


ああ、でも、別に死ぬのは怖くないけど、せっかくあの場所から抜け出せたからもう少し楽しんでから死にたい。


だから、まだやめてね。」


ぼけーっと外を眺めながらそう答える俺に、運転をしながら楽しそうに笑う桜夜おうやさんの声が聞こえた。


「ふふっ、本当に蒼空そらは高校生?悟り開いてるくらい大人だね。

僕たち大人がそうさせてしまったんだろうけど。」

「…本当は、やりたいこととか、なりたい将来とかを願っていた時もあったけど

何だったかも思い出せないくらいだよ。」

「その、何かを探してみるのも楽しいんじゃない?僕も付き合うよ。」


”何か”


そんな漠然としたものに執着できるような日々じゃなかった。


「…気が向いたらね。それと、さ」


俺が歯切れ悪く呟くと、「ん?」と俺の言葉に耳を傾けてくれる桜夜おうやさん。


綺星あやせさんのこと、本気じゃないよね…?」

「っあははは!本気じゃないよ。ただ、蒼空そらに何かするっていうなら話が変わってくるっていうのは本気だけど、基本あいつにそういう感情を向けることはないよ。」


楽しそうに笑いながら話す桜夜おうやさん。

その姿に、安心した。


「あそこで、僕の懐に入るためにとか、僕の機嫌を取るために止めないとか

逆に、「絶対に殺させません」とか言っていたらつまらないなーと思って放っておいたかもだけど楽しい回答をくれたからしばらくは、観察したいなって思ってるよ。蒼空そらのこと」


観察しても面白い対象じゃないんだけどな。

そんな事を考えていると、表情に出ていたのかまた笑っていた。


色々と玩具にされながら流れる景色に意識を向けると見知らぬ風景が広がっていた。


「これ、どこに行くの?」


そう聞くと、桜夜おうやさんが言う。


「この先のトンネル抜けると、答えが見えてくるよ。」


トンネル…?

見ると確かに、トンネルが見えて来た。


車がトンネル内に入ると一気に暗闇が襲った。


遠くに見える出口の光が少しずつ大きくなっていく。

一気に変わる景色に恐怖感を感じながらトンネルから出るのを待った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ