夏休み!1日目♪~散歩。
(朝だよ!新しい朝が来たぞー!)
何?超うるさいんですけど‥‥。
ああ、そういえば昨日から変なのに取り憑かれたんだっけ。
考えれば考えるだけ憂鬱になるな‥‥。
よし。
「おはよう。」
(おや?お目覚めかい?桐島 京くん。)
「うん。んじゃ、おやすみ。」
(ふんふんふ~ん♪
歌はいいねぇ。って、マジで!?)
夏休み初日だぞ?
二度寝でも三度寝でも決行してやろーじゃないか!
(うおおおぉぉぉ起きろぉぉぉ!)
馬鹿だな。夏休みに起きろだと?
はっ、滑稽だよ。
(『活動限界まで、後一分!』)
つーか、さっきからコイツ何なんだ?
駄目だ駄目だ。突っ込んだら負けだ。
(起きなきゃ駄目だ起きなきゃ駄目だ起きなきゃ駄目だ起きなきゃ駄目だ起きなきゃ駄目だ起きなきゃ駄目なんだよ!)
うぜえよ。暗示かけんな!
(乗ります!僕が乗ります!)
うっせ。あれ、聞いたことあるな。
てか、なんで知ってんの?
(うおおおおおおぉぉぉぉぉ!
京くん!昨日お風呂の時ちょっと目開けちゃったごめーん!!)
は?
(それにしても、京くん以外と‥‥ぷふ。)
ガバッ。
(やっと起きたー。)
ドタバタドタバタ。
(さあ、朝飯を‥‥あれ?どこへ?)
ガタンッ!
「ふふふ‥‥使徒撲滅。」
(あれあれ?ちょっと待ってちょっと待って‥‥
ATフィールド全開!!!)
キュッギギギュイイイ!!
(わあおんぎゃああああ!!ミ○トさーん!)
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カチャカチャ。
誰かさんのせいで目が覚めてしまったので、朝食の用意を営む。
「ったく。目が覚めたじゃねーか」
(規則正しい生活をしなきゃ駄目ですよ?)
「お母さんみたいに言うな!」
(だってー!早くこの世界の事知りたいんだもーん!だもーん!)
不愉快な起床を果たしただでさえ不機嫌な京。
とりあえず料理に集中したく、この馬鹿を黙らす為に、
「とりあえずニュースでもきいとけ。」
ポチ。
テレビを付けた。
音声だけがこちらに届く。
『昨晩、生お笑いライブに観客が乱入し、中断してしまったことに、運営側は損害賠償を求め‥‥‥』
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(ごちそうさま!)
「ごちそうさま‥‥。」
昨日のお笑い番組、予想以上に事が大きいよ‥‥。
大沙汰になっていたそのニュースは他のチャンネルをも独占していた。
こんなんで大丈夫か、我が国よ‥‥。
そんな事を齢16の高校生が思い、頭を垂れて落ち込んでいる。
(ぷぷぷ、今の聞いたぁ?
『それでも、私が真の神なんだ!何故わからない!?』
だってさ!この人自分が被害者だと思ってるよ!
あははははは♪)
「多分この人、頭パーなんだよ。」
(人間の分際で場をわきまえろ、だよねぇ♪
あははははは♪)
あはははははは♪
お前も頭パーだけどな。
「さて、お腹いっぱいになったことだし‥‥(散歩に行こう!)
「いやいや、ほら眠たくない?今寝れたら気持ちいいと思わない?」
(散歩に行こう!)
「ほら、こんないい天気なんだから昼まで寝よ‥‥(散歩に行こう!)
「はい‥了解しました。」
どうやら決定権はないみたい(涙目)
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ミーンミーン‥‥
蝉が大きな声で自分の存在を主張している。
照りつける太陽。
雲一つない快晴。
朝っぱらから散歩。
(おやおや、蝉さんは元気いっぱいだね♪
京くん、私達も元気はつらつエネルギー全開で行くよぉ!!)
テンション高っ。
てか、あっちーよ‥‥。
この朝の時点で気温は30度後半、昼には40度を超えるだろう。
てか、なんでコイツこんなにわがままなんだよ‥‥。どうせとり憑くならもっとおしとやかな可愛らしい女の子にしておくれよ!
ラブコメ的な展開を展開しておくれよ!神さまの馬鹿ぁ!
[注:暑さにより思考がおかしくなってるみたい。]
(それにしても、おっきな公園だねー♪)
「ああ、無駄におっきいな。」
現在、散歩中のこの公園。
ぐるっと一周回ると約2キロ程の距離がある。
こんな都会だが、自然は大切にしようという街の方針のおかげで割と緑がいっぱいだ。
故に京はここに住む事を選んだのだろう。
(おやっ?あれはもしや『飲料型売買許容オートパイロット付機』では!?)
長いし意味わかりませんよ。
「自動販売機な。」
(この星ではそんな名前なんだ~。というわけで何か飲もう!)
素直に喉が乾いたって言えよ。
「はいはい。」
そう言いながら、小銭を自販機に入れる。
チャリーン
(チャリーン!?
何かの特殊音?
何か特別な出来事が起こるのかぁ!
わくわく♪)
「いやいや、お金が落ちた音だって。で、何が飲みたい?」
(なんだ~。がっかり。
んとね、この『スプラッシュ ソーダ』てのが飲みたい!)
「はいよ。」
ガコン。
(ガコン!?何?今の特殊音!
何か特別な‥‥)
以下同文♪
グビッ、グビッ、グビ‥‥
「ぷは~。」
(んは~、すぅぷらぁっしゅぅ~。)
お前はこの飲料メーカーの思うツボだなと、心の中でツッコミを入れておく。
「じゃあもう疲れたから家に帰ろうな。」
(はぁーい。)
さらに太陽が昇り、気温ががんがん上がり続ける正午前。
暑い暑いと面倒がっていた京だが、何気なく思った。
たまには振り回されて過ごすのもいいかもな、と。
「最近、ずっと一人だったからなぁ。」
(え?どうしたの?)
「いや、何でもない。」
(ふーん。じゃあ、歌を歌いながら帰ろう!)
家を出た時から相も変わらずこの調子だ。
(ざーんこーくな天使のテ~ゼ。~~♪)
好きだな、エ○ァンゲリオン。