表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

走り続けるパスワード

作者: シサマ


 昔 好きだったミュージシャンが

 最近 新しいCDを出していた


 懐かしさと 変わらぬメロディーが胸を打ち

 アルバム片手にブックレットを眺める


 そこにあるのは

 昔の面影もない しわくちゃの笑顔と

 何の変哲もない シンプルな歌詞


 

 いい歳して

 当たり前の事しか言っていない彼等は 

 成長していないのか?


 若いうちは 現代(いま)を必死に生きるしかない 

 だから 昔の俺なら

 そう思うだろうな



 だが

 当たり前の事しか言っていない 

 その歌詞の行間には

 当たり前じゃない 

 彼等だけの人生が立ちのぼっていた

 

 激しいビートの 熱に煽られた 

 陽炎(かげろう)みたいに 立ちのぼるんだ



 俺も 歳を重ねちまったけれど

 今 彼等だけの人生が見える

 

 走り続けた者だけが シンプルな言葉で人生を伝え

 走り続けた者だけが 行間の人生を汲み取っていく


 

 走り続けろ

 言葉を綴り 魂を乗せ 今日を演じてみせろ

 飾りを捨てて 迷いを背中に隠して

 笑顔をつくり

 信じた道を 真正面に構えてみせろ


 走り続けるパスワードは

 そこらじゅうに転がっている

 研ぎ澄まされた 感覚の熱が

 今日も何処かで 数多(あまた)の陽炎を上げている


 走り続けるパスワードを 

 もっと俺にくれ

 走り続けるパスワードを

 若いあいつらにもくれてやる

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] よきシサマ節でした!  よいお年を〜♪
[良い点]  冷めない情熱に強い感情と熱量を感じました。 [気になる点]  昔のものを好きですが、現代のものも好きです。食べ物と同じでまんべんなく聴くようにしてます。新しい発見を求めてます^^ [一言…
[良い点] 疾走感があって言葉にまっすぐな力があって、カッコいいなあと痺れます。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ