俺にはヒロインが必要だ!
8章 休みの中で
遂にゴールデンウィークがやって来た。
今回のゴールデンウィークは3日間の休みと土日を挟むので5日間。本当に嬉しいが問題が出てくる。
金がない。それだけだが、高校生にとっては大きな問題となる。
さっきの事と矛盾しているかもだが、しかし今の自分はまだ持ってる方だといえる。自分の貯金はまだまだ残ってはいる。家の手伝いと、買い物のお使いにおける一部をちょろまかすなどしてちょっとずつ中学時代などに少しずつ少しずつ増やしていった。
それと今の僕にはあと1つ問題がある。大切な問題だ。
遊ぶ友人がいないということだ。
友達がいない訳じゃない。だが会える機会がない、少ないと悲しい。
自分の中学時代の友人は、大半が私立の進学校の方などに進んだものが多かった。たまに連絡が来るが、早起きが本当に辛いと言っていた。
総じて遠い場所に高校が有る為か、6時30分位までには電車に乗らないとダメなどと呟いていた。
自分は有る意味でとてもそういうことでは恵まれているのだった。
まぁ今はそれはそれで、ずっとゴロゴロ横になるのは素晴らしいものとしみじみ思いながら、携帯ゲーム機をつつきながら楽しんでいると携帯がぶるぶる震えた。
確認すると定時制でのクラスメイトからだった。
近田くんからだ。内容はこうだ。
「遊ぼうぜ!」
答えはyesだ。
「場所は?」
僕にそう、ラインに書き込んでいた。
集合場所はI市近くのJ市である。やっぱり集合には時間がかかる場所だった。自分が学校へ行くルートにある途中の駅であるため、急いで行かないと迷惑がかかってしまう。
まともな服に着替え、目的地まで急ぐ。
J市は広く、J市近くのバス停で20分かければショッピングモールへいけるうえ、駅前にはカラオケ屋も近くにあり、高校生には嬉しいものが沢山あるのが特徴な場所である。
自分はほとんど行かなかった。自分が住んでいる所に似たようなものがあったが故に。
目的地に到着するとなんと一番乗りだった。
誘ってきてくれた本人はまだいない。指定された駅前の広場で小説を読んで待っていたら、聞き慣れたチャラそうな声がかけられた。
「あれっ!はやっ!ゴメン!待たせた!?」
近田くん本人である。
左手を軽く動かし、会釈した後、彼の背後をみる。
やっぱり他の人がいた。人数五人。
人数が多いと嬉しいなと思いながら小説をリュックの中に仕舞うと彼らの元に歩いていった。
やったね、ボク。久しぶりの大人数での遊びだ。
久しぶりに良いとこ見せられるかな。