俺にはヒロインが必要だ! 夜間学校物語
一章 遅すぎた後悔
1123 1124 1125 1126 1127・・悪夢のような数字が並ぶ。自分の番号は1188。しかし淡い期待は視線を下に動かすだけで消えた。
二次募集の時だったで全日制での最後のチャンス。
しかし自分の番号はなかった。
僕は目の前が真っ暗になった。この日から、僕の高校生活は本当の意味で真っ暗になった。
僕の名前は田嶋直人。何処にでもいる平凡な15歳の少年で、この歳にして負け犬の人生をスタートさせようとする、バカな男である。
僕は人生において最大のイベントの一つである、高校受験に大失敗を犯したのだから。
何故こんなことになった理由は自分自身がよくわかっている。シンプルで簡単な答えだ。
勉強をしなかった。これだけだ。
だがそれでも一部、自分自身でもそれは仕方ないと思う部分が、沢山の言い訳と共に今更ながら出てくる。
自分が受験に挑んだ歳は生徒の数が今までの統計から見て、かなりの数いたらしく、大手の新聞数社でも似たような記事が書かれていたほどだったのをチラリと見た。
なんでも空前の倍率だとか、そんな事が書かれていたようなことがあった。
自分が選んだ高校の入学試験が小論文と面接だけの物を選んでしまったのも悪いが・・・。
成績その物も悪く、下から数えていったほうがすぐに名前が並ぶといったぐらいに低かった。
どんなに先生がオマケをつけてもらっても、3に届くことのないテストの点ばかり。
好きな教科は社会で、頑張ったつもりだが、それでも通知表の数字は3。
自分自身は頑張った、できる努力は続けた、みたいな何とかして美化しようとする言葉がどんどん出てくるがなにも変わらない。悔しくて仕方ない。だが自分の自業自得。オタク友達と受験中勉強せず、ゲームセンターにほぼ毎日遊び呆けていたの自分だ。いやでもやってくる現実は目の前に結果を突きつけてくる。高いお金を払って塾にも行かせてくれたのに、チャンスを捨てたのは自分。
母親は大丈夫と言ってくれたが、陰で泣いていた。滅多なことでは泣かない母親の涙を見て、悔しくて、自分のバかさ加減になにも言えなくなる。
二度と繰り返したくない。絶対に、絶対に!
僕はそう心に誓い、次の高校入試に挑むのだった。
選んだ場所は田舎の高校の定時制にした。当たり前だが、高校の三度目の募集をしていたのが定時制ぐらいしか無かったのと、担任教師のアドバイスからだった。
自分の地元のF市にも定時制はあったが、とんでもないヤンキーが沢山いるとウワサが何度かあった為わざわざ田舎の高校にした。
先生の「君は大人しいから地元の所ではなく、ちょっと遠い何処にしなさい。全日制でも定時でも、やる気のないやつはすぐ消える。やめないよう頑張ってね」このアドバイスは嬉しかった。何だかんだでこんな自分のことしっかり見てくれていたこと。絶対に次はうまくやってやる!
僕は今まで以上にがむしゃらに勉強を始めた。