ほんと、そういうところ(薔薇。幼馴染大学生)
掲載日:2021/07/24
※寒くて温かい(https://ncode.syosetu.com/n2211hc/)の二人。
ですが、この話単体でも読めます。
──ちゅ
「……」
「……」
「唯行ってさぁ」
公彦は、眉を顰めながら言った。
「いきなりキスしてくるよね」
「一応、部屋の中だけだろうが」
「そうだけど」
まったりとテレビを観ていたら、いきなりだ。
そう、唯行のキスはいつもいきなりで、吃驚する。
特にそういう甘いムードでなくてもしかけて来る。
だいたい、軽く唇を合わせる程度だけれど。
「何で?」
「……したいからしてるだけっていうのは理由として駄目なのか」
「駄目じゃないけど……」
唯行は、しらっと真顔で言った。特に何も気にしていないように。
「ちょっと恥ずかしい……」
少し悔しい、と公彦は思う。
キスの度に、こちらの心臓は飛び跳ねるのに。
まったく狡い、と。
「……」
だが、公彦のそんな気持ちを知ってか知らずか、
「お前のそういう、変に恥ずかしがるところ……ほんと……」
唯行は、何とも言えないため息を吐いて顔を覆った。
「何だよ、普通だよ」
そういうところが可愛くて。
そんなことを言うのは恥ずかしくて、唯行はもう一つ、ため息を吐いた。
END.




