快生つまり起死回生
「てなわけでハリガネさんが盛大にカッコつけた後に命からがら逃げ出してきたのさ」
「ふむ……それは些か気になりますね…」
「私としてもあのハットとかいう野郎に話聞くまもなく怖気づいちゃったもんだから聞きたいことは沢山あるんだよね…正直この招待状とかいうのもわけわかんないし」
「いえ、それ程のサイズの魚介……いったいどれほどの旨味を秘めていることやら…」
「そっちかい?パパが虐められた話よりもタコなのかい?」
これはあのタコの寿命も残り短いと見た。
「……無事で良かった、3人とも」
「まあね、取り敢えず一件落着……ではねえか」
「むしろスタートラインだよ……なあハリガネ、アンタ策はあるのかい?」
「ほぼ無いが正しいけど……なーんかもうちょっとでヒントというかフラグが立つ予感がしてる」
「行き当たりばったりだな……アンタ等今までもそんな調子だったのかい?」
「……ノリと勢いで神を崖から落とす人だから……言っても無駄」
「そして定期的に女性を連れ込みます」
うーん、娘からの信頼がストップ安。
「ハリガネさんがやましい気持ちで人を呼び込んだことなどないというのに……いやマジで」
ぶっちゃけた話二人共成り行きとしか言いようが無いしね。
しかし……この招待状何なんだろ、『拡張解析』。
[■■■■からの招待状]
[僅かな綻びを持つ招待状]
[それはとても貴く、生きているように温かい]
[差出人や宛名、果ては場所すらも暗示されない矛盾の手紙はいつか来る時間を待ち侘びている]
このざまか……何もわからんということがわかったね。
[こんにちは、見てくれると信じていました]
!?
[嗚呼、ワタシとても貴方に興味が湧いたわ]
[是非いらしてハリガネさん、素敵なパートナーも一緒に]
[楽しみにスキップしながら待っています、この終わらないお茶会で]
子供の……声か…?
「……さん」
「お父さん?」
「どうしたんです急に黙ったと思ったら汗だくで……腹痛ですか?」
「ハリガネさんアイドルだからそういうのないよ……いや……ちょっとね」
帽子屋ハット、終わらないお茶会……とんでもなくわかりやすい不思議の国のアリスだな。
んー、童話モチーフのステージとかあるのだろうか……ありそうだな?そもそも前回古北海道モチーフみたいな感じだったし。
ただ、『一回休み』との繋がりだけがわからない……何だろ。
「まあそのうちわかるか……」
「まあそのうち……じゃねえよ、ハリガネアンタ俺の話聞いてたか?策を考えるって言ってんだぞ?」
「全く耳に入ってなかったわ、策ね……どうにかなるんじゃない?そんな気はするけど」
「気はするって……じゃああの扉を開けて解決策が歩いてくるとでも言うのかい?」
「……うわ…人いっぱいいる……」
このタイミングで入ってきちゃうと解決策にされちゃうぞ坊や。
「体調はすっかり良くなったみたいだね、お腹すいた?」
「いやその……何でこうなったのか記憶も若干曖昧で……」
「君は我々に追い剥ぎを行おうとしてこの船に乗り込んだところ、病に侵されていることがわかったので治療したのですよ……まあ大半はこの娘ですが」
「ちなみに私は薬を手に入れるためにボコボコにされたよ」
「アンタに食わせるための物のために財産を失った」
「僕は……特になーし、魚取ったり捌いたりだね!」
レプンカムイの働きがシンプルに一番デカいよなこれ、全員の食費を賄えるほどハヌさん金持ってなかったし。
ってわあ……どんどん青ざめていく、まあ私達パッと見でもよくわからないのに見れば見るほど謎な集まりだからね。
「……気にしないでいいからね、こんな奇妙な集団に借りだなんて思わないで……」
「う…うん…」
お嬢ちゃんから貰った能力を使わなくてもいいくらい絶望していることとお嬢ちゃんを信用していることがわかったな、パパ許しませんよ?
「黙っててハリガネさん……そう言うのじゃない」
パパ許さないよ!娘にそんなの十年は早いんだからな!!
「黙れ」
はい。
「なあ……アンタ等会話それでできてんのか?」
「初めて見る人はびっくりするよねー、人間は頭の中の考えなんて読めないわけだしね?僕も最初戸惑ったけど権能で対応しただけだしね?」
「……わけがわからん」
その内慣れるさ。
「よし坊や、名前を聞いておこうかな」
「……名前……無いです」
……そうだった。
「皆からはなんて?呼び名くらいは……」
「……しゃ、シャルヴ」
「何だその発音の難しい名前は」
「お父さん!」
「ごめん撤回するよ、いい名前だ…本当さ」
「……それ俺等の言葉で傷付けるとか殺すって意味だけどな」
こいつ自分に向けられた暴言を名前と認識してるんじゃなかろうな……だとしたら泣くぞ、ブレ子とかが。
「よしシャルヴ、その……どうにもなんなきゃナイスな名前を考えてやるからしばらくはそう呼ぶことにするよ」
「は……はい」
「ところで体調は?もうすっかり良くなったように見えるけど…」
顔色も良いし何より服も全部用意してやったもんだから小綺麗になったね、中々ハンサムじゃないか。
「もうかなり……それどころか元気溢れてます……あの、最後に飲んだのはいったい……」
「はるか昔にこの土地にいた薬屋が作った……もの?」
「……鑑定はしたから、大丈夫」
「……は、はあ……」
露骨に不安そうだね、そらそうだろ。
むしろ死にかけている子供に得体のしれない霊廟から強奪した薬飲ませるって割と酷いことしてるな私達。
「よし、じゃあ君は……これからどうする気とかある?無けりゃしばらくここに……」
「祭りに出ます……今度こそ勝たなきゃ…」
「いやぁ…何となく事情は知ってるけど病み上がりにゃ酷じゃないかな?」
いくら元気になったといえど子供だし…
「……でも、取り戻さなきゃいけない…」
「……いかせてやりなよハリガネ」
「んー……んんん…まあ、守ってやればいいか!」
えーと……トド…もといアブドゥル達をボコりつつ、やりすぎないようにセーブして、その上で誰かはわからない覚醒しそうな雰囲気の奴がいたらしばき回してそれを阻止、シャルヴ君含めハヌさんを守りながら戦うと。
やることが……やることが多い……!!
「できるか馬鹿野郎!」
「藪から棒に何だね!?」
「ふう……ふう……ごめんレプンカムイ、行き場のない怒りだ」
「僕に向けるんじゃないよ……まあいいがね」
ほらお前どうせその体人形だし……
「まいったなハヌさん、策がない」
「だから最初っからそう言ってるだろうがぁ!!!?」
「そんなに怒んなやい……どうにかなるって」
ただ、やっぱりタスクが多すぎるのはそのとおりなんだよな……しかし減らすとなると……
んー、よし。
「駄目もとで今日から祭りの日まで君を鍛えよう、シャルヴ」
「なぁに……あの薬があれば多少死にかけても平気だしスパルタに行けるからね!」
「…………え…?」
Q.蟲人って哺乳類?
A.すっげえ難しい話だからざっくり説明するとカブトムシ等にある甲殻に類するパーツを皮膚の外に爪とかと同じ素材で形成することができる準人類みたいな扱い
でも卵生の個体もいる、わけわかんないね。
まあ猿から進化した種族じゃない上に現実世界ですら虫なんて解明されてないことだらけだから、この世界の住人は迫害もするけど拉致って解剖したりもしてるから人類種と蟲人は場所によっちゃ戦争起こったりするよ。
えー、シャルヴの修行パートや喧嘩祭り等イベント盛り沢山の前で申し訳ないのですが。
私世紀末肩パッドは現役の看護学生であることから今から全力で勉強しなくてはならないのです、何が言いたいかと言いますと投稿頻度が思いっきり下がります。
でも投稿できない代わりに気分転換に質問返信したり設定資料を進めたり、また改稿等も行っていくのでこれからも世紀末肩パッドと異世界ハリガネムシを応援よろしくおねがいします!!
改稿等の情報は随時Twitterで報告していきますのよろしければフォローもお願いいたします!
勉強がんばります……
申し訳ございません!間違えて完結済みを押してしまっていたようです!全然完結してないです!