表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/162

停滞即ち受けの姿勢。

  さてと。



先に結論を言うならぶっちゃけこれは負け戦もいいところだ、だってあの鹿火力も攻撃範囲も捕捉スピードも段違いなんだもん。



 ぶっちゃけムカデじゃ勝てない、長期戦を視野に入れて遠くから詰めていくのが安定しそうなものだが絶望的に長期戦に向かないんだなムカデは。



 て言うか枯渇寸前だよ。



 一歩も動けぬ木の上から眺めてはいるけど一向に見逃してくれる気配もない、そんなにムカデが嫌いかね君は。



 いやまあ私も家でムカデ見かけたらどこまでも追い掛けて殺すともさ。



 話がそれたな、それでどうやってあの鹿に勝つかだよ。



 私の読みが当たっていれば勝てる、まあ当たってなかったら死ぬけどな!



 さっき見たスキルの中の…まあ名前的にカーペットだかなんだかだろうね、地面から水晶の刃を生やす奴。  



 まずあれをどうやって攻略するかなんだけど、地面に降りたら多分数秒でムカデボディが粉々にされ、そのままハリガネムシボディも木っ端微塵になる。



 でも水晶の刃が生える軌道を見ていたらわかることもあったさ、奴は私を視認しながら一直線にスキルを放っている。


 まさしくカーペットだ、これが足では敵わないと見て高いところに移動した後私見つけ次第攻撃してきたとかなら大分絶望的さ。


 だってそれ野生動物の頭の良さじゃないもん。


 このまま愚痴ってれば解決するならそれに任せたいところだけどそうもいかない、ちょっとムカデボディじゃやりにくいけど木の上を伝って行くしか無いかね。



 煙幕変わりに使うなんて勿体ないけどこの際しゃーない『パラライズLV.10<standby>』



 辺りに撒き散らされる粘着質でありながらおぞましい程に殺意を秘めたガスを吐き、そのままの勢いで木から木へ大ジャァァンプ!



 ゲボッホゥ着地ミス!


 顔面から着地するとは驚いたさ、腕が咄嗟に前につけない体は不便だね。


 いやムカデボディで木登りしてる時点で褒めてほしいくらいなのにアクロバットをやらせるんじゃないよこんちくしょう。


 見失ってくれたかはわからない、何故ならこっちからも鹿が見えてないからなぁ!


 これ悪手じゃね?



 まあいいや。


 此方ムカデinハリガネムシ、これよりスニーキングミッションを開始するってな。




 ほっ、よっと、ごふっ!



 うむ、パーフェクトな移動だ。



 順調に鹿に近付けている……あれ何だあいつ寝て……!?



 やや遠くから見下ろす形になった寝転ぶふてぶてしい鹿を眺めていたら私の視界に突如映ったのは、やたらとアクティブに走り回る()()()()



 援軍!?



 っだらあ!



 そんな真っ直ぐな突進当たるか馬鹿やろう!いや鹿やろう!



 しかし無理な姿勢から弾いたもんだから体勢がヤバい、後ろを見る形になってしまった。





 その直後私の視界に映るのは絶望の波。





 無数の水晶が敷かれた地面が盛り上がりと共に砕け、そこから生まれ出でる鈍色の刃の群。



 嘘だろおい……あれ全部か?



 あ、これ考えてる場合じゃ無いわ。





 い……でぇ!


 弁慶じゃねえんだぞ寄ってたかって刺しやがって!


 まあ本体はかすった程度だけどな、寄生は便利。



 てなわけでくらいやがれ!『パラライズLV.10<standby>』



 からの捕食!美味い美味いくっそ血なまぐさい!


 ……シェフを呼べ、酷い味だ。



 いや冗談言ってる暇はねえんだよ、スタミナスタミナ。



 あー、くそ…スタミナは何とかなってもムカデの耐久力がヤバいなこれは。


 範囲攻撃が強すぎるからそれでも現状どうにかなりそうだが…今タケノコアタックきたら普通に食らってしまう、ヤバいどうしよう。



 む、第2波。


 先制攻撃『パラライズLV.10<standby>』!相手は死ぬ!



 だがこれは私も死ぬ、なんといっても麻痺させたところで勢いが死んでなければそのまま質量弾として飛んでくるのだからね。


 そこをすかさずさっき殺した鹿でガード!アンド捕食!



 ふははは!攻略見たり!




 なわけねえだろ、このままじゃ削り負けるわ。



 て言うか現状戦いにもなってねえ、物量攻撃による蹂躙だこれは。






 [経験値の超過を確認]


 [経験値の超過を確認]


 [経験値の超過を確認]


 [経験値の超過を確認]


 [経験値の超過を確認]


 [経験値の超過を確認]


 [経験値の超過を確認]


 [経験値の超過を確認]


 [経験値の超過を確認]



 うおぉ、レベルアップか!



 何でこんな一気に…ああ、パラライズが充満してたから時間差で第3波がね。


 納得。



 うーん、大分外道なスキルだなぁ。



 まあ使うけど。




 [パッシブスキル『飢餓LV.7』がパッシブスキル『饑神の加護LV.1』に変化]


 [パッシブスキル『スタミナ急速低下LV.9』を確認]


 [アクティブスキル『急速消化LV.9』を確認]


 [アクティブスキル『パラライズLV.10<standby>』がアクティブスキル『セッショウセキLV.1』に変化]



 そこは今変わらないで欲しかった!



 いやまずどういうスキルよこれ…範囲攻撃から変わってたらいよいよ終わりだぞ。


 と、取り敢えず食って第4波に備えよう。




 うっわー食べる速度早ーい、地味に上がった急速消化の影響かな?



 その分減りも早くなってんだけどね?ふざけんなおい。



 あと飢餓が変わったけど何て読むのか一切わからないし詳細を読む時間はない、多分いい効果無いだろうし後回しだ後回し。




 

 取り敢えず…『セッショウセキLV.1』!




 ……?



 え、何動けないんだけど?


 クラッシュした?処理落ち?



 おいおい、さては安物PCだな?



 最初に金をケチると返って後々苦労して、その上で金が余計にかかっちまうんだぜ?PCは慎重に買えよ?




 そんな冗談もさ、風景が動いてなけりゃ全然言えたのよ。



 物凄い勢いで同胞の死体を踏み越えながら迫ってくる鹿の群見てるとそんな事も言えなくなるね。



 あー、南無三。




 ぬ……?



 鹿が泡吹いて倒れてる、シュールだ。



 わーお、錆びた刀みたいな角が一本残らず折れてらぁ……成る程、動けないけど身体がカッチコチになれるんだなこれ。


 そして防ぎつつ毒をバラまいて麻痺と。




 強い、強いな。



 ただ絶対今覚えるスキルじゃない、だって多分ボスっぽい奴に一切近付けてないもん。




 解除、そして周囲の鹿肉を食ってからの再び『セッショウセキLV.1』。


 なんかもうこれだけでぶっちゃけ耐久はできてしまう、所謂引きこもり戦術だね。



 しかし安全は安全だけどこれであいつを倒せる気がしないし、多分あのボスキャラの攻撃は耐えられないだろう。



 となるとどうしたものか、解いて戦うか?


 やっぱり思うのはパラライズ失ったのつらっだぁ!?



 おあぁ!びっくりした、普通にあのボスっぽい鹿突っ込んでくるんかい。



 水晶でできた角は流石に他の有象無象と同様に砕ける事はなかったけど、しかし止められた。



 強いじゃんこれ!動けねえけど!



 つまりボス鹿が早々に諦めてくんないと負けるんだけど!





 ……さて、どうするか。


 こいつの突進とかいう恐らく名前そのまんまのスキルはLV.10、その上<standby>とついてたってことはこのままだと突破されかねない。


 さっき私のパラライズが進化したのと同じ感じで言えばレベルアップと同時って感じだろうか。



 スタミナ消費は何とかまだ耐えられるだろうが、さっきから一撃受けるごとにごっそり持って行かれてる感じがある。


 硬度はスタミナ消費依存なんだろかね。



 詰んでね?



 耐えてれば毒ガスで倒せるか…いやー、耐久半端なかったなこいつ…そもそも魔法無効とか色々ついてたし。



 いやこれ魔法じゃねえんだろうけど、それでも物理耐性あるなら殴り殺すには時間がかかりすぎる。



 いや…戦いながら足元の死体食うとか無理過ぎてカタツムリだわ。



 混乱してるな私よ?



 気合い入れよう、死ぬから。





 っしゃあやってやるぞばばばばば!?







 ……割れないからって地面から急に水晶生やすのは違うじゃん?ちょっと浮いたよ?

年末忙しかったのと気に入らなくて書き直してました…ごめんなさい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ