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犬々諤々な話し合い

 諸君らはカバに向かっていくライオンの群れを見たことあるだろうか。


 無い?それじゃあカマキリに向かう数匹のスズメバチは?


 無ければイメージで聞いてほしい。


 そう、イメージとしてはライオンやスズメバチが数をなせばカマキリやカバなど造作もなく食糧にされてしまうだろう。


 でも実際は違う。


 実のところカマキリのスピードにスズメバチは対応できないしカバの重量をライオンは押さえ込めない。


 結果起こるのは高速戦闘か怪力による吹き飛ばし(ノックバック)か、まあ要するにチームワークをそれぞれ抜きん出た個性(・・)で散らされた上で1on1の蹂躙が行われる。


 うん、私が今見てるのはそんな感じだよね。


「ワシリー!後ろに着かれるな!」


「クソ!速いぞこの人間!」


「なっ!?がぁぁぁ!?」


 奥から奥からわらわら湧いてくる山賊犬人間達を、攻撃をいなしては手首や足首を掴み重心を操って踊るように振り回す。


 そしてたっぷりその重たそうな身体に位置エネルギーが乗ったところで地面と言うこの世界最重量の鈍器でぶん殴るのだ。


 殺してないよね?こいつ等なんならこの後鹿戦で使うんだからね?


 まあ、今までと違って一切スキル宣言してないから多分手加減はしてくれてる、多分、おそらく、そうだといいなってくらいに。


「おのれ兄弟達の仇…!『決定打(クリティカル)』!」


 お、何か強そうな色…黒っぽい赤的な毛皮の奴が出てきたと思ったら牙が光りおる、レアモブか?


「甘い…ふんぬ!」


 おおっと!!しかし真下から顎を砕くアッパーが炸裂した!


 これは立てませんね!


 ええ、本当に2度と立てなそうな傷に見えるんだけど?


 確実に頸椎とかやる飛び方だったじゃん、手加減のての字も無いじゃん。


原型(かたち)が残ってるじゃないの…よ!」


 お前の無事に済ませるの基準剥製にするかどうかだったりする?この後戦力として使うつってんだろ?


「ふん…よく見な…さい!」


 んん……怪我…してない?


 あ、前にブレ子が言ってたあれか。


 投げたり殴ったりはしてるけどダメージが無いようにしてるとか言う。


「ん?今はあるわよ、ダメージ」


「それこそアンタがさっきから言ってる通り一撃ごとに殺すように打ってる…けど、無事…さて何故かし…ら!!」


 死ぬダメージを与えながら皮膚は割けず骨は飛び出さず血は吹き出さない…そして死んだと思った数瞬後には元通り……


 ……治してる?


「正解、アタシの攻撃は一撃毎に殺すつもりで放っている…けど同時に絶対に殺さないように回復もさせてる」


「案外できる奴少ないのよ?これ」


 聞いてるだけでも難しそうだしわけわかんねえよ、どっちか一つたりともできん。


 てか片付いたね。


「思ったより呆気なかったわ…ね」


「しかし…ボスはどこかし…ら!」


 ああ、やっぱり束ねてる奴等はいるよね?ゴブリンエリートとかゴブリンチャンピオンとかゴブリンブレイバーとか。


「何故全てゴブリンで例えたのかはわからないけ…ど…まあ確かにいるでしょう…ね!」


 こんだけ住処荒らしたら出てくると思ったんどけどな……留守?


「それはないと思うけ…ど」


「進みましょうか、罠があろうと大して苦でもない…し」


 頼もしいオカマだなぁ……じゃあ進もうか、攻撃されても腹だけは守ってね?


「ふ、アタシの筋肉(ボディ)を穿ける攻撃なんてそうそうない…わ!」


 マジで?鹿もいける?


「それはそうそう無いのそうそう(・・・・)の部分に入るわ…ね」


 まああれ耐えられたらいよいよ人間卒業だと思う。


「…いるわ…ね!」


 お、ボスキャラ?


「いや…これは…サイズからして子供…?」


 ……おん?




 洞窟の狭くて息が詰まるような通路の先は惨憺たる有様だ。


 見る限りやせ細り赤子も老人も肋骨が浮かび上がっていやがる。


 一目でわかる限界(・・)の文字、あの街よりよっぽど全滅寸前じゃねえか。


 聞いてた話と違う…恐ろしい獣人じゃなかったんだ?


 いや、恐ろしかった(・・・)のか。


 今や殆ど残ってないコボルトの一族全部が病狗と言うギャング……


「もし…そこのお方…どうか…我々を殺す前に少しだけ聞いてはくださいませんか…」


 おや、老犬みたいな毛並みの…いやまあ老人だろうな、そんな犬人間が出てきた。


 死ぬことは前提なあたりさっきまで戦ってたのがこのギャング団…いや、コボルト族の戦闘部隊ってわけか。


「武器を納めてください…どうか、話を」


 いいよ、聞こうか。


「…いいわ、話してみな…さい」


「感謝します…」


「ただ、これがもし時間稼ぎや罠に嵌めるための時間なら…通用しないからやめておいたほうがいいわ…ね!」


「その時はこの老骨諸共一族の死だと…承知の上で願います」


「貴方を襲った連中…我が一族の若い衆、そして儂の首を王国に献上します…だがこの子らは見逃してはくれませんか」


「……あら、そのメリットがどこにあるのかし…ら?」


「アタシの、家族がアンタ達の仲間を名乗る盗賊(シーフ)に攫われて、恐らくもうアンタ達が残さず喰らったあと…それを聞いてもそんな事をほざく…気?」


「勿論…その可能性もあるでしょうな…」


「だからこそ…筋の通らない話です…聞く耳持たずとも不思議はない…」


「ええ、そうね…だから心して話しなさい」


「アタシに嘘は通じない、そう言う授かり物なの……じゃあ、ゆっくり聞こうかし…ら」




 ……私今回いる意味無いな。

あけましておめでとうございます!!今年もよろしくおねがいします!!


ハリガネムシも早いことで一年を過ぎ、投稿頻度の少なさに焦る毎日です!

しかしこれからも頑張るので応援してください!!

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