表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/162

体内を借りたら親友と呼べるかもしれない。

  目に付いた弱そうな虫を舌でビシバシど突いてレベルを上げようとしてたら気付いた事がある。


 これ、カメレオンにも経験値行ってる。


 

 いやまあ死んではいないのだし当然っちゃ当然だけど、新しいスキルも覚えられたのは驚いた。



[パッシブスキル『周辺感知LV.1』の熟練度超過を確認、LV.2に上書きをするか、アクティブスキル『拡張解析LV.1』に変化させることができます。]


 こんな感じで選択肢が出て来たんだけどぼーっとしてて拡張解析を取ってしまったわけだね。




 周辺感知からの派生スキル、厳密に言うとパッシブスキルがちょっと便利になってアクティブスキルになった感じかな?


 実は拡張解析、このスキルは物が動いたのを気付けるだけじゃない、なんと物の詳細までわかるのですぜ?


 便利だ!最初はそう思った。



 でもね?例えばこの羽虫に使うじゃない?


[解析結果、虫、弱い]



 雑だよ。


 一人暮らしの社畜の夕飯もここまで雑じゃないよ。


 レストランの食事とまでは行かなくてもカツ丼くらい手の込んだ物を期待したのに、まさかレトルトパウチごと温めたお粥をパウチから直で吸うような目に遭うとは思わなかった。


 多分レベルが上がればいいんだけど、このままじゃ私が寄生するときに見れるステータスのが全然詳しく書かれてる。


 つまりね、まあまあ有用だったパッシブスキルを失ってクソスキル…もといお排泄物スキルを手に入れてしまったわけですの。


 ほんのりお嬢様にもなろうものだよ、いやなろうものですわ。



 飽きた、やめる。



 

 私のレベルもほんのり上がってきたが、どこまで育てば強いと言えるのかがわからない。


 そして何がヤバいって私ゲームで推奨レベルとか無視してサクサク進めたい派なんだよね、危険な思考だから常に冷静にいよう。


 間違っても格上相手に勝てるんじゃね?とか思っちゃ駄目だ。


 最初の戦闘で言えば一撃でぺろんと飲み込まれたからね私、本来なら0キル1デスだよ? 


 まあまずあれが戦闘と呼べるかは謎な部類だけども、私気づけてもいなかったわけだし。




 そろそろステータス確認してみるか。





   種族名 アビス・ゴルディオイデア


   LV. 5  HP 149/149  MP  58/58  SP 220/270


  アクティブスキル 『寄生LV.4』『単位生殖LV.1』


  パッシブスキル  『気配遮断LV.2』『怒りLV.1』『産卵LV.1』『乾燥耐性LV.1』


『混乱耐性LV.1』

 

  状態  湿潤



 んー……スライムくらいなら勝てるかな?



 いや無理か、奴ら多分溶かしてくるし。


 ステータスは伸びたものだけど魔法は覚えないしスキルも覚えないな、強いて言うなら超過ボーナスで寄生がちょっと上がった。


 あと気配遮断はこそこそしてたら上がった、何となくシステムはわかってきた気がするよ。


 ようするに筋トレだね、鍛えたいならその部分を使って何かしてれば強化されるみたいだ、つまり何をするにもスキルは使い続けた方がいい。



 それに気づいたのは少し前でそれ以降唯一使えそうな気配遮断を育てるためにひたすらこっそり歩いてみた。


 するとどうだろう、驚いたことに羽虫すら私に気付かないのだ。


 少しずつ私の影が薄くなっているのを感じる、気のせいかもしれないけど。



 

 そんで今ステータスを見てもう一つ気付いた。



 SP 270/270


 これが私のステータスに出ているSPだ、何のって聞かれたらスタミナ以外浮かばないからスタミナって事でいいよね?



 SP 23/256


 これがカメレオン君のステータスだ。



 ……か、カメレオン君!どうしたんだこんなに痩せて、いったい誰がこんな酷いことを。


 うん、まあ順当に考えたら私だよね。


 寄生って言ってるし。



 そしてこのSPの数値、これはただ減ったら疲れるというだけってより体内のカロリーとかに関係ある気がする。


 だってさっきも言ったけどカメレオン君がここ数時間で極端に痩せてるもの、結果にコミットしすぎだよ。


 まあもしかしたらもっと重要な…何か生命力とかに直結してそうな気さえするからなるべく気をつけないとならない。


 この体が更にほっそりしてしまったらいよいよ虫ってよりのたうち回る糸みたいになってしまう。


 そんな糸嫌だな…意味わかんないし。




 

 それから、しばらくこうやって逃げたり殺めたりを繰り返しているとわかることがあるんだ。


 それは殺気というかプレッシャーというか…まあとにかく圧力的なものかな。



 姿は見てない、てか見てたら死んでると思う。


ただとんでもないのがいたのはわかる。


 だって木にえげつない爪…爪かな?多分爪の跡みたいなのがあった。


 

 切り分けられたら流石に死んでしまうからあれの主が何であれ出会いたくないものだ。


 人間の姿だったら腰抜かして漏らしながら泡吹いてたね。


 ……初めてミミズもどきで良かったと思ったかもしれない。



 

 さて、そろそろまたカメレオン君に何か食べさせないと。


 乗り物を労るドライバーの鏡だね私は、免許何もないけど。


 

 お、虫。


 舌弾、からのー…補食!



 そして頭に感じる虫の体液…っていだだだだ!?


 か、噛んでる!此奴噛んでるよ!


 この、痛い!噛むな!


 うおぉぉぉ!都合よく目覚めろミミズパワー!







 おお、勝てた…て言うか厳密に言うと風前の灯火だった虫けらを長々とした体で巻いたら死んだ。


 殺し切れてないとそりゃこうなるよな。


 [実績を解除。]


 お!?


 これ今までカメレオンが殺傷した判定だったから出なかったのか?


 何はともあれスキル貰えるのはデカいぞ。


 [パッシブスキル『乾燥耐性LV.2』を確認。]



 だから湿ってんだよ!虫の体液含めてべっちゃべちゃだよ今は!






 攻撃系のスキル欲しいなぁ……現状の攻撃手段が胴体ビンタしかねえ。


 ミミズの攻撃系スキル…股間を腫れさせるとか?


 私それ手に入れても永久封印するからな?


 まあ何はともあれ、これで私のレベルそしてスキルレベルを合わせて9だ。


 考え方が合ってるならこれでLV.8までの奴になら寄生出来ることになるが、間違っててシンプルに下等な生物なら行けるとかだと詰みだ。



 うん、どうしよう。




 結構無理のあるレベル上げをしたものだから正直な話もうこの体は寿命だ、そろそろ乗り換えるべきではあ…る?


 

 何か、私の考え方がおかしい気がする。


 多少なりともこのカメレオン君には愛着もあるのに。



 ……はっ!まさか私の脳に何かとりついて…それ私やないかーい!ってね。


 ………… 


 [パッシブスキル『混乱耐性LV.2を確認』] 


 やかましいわ。


 人が1人で滑り倒して落ち込んでるのに空気読まないアナウンスだよ本当に。



 

 しかし、実際問題このカメレオン君とはそろそろお別れの時期かもしれないね。


 ぶっちゃけ数時間の付き合いだけど、それでも私の命を繋ぐために色々と借りた。


 折角なら生きたまま解放してやりたいものだよ。



 でもこれどうやって出るんだろ?



水辺…水辺か?



 最初に私が産卵…排泄?わかんない、排泄とは言いたくないから産卵と言うことにしておいてほしいんだけど。


 まあ産卵されたところが水辺だった、ならば水辺に出るのが条件なのでは?



 そんなわけで私は排せ……産卵されるために水辺に向かうことにした。


 て言うか何で私って消化されないんだろう?酸耐性とかもってないけど、その割に食べた虫けらはどんどん消化されて私の収まってる…胃かなここ?


 まあこの部屋から無くなっていく。



 寄生って何なんだろうな、哲学?





 そんな話してたらついてしまった、最初の水辺からちょっと離れた所にある大きめの池。


 カメレオン君が壁に張り付ける事を知った時に木に登って周りを見たら見つけたんだ、遠近感狂いまくってるせいで行き倒れるんじゃねえかってくらい歩いたけどね。


 実は最初から目指して歩いてたんだよ?全然つかなかっただけでね。

 

 

 おや、急に夜に……あ、上見たく無いなーこれ。

 

 さっき話した殺気な、多分この私の真上に覆い被さる形で水飲んでる奴だわ。


 妙に落ち着いてるって?動けないだけですとも。


 山道で車の前に飛び出した鹿とかこんな気分かな。


 もうね、この後ほぼ死ぬ事が確定してると人間何も出来なくなるのさ。


 ははは、もう人じゃない?寄生すんぞお前。




 まあこうして置物のように、野に落ちる石ころのように。



 気配を消して動かずいれば…待てよ?


 

 『透明化LV.8』





 うぉぉぁ!やっぱり君は最高だよカメレオン君!


 見つからないって能力は自然界じゃ最強なんだよね結局、だって戦わなければ強い力なんて必要無いんだからさ!






 あー、いやもう本当に終わったかとおも……ああ、やっぱ駄目か。

ハリガネムシを検索しすぎて私のスマホの検索履歴が偉いことになりました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ