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太古の神

 弓矢かよ…!


 まずいな、この図体じゃ避けようが無いぞあんなもん。


 今のは…矢自体は見えたから避けれたが……そもそもいつ構えた(・・・・・)んだよあれ。


 構えて、狙って、発射、の二拍子飛ばしてそのまま発射してきたぞ多分。


「俺様の神器は破壊神(あいつ)のみたくすげえもんじゃねえ……暴風を呼ぶとか、叫びを挙げるとか……色んな逸話があることにはあるが……何のことはねえよ、ただの動物の骨と干した腱で作った弓だ、だがな」


「こいつは俺様の力に耐える(・・・・・)、だから神器(・・)だ」


「そら……お返しだぜ」


「『嵐呼ぶ号哭(■■■)』」


 

 っ!?おいおいマジでか……これ……死…………




 



 ……あ…れ…私……何してたんだっけ…


 うわ空……赤ぇ……指先も動かねえな……


 あー、頭ぼーっとしてるわ……ええと……今はいつで…


 ああそうだあれか……え、いや一発でこれかよ……マジで?エグくない?


『汝!起きんか!!』


 聞こえてんよ……でもこれ…本体もやられてんな……うーん大ダメージ。



「……!!ガネさん!!ハリガネさん!!!」


「死んじまったか?暴食王に、ハリガネサン」


 いや逃げろやクリシュナさん……巻き込まれてなくて良かったけど…


「諦めんならそのまま寝とけ、でもなきゃ本当に死ぬぞ」


「うる……せえな……今……立つよ…」


 随分壊しちまったな……身体、ごめんねグラさん。


『黙れ!疾く逃げよ!』


 無茶言わないでよ……ここで逃げちゃ皆死んじゃうでしょうが。


 それに……暴食王がこんな御馳走前にして逃げられねえでしょ。


『汝がいればよい…!ここで死ねばもう甦れぬかも知れぬではないか!』


 そもそも世界が滅ぶんだ……よしんば耐えたとて…もう次の世界じゃ家族はバラバラかもしれない…


 お嬢ちゃんはともかく、ブレ子やけむりんは発生が私由来だしね、存在してない可能性大。


「なら……立たねえわけにはいかねえでしょうが!!」


 ところどころ千切れ飛んだけどまだ立てる!血が吹き出そうがまだ舞える!脚がある、頭も生きてる!私のグラさんはまだ戦える!!


 だろ?


『ぐっ……くそ……こんな時までときめかせおる』


 今はイチャつくの無しな、本当に死ぬからね。



「お、よく立ったな……そんでまだやるか?」



「やらねえつもりなら今も寝てたよ……悪いね待たせて…」


「んー……志は立派なんだが…これ以上はイジメになっちまうか」


「男らしく終わりを決められるのも戦士の美徳だぜ、ハリガネサン」


「家族と友達守るためなら誇りとか知った事じゃないのさ……頭だけになろうが噛み付いてやるってんだ」



「……若造が……そうかよ、じゃあなっ!」



 またあれが来る……避けるのは無理か……



 なら、迎え撃つ…!


「お……?」


 武器が弓なら引いた弦を抑えれば…!がふっ……く、そ……動けよ脚!こんだけあんだから動けんだろうがよ!!


「無理だろそれ、もう走る体力もまともに残ってねえじゃねえか」


 うるせぇ!!


「『更に先へ』!!」


 崩れたそばから治す!脚があんだから走れる!走れるなら私達は止まらねえ!!


「っらぁあ!」


 クッソ……駄目だやっぱ……振り絞った攻撃も棒立ちで受け止めやがる。



「あーくそ……彼奴と重なってきやがるわ……もうその技、維持する体力もねえじゃねえか」


「……よぉしわかった、お前だけはできるだけ残してやるからよ…こんだけいい戦士なら1人くらい…」



「ざっけんな……まだやれるって……」


「……もういいだろ?勝てねえよ……よく戦ったと思うぜ?」


 


「おいやめろ…支えてんじゃねえよ…!私達に同情してんじゃ……」


 くそ…くそ…!まだっだ!!


「ぐるぁ!」


「あ痛っ!?」


 肩口に牙がめり込み、甘い血の味が口に広がっても、力が湧いてこないくらい使い果たしちゃったかね……


 せめてもう1発……あと数歩でも走ってぶち込んでやる…

 

「ってぇなおい……ほらもうゆっくり休めよ、寝て起きたら全部変わってる……そうだな、そこの引きこもりも居るんだ、創世記に入る時に貴様等の身内だけは……っ!」


「…………あがっ!?」


「え……ちょ……お前それ……どうなって」


 さっきまで此方を見下ろしてたムカつく男前な顔の下半分が、あった場所から遠く離れ、その断面からは温かい飛沫が吹き出してる……て言うか下顎がもげてる。


「…おぁぁぁ!?ぁあ!?」


「がっ…かっ!あんぐ……あー……これは……流石にご挨拶が過ぎんよなぁ…破壊し……いや誰だお前」


 崖の上……?あれ……シャルヴか?


「シ、シャァルヴぅー!!?…えお前生きてたの……?てかその弓何?」


「清聴……」


「……こんにちはハリガネさん、初めましてですね……謝罪のしようもありませんが……シャルヴなる少年は既に……そこの猿女の……いえ、ヴァーユの攻撃で魂魄が離れてしまっております……まあそれ故に依代として顕現できたのですが」


 そっか……シャルヴ……やっぱ駄目だったか。


「ルドラ……あれ中身破壊神かね?」


「いや……違ぇ……そんな優しい(・・・・・・)もんじゃねえ(・・・・・・)よ」



「破壊神の権能は……貴方が持って行ってしまったでしょう?暴風神」


「……私は【舞神 ナタラジャ】」


「破壊神の……別名義とでも言っておきましょうか」


 名義て。


「今更出てきてどうするってんだよマハーデーヴァ……いや、ナタラジャか?」


「最初は蟲共を怒りに任せて皆殺しにしてやろうと思って居ましたが…………顕現に合わせて怒りも何も全て貴方が持って行ってしまいましたからね、今私の中にあるのは……」


 スタタンっとステップを踏みながら片脚を上げてポーズを決める、何か、何かかっこいいけど強いのかこの人…


「てかちょっと待て!【舞踏王 ナタ】じゃなくてナタラジャ!?私達が探しに来たやつ…じゃないのか微妙に、誰だおま…貴方様は!」


『格上の味方にはすぐ下手に出おる……』


 そうやって生き抜いてきてますから……


「…急に懐かしい名前で呼ばれて驚きましたよハリガネさん……それは……大昔、私の依代が初めて破壊神の器となった時に捨てた…言わば人間の時の名です……まさか、私をお探しでしたか?」


 以前レプンカムイと船の上で話した……国民の中から覚醒した真の王って……でもそれこの国のループ事件のもっとずっと前ってこと?あの爺は何世代前の話を私にしたんだよマジで。


「っは……そんで今更出てきてどうする気だよナタラジャ……もう、終わるぜ?」


「ふむ……ふふ……ええ全く、私が出てくるのが遅すぎたようですね、まるで何も間に合っていない……このままでは本当に一巡してしまいます……恐らくは、この国に留まらない規模で……最早止められますまい」


「……それでは、踊るとしますかね」





「……やけっぱちですか…?」

お久しぶりですわー!!


引っ越し終わったよー!!!!!


というわけでわしわし書いていくわよ。

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