表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
142/164

帰還

「皆準備いいかーい?」


「……いやまあ僕ら特にやること無いっすからね、これがすんなり成功するなら」


「とは言え、8割方儂等の出番になりかねん故…何時でも逃げる姿勢は取って置いてくださいませ……最悪の場合最も必要になるのはクリシュナ殿の力ですし」


「オレ等で守ってやるつもりはあるがねぇ……何せ事が大事(・・・・)だ」


「早く、旦那様早く、このメイドめは準備万全でございますよ」



「うむ……始めてくれ」



 さて、ハリガネさんが導き出した今回のナイスな作戦とは。


 まず初めに、この国の神様達は皆民から忘れ去られることで存在すらしていないことにされた。


 信仰心が無いからね、知らないってことは少なくともその人が生きている世界の中じゃ最初から居ないのと同じだ。



 だから私達が知った(・・・)


 その神がどんな性格で、何を成し遂げ、どうして人々に願われる存在になったのか。


 そう、つまりこれはたった数名の小さな小さな記憶の中にある認知(カタチ)


 忘れ去られた神達が、蘇る為の種が出来た(・・・・・)んだ。


 神を構成するのは、認知(カタチ)記録(エピソード)、そしてリソース(・・・・)


 神を食いまくって、摩耗したと言えど有り余るリソースを持ったバスキンを、純粋なリソースの塊のけむりんが削り取って、その能力を持って器を作る。


 可能か?可能さ。


 うちのメイドは優秀だからね、変態だけど。




「さてけむりん……任せたよ(・・・・)




「はい!!……うあ…あぁ…ぁぁぁああああ!!」


「ぅ…っぐぉあああ!!?」




 うっわすげえエネルギー……と邪念。


 ……これ大丈夫かな、本当に神産まれてくる?私への愛情が混ざって別の物産まれてこない?


「クリシュナさん、もっと後ろに居て……正直割と未知数なんだから」


「見届けたいんすよ、一応は…長年冷戦してきた仲なんで」


 まあ腐れ縁と言えばそうっちゃそうかな…?



「……っぐ……まだまだぁあ!!」


「だ……旦那様……私…もう……!」



 まずい……思ったよりけむりんの消耗が激しいか…


「我慢できなくなりそうです……!今すぐ旦那様を襲いたい…!!」


「うん、大丈夫そうだね!頑張れ!!」


「こんな時まで……ふざけてる場合じゃないんですよ!」


 ……んなわけあるかい、けむりんも相当にギリギリだな。



 ……頼むよ神様、アンタの力がいる。


 聞こえてんだろ、ここにアンタの帰りを待ってる流れ者がいるんだぞ。


 少しは顔を見せてくれよ。





『……汝、感知に反応が増えた……神格だ、構えよ』


 マジか!成功した!?


『ああ、だが…上手く分離ができておらぬ、このままではあの侍女が飲み込まれるぞ』


 それはやばい!!


「けむりん!!聞こえてるかい!!」



「……だ…だ……誰……貴方は……私達に……何をしたぁ…!!」


 栗色の長い髪に腕が4本……女神か、確か幸運の……まあいいや。


「クリシュナさん、頼んだ!」


「っす……」




「えー…あはは……久々っすね、ラクシュミー(・・・・・・)……少し…落ち着いて欲しいっす……あ」




「うおぉぉぉ!!?」


 うぉい!不用意に飛び出した馬鹿(クリシュナ)が死にかけなかったか今!?


 ハヌさんがギリで弾いたとは言え何だあの……速すぎて良く見えないけどチャクラムとか言う用途の分からない刃物っぽいな。


 ……あんな軽く放っただけでロボット物に出てきそうな挙動する物体では断じて無いと思うんだけどね、神様って理屈じゃねえんだなぁ。



「クリシュナぁ!!アンタが死んだら終わりだってわかってんのかい!?」


「あっぶ…あ……あっぶなかった……し、死ぬかと思ったっす…」


「ブレ子!タコさんで縛り上げろ!」


「出番ですよ!ポリプシオン殿!!」


〔儂に……任せとけぇい!!痛たたた!!?アカンめっちゃ斬れる!?けど……ナメとんちゃうぞボケコラァ!!〕


 ナイスガッツ!脚2本くらい落とされたけどまあ……生えてくるか。 



「うぐっ……あぁ……許さない……私にこんな……」


 混乱してる上にブチ切れまくってるな……グラさん、けむりんは平気そうかい?


『しぶとく生き残ってはいるが……互いに人格を食いあっている、このままではあの女神が侍女に食い尽くされるか……または逆も有りうる』


 それはここから勝ちかねないけむりんが凄いって褒めるべき?


 さてどうやって分離するか……は置いといても攻撃を止めんことにはどうにもならないか。




「僕っすよラクシュミー!クリシュナっす!」


 ラクシュミーって言うとクリシュナさんの分身のヴィシュヌの嫁……つまり義姉的な立場かな。


 幸運と豊穣の女神様、つまりは1番欲しかった子だ。


「クリ……シュナ…?」


「そうっす!クリシュナ!」


「……あの根暗で地味で引きこもりだった……クリシュナなの…?」


「そん…なこと思ってたっすか……はい、まあ…そうっす……地味…」


「クリシュナさーん!気をしっかり!」


 いや確かによく見たらラクシュミーとか言う神、クリシュナさんと相性の悪そうな派手派手一軍女子って見た目だわ。


 でも何にせよ攻撃が止んだ今の内…!


「あー……ラクシュミー!君を呼んだのは私だ!状況はわかるかい?」


「そうね……凄い速さで……削られてるのを感じる…わ」


「けむりーん!!ストップ!神様が蘇り早々お還りになっちゃう!!」



『真名を呼べ、あの者なら汝に呼ばれれば戻るだろう』


「えーっと……おいで(・・・)ドッペルゲンガー」

「ここに」



「うわっ!?」


「おぐ!?…っ……ったい……わね…」


 こいつ……呼んだ瞬間女神を射出しつつ私の背後に……それに伴ってまあまあな勢いで女神壁に叩きつけられたんだけど。


「……ここは…デーヴァじゃなさそうね……私、生きてるの?」


「一先ずお帰り、ラクシュミー……私はハリガネさん……取り敢えず鼻血拭こうか」


 ダラッダラに血出てるよ女神様、威厳とか無いよ。


「うん……痛い…」



「……バスキン、消耗具合は?」


「……かなり持っていかれたが…問題無い」


 疲労は激しそうだけど力は目に見えて弱ってる感じが無い辺りやっぱかなり溜め込んでんだな……戦わなくて良かったー。


「取り敢えず休憩、第1段階でお前を失わなかったのはデカイからね……少し寝てな」



「けむりんは……うん、休んでろ」


「そうさせていただきます……些か疲れました」


「良くやった、最高だ」


「はい回復しました、すぐにでももう1人行けます」


 バスキンが死ぬだろ。



「……さてラクシュミー、君の力を借りたい」


「……状況が飲み込めないのだけれど…記憶も曖昧で…」


「ゆっくり説明するさ、まずはお茶にしよう……それから、君の事も教えて欲しいかな」


「……貴方心の中身がドロドロなのね…利己的で限りなく自分のことしか考えてないのに……いざとなったら真っ先に自分の事から切り捨てるような…周りが放っておかないでしょう?」


「……酷く淀んでいるのに……暖かい、不思議な子…」


「まあ合ってます」


「……正解」


 ん?これ褒められてる?ディスられてる?


『両方であろう』


「……それで、私に…何をさせたいのかしら…?」




神様(君達)のせいで飢える民がいる、明日まで生きていられるかわからない恐怖でいっぱいな民がいる、殺し合わねば生き残れない民が、この国にはいる」



「豊穣の女神が何かするなら、これ以上の理由は要らないだろう?」


「……素敵ね、私…口説かれてるみたい……ねえクリシュナ、どこでこんな人見つけたの?」


「いやその……成り行きで……?」




「……いいわ、ハリガネさん」


「……お茶を飲んで話を聞いたら……私を求めてくれる子達の所まで、エスコートしてくださる?」

更新よー!!



さて、私世紀末肩パッドはちょっと就活で忙しくなるので次のタイミングが分からないよ!!


でも気長に待ってね!!




Q.メイドけむりんってどんな顔してんの?


A.イメージとしては夏油傑女体化的な切れ長美人に胡散臭さ足した顔。



Q.けむりんって娘二人の事はどう思ってるの?


A.脳破壊と再生を繰り返されて親子丼もありだなと言う結論に行き着きブレ子に切り刻まれた。


Q.グラさんって寛容なの?嫉妬深いの?


A.もう既に自分とハリガネさんが魂レベルで癒着してるのを自覚している正妻だから余裕はある。

同時に最近滅茶苦茶嫉妬深くなったからカメラ外でハリガネさんに自分を褒め讃えさせる時間が割とある。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 神様サルベージ一人目は成功っぽい? バスキンあと何回耐えられるんだろ これサルベージする順番大事なのでは
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ