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誑し

[警告:アクティブスキル『寄生LV.10』を使用し侵食を開始できません]


 まあ、レベルなんて足りないだろうね……まともにやったら綱引きどころか勝負にもならんわな。


「……何をするかと思ったら…貴方様の限界は貴方様が1番理解しているでしょう?諦めない姿勢は嫌いではありませんが、それは無謀というものです」


 無謀だろうよ、無茶だともさ。



 だからやる(・・・・・)んだよ。



「っ……!!」


[侵食を開始できます、侵食率1%]


「……何をしたのですか?」


 どうしたよ、そんなに私に入り込まれたことが不思議かい?


 安心しな、私がパワーアップしたわけでは無いし小細工何かも使ってないよ。


 ただ、君がちょっと私を受け入れ始めてるだけさ。



 勝負(・・)にはなりそうだね?



「流石……ですが残り時間はそう長くありませんよ、貴方様の大切な物……全部全部奪ってあげます」


 やってみろよ、ハリガネさんから何か一つでも奪えると言うなら。



 私を、このハリガネさんをいつまでも拒絶し続けられると言うならな。


[侵食率3%]


「っ!ここに来てワイルドにガツガツ来るなんて…どこまで私を弄ぶのですか女誑し」


 人聞き悪すぎることこの上ないんだけど、まず君も性別無いだろ。


「今の心は乙女ですから……ふむ、ではこうなりましょうか(・・・・・・・・・)


 ……娘の姿は勘弁しろよ。


「かかか、如何に父さんと言えど儂を口説き落とすのは抵抗がございますか?ほらほら父さんの記憶のとおりの儂ですよ、一体どんな愛の言葉を……」


 あー…うるせえうるせえ、お察しのように娘相手じゃさっきみたいな戦法は使えやしねえよ。


 使えねえってか使いたくないんだけどね。


 おいポンコツ侍、私の記憶のままのお前なら私相手にんな気色悪い事ほざかねえはずだろ、所詮モノマネか?


「……おや、儂の姿では甘い言葉を囁く事はできませんか?父さんは何に変えても勝ちを取りに行く獰猛な狡猾さが売りでしょうに……本当にそうならがっかりですよ、娘に対する愛情も無いのですか?」


 うるせえ、要らねえんだよそんな言葉。


 どんなに似せようがお前が一目で偽物だってわかる、それが私なりの娘への愛情だよ。



[侵食率15%]


「ああ!!不覚!!似せすぎたが故尋常じゃなく嬉しいです!ムシケラなくせに!」


 どうしよううちの子もまあチョロいな…不安になってくる。


「父さん儂を好きすぎるでしょう!」


 うるせえよ、負けを認めたんならさっさと次出せ。


「かか……言われずとも、この姿ではどんどん支配権を持っていかれるようです故……」



「……えーっと……ぼ、僕っすか…いや皆さんに比べるとまだまだ出会ってから日も短いっすけどね……」


「ぽっと出って言ったら否定できないっすし……あはは……」



 あー…クリシュナさんかあ……



「や、やっぱ僕じゃあれっすよね……」


 いやそういうわけじゃなくて……神様だからね君、口説き落とすとなるとまあまあ覚悟いるよね。


 何となく女神ってやたら粘着質なイメージが…


「粘着質……まあ僕なんて確かに見た目的にもジメッとしてますしそう思われても仕方無いっすよね……」


 ……うん、自信なさげで弱々しくてとても神様には見えないかな……


「……っす……」


 だから胸を張れ、しゃんとしろ、そしたら私達が必ず助けてやる…この国ごとな。


 君は神様だろう、なら安心してふんぞり返ってりゃいいよ……信じてくれ、そして私にも信じさせてくれ、【調和神クリシュナ】を。


「ごっはぁぁ!!?」


[侵食率30%]


 吐血した!?


「舌の根も乾かないうちにそんな発言できるクズいとこも素敵っす……ごふ……」


 やかましいわ、私だって好きでやってんじゃないのよこんなバトル。


 とは言え生身の私ができることなんてこんな……まあ効いてるから馬鹿にしたもんじゃないけど。


「本当に……あの時の真面目な戦いとは程遠いのに……どうしてこんなに惹かれちゃうんすかね…はは」


 知るかよ、それだけ前に過ごした時が楽しかったんだろうさ。


「……うん、僕はもう駄目みたいっすね……次は誰にしましょうか」


 誰だろうが構わないけどさ、もう少しやりやすい人にしてくんないかな?



 いやぁ…しかしまさか本当にこんな……こんなアホらしい戦い方する事になるとはね……グラさん大丈夫かな、十中八九ブチギレ(・・・・)だろうけど。






 ふむ、何やら猛烈に嫌な予感がする……いち早く倒して奴を引きずり出さねばならぬな。

 

「……どうした、負けを認めたならさっさと奴を差し出せ、命乞いが上手ければ楽に殺してやろう」


「……酷いよグラさん……わた……」


「その姿で喋るな」


 忌々しい事この上ない……よりにもよってミリアの姿で隙を作るとはな。



「……どうして攻撃するの……私の事嫌いになっちゃったの?」


「あの娘がそんな殊勝なたまか、仮にもこの魔王とあの寄生虫の娘ぞ……何度語りかけようともが踏みにじってくれる」


 とは言え……奴を押さえられているのは事実…攻撃も当たってはいるが手応えも感じぬな。


「……なら、儂ならば手加減のひとつくらいしていただけますか?グラ……」


「ふむ、やはり程遠いな……本物であれば今の攻撃の最中に5回は斬りかかってきている……まあ、仮にそう来ても打ち落としてやるがな」


 いやそもそも本物のブレ子であれば我の間合いになぞ不用意に踏み込まぬか……何やらこやつの猿真似の精度が落ちて来ている気がするな。


「……本当に情け容赦のない御方ですね、心は痛まないので?」


「情け?容赦?心が痛むだと?」


「呆れて物も言えぬわ」


「例え本物の娘達がそれを言おうとも、我と奴の敵に回るのであればそれまでよ……そもそもそんな覚悟も無い奴は我等の仲間にはおらん」



「……()ですね、グラトニカ殿は誰より儂等を愛し、誰より儂等を守って来た……削られぬ筈がありません」


「何度己の中で否定しようと、何度己の中で折り合いを付けたつもりになろうとも、母親(・・)の情とは……」


 黙れ。


「黙れ」


「貴様……儂の前で母親を語るか?」


「おや……母親に何か嫌な思い出でも?」


「もう良い、もう何も喋るな」


 殺す。


「殺してやるぞ、下郎」


「おや……」



「そんなにも死にたいのであれば良かろう……暴食王(・・・)の狩りを見せてやろう」



1日遅れてすんません!!ちなみに今週は6連勤なので更新できるかわからない!!ごめんね!!

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[一言] 何を……見せられているんでせうか
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