懐疑的な会議
と、言うわけで。
「この国全員の認知を書き換える必要ができました」
「しかも多分僕の力でそれをやると皆発狂か自殺しかねないっす」
「……終わりでは…？」
こらブレ子、悲観的な事を言うんじゃないよ、ハリガネさんだって今現実逃避するのに精一杯なんだからね。
『汝ぇ……』
日和ってない、大丈夫さグラさん…多分どうにかなる。
『その多分が不安なのだが』
「ただハリガネさんブレインじゃとてもじゃないけど今を打開する方法が浮かばないんだよね……」
「……ハリガネさん、祭の開催者が王様なら、王様と話してみたら？」
「成程……一理あるっすね」
「今いってその場で戦争でもするか？十中八九ろくな事にならんだろそんなもん」
向こうはほぼ確実に記憶を引き継いでるんだぞ、行ったら行ったで王宮の兵隊全員虐殺するルートにしかならんわい。
私はそれでもいいけどクリシュナさん的にはあれも守るべき民だからね……
「まあそもそも僕を狙って来そうなものっすけどね…」
「では父さん、国民に戦いを辞めるよう呼びかけるのはどうでしょう？祭りの時に見たあの拡音機で」
「うーん、殺し合いが生きる価値みたいな連中の認知をそんなんで書き換えるのは流石にね……仲間を集めるのはどうかね？」
「私達以下をどんだけ集めても戦力外にゃ変わりないよ……そもそも祭に参加してた連中で1番強かったのがブブの爺様だったし」
そんなブブの爺様を捕食した私を瞬殺したシャルヴとやるんじゃ何人増やしても何の意味も無いしなぁ……
カムイ達を呼べればいいけど宗教戦争みたいになっちゃうし、そもそも彼等を巻き込めない。
「じゃあもうあれだね、真っ向から破壊神に勝てるくらいハリガネさんが強くならないとだね」
「それができねえから悩んでんだよなぁ！？」
神様っていっつもそう！！矮小な生き物が一生かけても不可能なことをポンと投げてくる！！
「えぇ……いやごめんね？」
「真っ向からの勝負じゃ相手にもならんのは前回でよーくわかったし……だからと言って搦手が通用する相手でも無さそうなんだけどさ」
「とまあ……実際問題若干1名狙われている身な上にこっちは打つ手なしと来たもんだ」
「……」
「うっし……やるか、王殺し」
「え……それあれっすか？前言ってた王様になるとかなんとか」
「そ、王様に成り代わって祭自体書き換えてやろうかねって」
「確かに……そんなこと試みたことも無かったっすけど…無理ありません？」
まあ王様ぶっ殺しただけで次の王様になれるなら楽すぎるくらいだけど、国家ってそんなもんじゃないよね。
「そこなんだよねー……あの王様割と政治で顔出てやるもんだから急に姿表さなくなっても不自然だし」
「……変装してそれっぽい見た目に……なれないかな？」
「この中でヴァースキに背格好が似てる人なんていないっすよ……それに有名人に成り代わるなんてただの変装じゃ……」
「そうかー……それも確かにそうね……」
〔儂かてただの人型に変身して振る舞うのは無理やな、それこそ変装なんてもんはソイツと似てないとこ潰しまくる作業や〕
〔まー……前回のうちに特異点にでもなれてたら話は変わってかも知れへんけどな、ほんま何やねんあの魚類……腹立つわぁ〕
「あれがなきゃ君は仲間にもならなかったかもしれないけどね……しかし難しい問題だね」
〔んー……王宮の真下にぎょーさん埋まっとるリソースかっぱらって来れるんやったら話は別やけどな、儂には無理かも知れへんけど……ハリガネの兄ちゃんなら上手いこと使えるやろ〕
「まあ確かにグラさんを完全な暴食王にすれば勝ち目くらいはあるかもね……実際前に同じシリーズの傲慢王は善戦したらしいし」
「クールマ君を殺したらそれこそもう1周するだけっすよ……それに祭の開催前じゃ今度は皆さんの記憶も引き継げないっす」
「て言うか傲慢王って……あいつまだ生きてるんすか？」
「うんにゃ、前に破壊神と戦ったやつとは別のが今は傲慢王になったらしいよ？１回会ったけど……まあ馬鹿だったよ」
「馬鹿だったね」
「……ド低脳」
「流石にわざと攻撃を受けて負けるのは傲慢通り越して愚かとしか……」
「皆さん結構傲慢王に怨みあるんすね！？」
居ねえ所で酷い言われようだな改めて考えると。
「……今回の会議も得るものは無いか、仕方ない……また保留にしよう」
「……引き続き私は鳥さん達に話聞くね、何か……出来るかもしれないから」
「儂はまた街にでも行きましょうかね……マスクを外していれば記憶が残っている連中にもバレませぬし」
「じゃあそれとなくハヌさんの様子も見といて、あとくれぐれも気を付けなさい、特に飲み物には」
「問題ありませんよ、今はポリプシオン殿も居ります故」
〔ま、いざとなったら儂の拳骨が火を吹いたるわ、任せとき〕
「私は……散歩でもして来るかな、クリシュナさんもおいでよ」
「え……僕もっすか？」
「君狙われてんだから船にいる時に襲われたら大変なんだよ、いくら敵が雑魚でもこの船は単なる木材の塊だもん」
船底に穴でも空いたら終わりじゃ。
「まあそりゃそうっすけど……」
「グラトニカの身体でデートかね？やるねハリガネさん」
「凄い複雑な構図になるからやめろ馬鹿野郎」
「流石に魔王の物を奪う度胸は無いっす……」
『側室ごときが1人や2人増えようが構わぬが……我の身ではやるな……困る』
懐広いな君。
『貴様の真の姿を知った上で惚れた者が現れるならば……最早仕方ないだろう』
まあ……ハリガネムシを好きになるような奇特な趣味の人は君ぐらいだろうけどね……
『……危機感は持て、そういうところだぞ』
……え、何で怒ってんの？
『……もう良い、寝る』
えぇ…
「……ハリガネさん、鈍感」
「私かい今の……言葉足りなく無い……？」
「……ハリガネさん、自分が言う程モテないわけじゃないから…口が上手いし、普段抜けてるのに時々かっこいいから」
お嬢ちゃん……ハリガネさんをそんな風に……娘に慕われてるの嬉しいもんだね。
「サイコっすけどね」
「ぶっちぎりでイカれてるとは思うけどね」
「よしお前等表に出ろ、ちょっと前のグラさん形態の実力を試してやる」
特別に見せてやるぞ、本気の速さを。
肩パッド今度ゲーミングPC買う、有識者の意見待ってる。
今んとこドスパラかなーってレベル、PCミリ知ってるくらい。
Q.キャラクターのアクセサリーってどうなってる？
A.レプンカムイ、ほぼ若い頃のジェイソン・モモアだから指輪とか色々。
ハヌさん、踊り子だけど戦うの前提だからあんま着けない。
クリシュナ、引きこもりだからあんま着けない。
ブレ子、耳飾りくらい。
ミリア、母親に昔貰った黒曜石の矢尻をネックレスにしてるけど着けないで大事にしまってる。
グラさん、持ってるけど本人は無頓着、ハリガネさんが好きって言えば着けるくらい。
ハリガネさん、まず私がアクセサリーみたいなサイズなんだけども！？
