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家族になるのに理由はいらない

 あの決戦から一夜明けて……鮮度が命ってほどじゃないだろうけどナマモノだからさっさと加工しちまおうってことで。



「なっっ!!?こりゃあ…驚いた、あんた等いったい何を倒したってんだ…?」


 鍛冶屋を引っ張ってきてみた、なんせあのタコのサイズじゃそのまま持っていくのは不可能だし、どこが武器に適してるとかさっぱりわからん、タコ足ウィップとか?


「特異点じゃないけどね、ていうか厳密には特異点は倒しても素材が取れないんだ、だから……下手な特異点よりか強い長老個体をやっつけたってわけ」


 倒したの私じゃないけどね!


「おお……へ、こんな上等な物渡されちまったら鍛冶屋の血が騒ぐってもんだぜ……いやだがこれ……タコか」


「これで納得してもらえて助かったよ、正直無理言ってる自覚はあるんだ……あれだったら素材引き渡すかわりに上等な武器をくれれば」


 何事にも向き不向きはあるようにタコは確実に武器に向かないもん……いやそれ以前にタコで無理やり作った武器とかシャルヴに持たせたとて戦えるか怪しいし。



「やーやー皆の衆、元気かね?」


 

 視界の隅からバタフライで迫ってきてるの見えてたんだけど無視してたわ、お帰りレプンカムイ。


「用事は済んだの?」


「まあね、後で話すよね」


 顔色悪……なんかあったなこれ。



「さて……お困りのようだね?」


「ああ、すまねえが俺の実力じゃこいつを武器にしちまうのは時間も知恵も……そもそも何なんだこいつぁ…」


「見たことは無いかね?近海や洞窟には沢山いたらしいがね?」


「いや見たことはあるが……そこの姉ちゃん(・・・・)も持ってきてたしよ?」


 グラさんって見る人によっちゃ女の子にも男の子にも見えるんだね、中性的なイケメンか、腹立つな。


『……………』


 ああうん、まだ許されてない(・・・・・・)ともさ。


 私の体が二度目に海に落とされた後はあっさり『共生』されてくたものの、全くもって会話をしてくれない。


 ただ怒りと焦りは伝わってくるしそろそろお話したいんだけどさ。


 しかし……さっきからとんでもなくレプンカムイに対して殺気ばら撒いてんだよなグラさん……仕方なかったとは思うんだけど……


「……さて、多分気付いてないだろうから来たんだがね、タコ(こいつ)みたく長年生き続けた魔物は腹の中にリソース……まあつまり力の塊を蓄えるようになるんだよね」


「いや厳密には死ぬ寸前に体内にあるリソースが結晶化(・・・)する、といった方が正しいかね」


 成る程、胆石とか尿路結石みたいなものか。


「そんでもってそれが……せい!っと……この【瑠魂晶(リソース・クリスタル)】ってわけだね」


「うぉ!?どうやって腹裂いたの今!そんな技あったなら教えてよ!」


 そんな簡単に切り裂けるならもっと楽だったんじゃねえか!!


「そこかね…?」


 えー、それで石とな…?おわ…タコの腹の中初めて見たけどグッロ……てか青いんだな血液。


 その奥に……何色これ?褐色のような…でも透明度高い…真ん中が紫っぽくもあるかな…見れば見るほど不思議だけど目が離せない……


「レプンカムイ、それヤバくない(・・・・・)かな?」


 ゾッとするほど綺麗なのに引き込まれるような誘惑……多分だけど呪われてるだろそれ。


「ああ、呪いだとも……死力を尽くして生き残り、最後の最期に自分の力全部溜め込んだ恨みの結晶体だからね……なので砕く(・・)


 ほほう、ストンピング一発で粉々とな。


「いや何してんのお前!?」


「持ち運べないからね、無駄に色んな物集めちゃうし……そもそもこれから武器を削り出すわけじゃないんだしこれでいいのだよね」


 ほほうなるほど……


「えーと……じゃあ袋かなんかで集めて持っていこうか……にしても結構な量だし往復はしないとね」


「お、おう……なんだかわからねえが素材になったってなら俺達の出番だ、工房にいる奴等も連れてくるから待ってろ!」


 



 さて……


「……レプンカムイ、何があった?」


「旧友がちょっと訃報でね……様子を見に」


「レヴィア…って人のこと?」


「うん……」


 ……そうかぁ。


「深くは聞かない、話したかったらいつでもおいで、神様がどんなに強くても……大切な人を失うのは一人で抱えていいものじゃないさ」


「君は……優しいね、ハリガネさん」


「惚れんなよ?これ以上フラグ立たせたらいよいよグラさんに殺されちゃうから、一回休みだから」


 そうじゃなくても日焼けした海男はヒロインになれないと思うけども。


「ところでダゴンが言ってた主との関係ってどうなん?」


「え、いやぁ…それは…」


「お?何だい甘酸っぱいあれかい?フォーリンラブでアイウォンチューかい?」


「僕神歴それなりに長いけどここまでぶん殴りたいくらい憎たらしいって見たことないね!?」


 はっはっは、怒るな怒るな。


「まあ話聞いてただけだけど、どうやら拗れてるようだし早めに解決しちゃった方がいいと思うけどね」


「君が言うのかね?君が(・・)…?」


 お?喧嘩なら買うぞ?その後ブレ子にせどりするけど。


「……はあ…まあね、一方的と言えばそうだが……僕も過去には色々あったのだね、海は深淵……例え神でも結託しなきゃいけない時もあったのだよね」


「で、その時に色々とラブな奴?」


「そうそう色々とラブな……って何を言わせるのかね」


「神様は半ば性別も存在してないし…色恋沙汰なんて当然のように拗れてそうなもんだもんなぁ」


「ああ……場所によっては一番偉い神なのに浮気し過ぎて奥さんに殺されかけたなんて話もあるからね」


 お?多分知ってるぞ?


「まあでも……あれからは随分長く僕だけでやってきたが……ダゴンも言う通り最近の世界はおかしいからね……戻ってこいって言われるのも仕方ないかね」




「ならまあ……良かったよ」


「……何がかね?」


「レプンカムイ、神様だからか知らないけど時々ちょっと寂しそうな顔してるでしょ?私達が騒いでる時とか」


「……あの船で一緒に過ごして、一緒に戦って、戦いはまあ…守られてばっかだけど、もうそこまで行ったら家族ってことでいいでしょ?って私は思うのさ」


「だったら今は一人じゃないんだからあいつ等のとこに行かなくて済むだろう?何か知らないけど……会いたくないなら無理に行くべきじゃないもん」


「ハリガネさん……」


「君は……罪な奴だね」


「嫌かい?」


「……嬉しいさ、先の戦いもそうだが……求められるだけが神だったから…」


「祈ったら救ってくれる優しい神に出会ったことが無いもので……」


「ねえ、レプンカムイ」


「……ん?」


「今夜は飲もうか(・・・・)


「お……そりゃあ…ちとまずくないかね?」


「暴れたら『砕け散れ、我が宿業』の錆にしてやるから安心しろ、まあ飲み過ぎない程度にだけどさ……祭り前の激励会みたいな?」


 神様の応援なら皆のやる気も上がるってもんだろうし。


「じゃあ……ちょっとだけね」


「ああこの国の酒は怖いから船に積んできたやつだけな?そんなに量は無いしちょうどいいさ」




 よし……じゃあその前に最後の準備をしちゃわないとね。


 そう、運搬作業だ。

Q.レプンカムイのユニークってあるの?


A.厳密には無いけどあるとも言える。


Q.『砕け散れ、我が宿業』のスピードってどんなもん?


A.今のところ最速なら音速を越えるくらい。


Q.カムイ達のアバターのイメージください。


A.

キムンカムイ=岩柱

カンナカムイ=金髪ロリ

ホロケウカムイ=髭のおじいちゃん

キラウシカムイ=金髪巨乳お姉様

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