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黒の王  作者: カキネ
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サイラス崩壊

 クライシス城陥落この報告はサイラス国中の貴族を震撼せしめた。

 それはサイラス王ディルも同様だった。


「馬鹿な、クライシス城が落ちただと・・・あそこには精兵がいたはず。それも短時間にありえん・・・」


 ディルが呟いたと同時に背後に気配を感じ、後ろを振り向く。

 そこには一人の白髪の鋭い目つきの男がいた。

 ディルは少し驚いたがすぐに安堵する。

 目の前の男は1年前に取り立てた、将の一人で王と同じ欲深い男なのだから。

 同じ価値観を持つその男を心服させるのは、王と同じ贅沢なのだ。

 だからこその安堵だった。だが目の前の男、カインはいつもとなにかが違った。

 そして同時に現在いる場所を思いつく、陥落の報を聞き、不満をもらすため王室に入って呟いたところだったのだから。なぜここにいるという疑問が一気に湧き出る。

 王は焦る、何十秒か見つめ合い、光る物が目に映る。その光る方向に目を向けると、カイルが持つ抜き身の剣が目に入る。

 ディルの顔は一気に青ざめる。


「カイル・・・き、貴様、王の前で剣を持つとは何事だ!」


 カイルは不敵に笑う、まるで楽しいおもちゃが目の前にあるかのように


「カイル!答えんか!」


 ディルの絶叫が部屋中に響き渡る。


「フフフフ、ハハハハハ」


 王が面白いことをってるようにカイルは笑う。

 なぜ、これほど大声を出してるのに衛兵は部屋にはいってこないのだとディルは思う。

 目の前の男は笑い声をやめ口を開ける。


「待ってましたこの時を、ずっと待っていました」


「この時だと?」


「はい、あなたを殺せるこの時を!」


 鋭い目つきがさらに鋭くなる。

 ディルは今にも逃げ出したくなるのをこらえ、時間稼ぎをしようと話す。


「カイル、何が欲しいんだ望みの物をやろう、さあ言ってみろ」


「望み?僕が欲しいものはすでにあなたに奪われたんですよ、あなたが政治を顧みないせいで、父は怪物に襲われ、母は盗賊の慰みものにされて殺された。宰相のクロノス様に拾って頂かなければ、僕も死んでいたでしょうね」


 そうカイルは言いながら笑う。


「馬鹿な!お前は確か・・・」


 そこで王ディルは気が付く、宰相の推薦で将に選ばれたことを。

 宰相の推薦とは思えないほど、欲深い男だったことでその事をいつのまにか忘れていた。宰相と一緒に捕らえるべき男を忘れていたのだ。

 王は周囲を確認する、逃げる場所がないか賢明に・・・。

 ディルのそんな思いも、カイルにより壊される。


「逃げ場所なんてないですよ、すでにこの王宮は僕の手によって落ちてるのですから。まともな訓練もされてない兵に止められるわけがない、フフフ」

 

 その言葉を聞き、ディルは剣を取ろうと柄に手をかけると同時に、光の線が走る。

 それと同時に激痛がディルを襲う。


「うぐぅうう」


 激痛の元を見ると、右手が切られなくなっていた。


「あああああああ」


 王はあまりのことに叫ぶ。


 カイルはそれをみて冷酷な笑みを浮かべる。


「大丈夫ですよ、今は殺しません。あなたは処刑台で僕が直々に首を落とすまでね。フフフ」


 そうして、王の意識はかなりの衝撃と同時に消える。



 クライシス城を落としたスレイン軍は、1日補給や休養で過ごす。そして、王城を目指し進む。

 王城を目指すまでに拠点はいくつかあったが、そのほとんどが降伏した。噂が疫病の様に広がり、スレインの恐怖が広がっていく。

 抵抗する拠点も少なからずあったが、そのどれもが部下により殺されるという結末に終わった。王の元で贅沢をしていた貴族はすぐに主を変えるという早変わりにはシークも驚いたほどだ。後々、貴族の粛清が行われるのだが、それはまた別の話である。降伏せず戦おうとした将はそんな貴族とは違い、最後まで足掻こうとした将であった。だが、噂が広がり部下には戦意がほとんどなかったのと、家族同時で殺し合いたくないという思いからであった。その将は、石碑を建てられることになる。最後まで国に忠誠を尽くした将として。

 スレイン軍の快進撃により、ほとんどの兵の犠牲なくして、王城にたどり着く。

 王城を包囲しようとしたとき、門が開けられ、2人の男がでてくるのが伺えた。

 スレイン軍は警戒をし、その2人を眺める。

 2人はスレイン軍の目前まで歩を進め、跪く。


「あれは・・・宰相のクロノス様・・・」


 シークの言葉に一同シークを振り向く。


「スレインさん、どうやら事はすでに終わったようですね。」


「宰相は牢にいたはず、開放されたのか?」


「ええ、そしてすでに王城は落ちた様です」


 宰相クロノスは跪いた状態で述べる。


「スレイン軍に降伏します。王城を明け渡します。どうか民にはご慈悲を」


 少し呆然とするスレインだったが。


「わかった、民にはなにもしないことを誓おう」


 それを聞き、宰相クロノスは安堵する。


 こうして、サイラス王城は陥落することになる。

 利権を取られたくない、王派閥が抵抗を繰り広げたが。

 それも黒の砦、宰相子飼いのカイン軍によって1ヶ月の月日で制圧される。

 サイラスは完全にスレインの元に落ちることになる。

展開早いですね。もっとじっくり書けばいいんですが、脳内妄想なので書いてるといつのまにか忘れてて文章が少なくなってます。申し訳ありません

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