やんでれ、むかしばなし『ももたろう』
昔話をやってみる。
題材はももたろう風。
『元気なら顔を見せて下さい ――母より――』
オニギリ2つと味噌汁とお茶の入った水筒をお盆に乗って部屋の入り口近くに置いてあった。
オニギリにはラップがされておりその上にメモ書きが貼り付いていた。
――飯だけ運んでいれば良いものを――
部屋の中ではヤンデレは女帝だった。
漫画もテレビもネット環境も整っていて部屋からでたら死んでしまうと思えるほどでした。
お腹が空いたら床を蹴るだけでご飯はやってくる。
お風呂とトイレは家人が外出又は寝静まったら行くように努力していました。
「ワタシはこの世界の中では勝ち組なのよ!」
ヤンデレは毎日楽しくてしかたなかったのでした。
でも、そんな愉快な生活が永く続いて欲しいと願うのも忘れたある日悲劇が起きたのです。
「私はデレデレです。お母さんネットを解約してください!」
突然平和の世界に鬼がやってきたのです!
ヤンデレは勿論怒りました。
壁を叩いたり。
床を蹴飛ばしたり。
大切な熊のぬいぐるみを………抱き締めました。
「くまぁ…投げれ無いよ。」
くまぁはヤンデレの親友…いや戦友でした。
「ババア!ネット返せよ!」
「ヤンデレちゃんお願いだから部屋から…」
「お母さん私に任せて下さい。」
デレデレはお母さんに優しく伝えました。
「……でも、ヤンデレちゃんが…」
「お母さん。私に任せてる間はやり方に疑問は持たないで下さい…後、彼女には謝らないで気丈な態度で接して下さい。」
母親はお願いしますとデレデレの手に両手を重ねてたのんだのでした。
「外でゴチャゴチャうるせぇ!……お前誰だよ!」
「丁度良かったわヤンデレちゃん♪」
ヤンデレはドアを慌てて閉めようとしましたが上手くいきません。
下を見るとデレデレの足がドアを閉めるのを遮っていたのでした。
ヤンデレは思い切り閉めたのに目の前の女は痛がるどころか平然としていました。
「……化け物?」
「ビックリした?安全靴下だから15kgの鉄板が落ちても大丈夫なの♪すごい?」
「何でもいいから出てけよ!」
「いやよ!出てこないなら入っちゃうの♪」
デレデレは強引に中に入りました。
「この情況はお前の指金か?」
「私のことはデレデレちゃん。もしくはハニーって呼んで欲しいの♪」
「お前何に……って!何てことしてるんだよ!」
ヤンデレが怯んだ隙にベッドに縛り付けてしまいました。
「ヤンデレちゃん。大人しくしてくれないと…。」
「何に…するんだ?」
「一生お世話するわよ!」
「………鬼!」
その日からヤンデレはベッドに固定された生活をしてました。
「離せよ!」
「離してよ!」
「お願いだから…自由にして。」
幾日かベッドでの生活で、食事も下の世話までデレデレにされてヤンデレの心はポッキリ折れてしまいました。
「デレデレちゃんの鬼。」
「その鬼がヤンデレちゃんを幸せにしていくのですよ。ずっーとね♪」
「ねえ!せめて手錠を……」
「ヤンデレちゃん解ってるんでしょ?」
ヤンデレの手錠をを軽く引っ張ると簡単に手錠は外れてしまったのでした。
「随分と人が悪いんだね。」
「ヤンデレちゃんは何で逃げなかったの?」
「それは………。」
ヤンデレはデレデレにキスで答えたのでした。
こうして、ヤンデレの小さな国は鬼に支配されてしまいました。
でも、ヤンデレはそれが嫌ではありませんでした。
だって。
大好きなデレデレちゃんと幸せに暮らせるからです。
お母さんは扶養家族がただ増えただけでした。
めでたしめでたし。
無茶しました。
題材を変更して再度やりたいですね。
だって全く桃太郎してない。
実験結果は失敗です。
すいません。
次回もよろしくお願いします。