ちょうしょく。
朝から雪なんて…リアルは不便ですね。
グルメ系の書き方を真似てみたのですが。
飯テロにはなりませんか?
1日の始まりは朝食で決まると、何処かの養護教諭は言っていたが全くもってその通りだと身に沁みて解った。
昨日からお泊まりに来ているデレデレちゃんにキッチンへの侵入禁止命令が先程出された状態でヤンデレは暇で仕方なかった。
「デレデレちゃん。何か手伝う……。」
「ヤンデレちゃんに頼むならそこらの猫さんに頼んだ方がマシです!」
―――ワタシが何をしたというんだ?たかが火の点いた鍋をひっくり返してその先にあった皿を粉砕した程度じゃん!―――
充分である。
それで怪我どころか火傷すらしていないヤンデレは何かの加護でも受けているのだろうか?
仕舞いには流石のデレデレちゃんも享受出来ないとキッチンへの侵入禁止を発令したのだ。
「なら、朝のトレーニングに……。」
「ダメです!もう少しで出来ますから良い子にしていて下さい!」
暫くヤンデレはキッチンの入り口でデレデレの鼻唄と食事が出来る様子を楽しんでいた。
――あんパンと牛乳以外の朝食は久しぶりだ!ワクワクしてきたー!―――
をい!
もう一度いう。朝食は大事だ!
あんパンと牛乳ばかりの偏った食生活ばかりしていたからヤンデレの身体は小学生の頃の体型を維持しているのだ!
「うるさい!ワタシだって少しは成長………。」
「ご飯出来たよ~♪ヤンデレちゃん誰と話してたの?」
「………いや、何でもない。」
ヤンデレはペッタン♪
「ガルルルルル!」
「ヤンデレちゃんどうしたの?」
先程の残骸も無く、食卓には料理が配膳されていた。
プレートには目玉焼きとソーセージにハッシュドポテト。味噌汁にお新香。ご飯とオーソドックスな朝食だが女子力の高さを知るには充分だった。
ヤンデレは破壊された先程の惨状が無かった事になってる上に来る前より綺麗になっていて魔法を見るようにデレデレを見つめた。
「どうしたの?早く食べないと冷めちゃうから席に着いて。」
「………お、おう。」
ヤンデレが席に着くと同時に味噌汁を注いで出した。
ヤンデレのお世話をしている幸せを噛み締めるデレデレは通常の3倍増しの笑顔だった。
「目玉焼き。」
「デレデレちゃんどうしたの?」
「目玉焼きは何派です?」
「サニーサイドとかの焼き方?」
「いえ。それはヤンデレちゃんは半熟派って知ってましたから良いのですが…調味料が解らなくて。」
そう言うとバスケットに大量の調味料が入っていてこれでもか!って感じだ。
「…大抵は醤油だと思うんだけど?他にあるの?」
「ええ。人の好みは千差万別。白身には醤油で黄身には塩とか、ケチャップなんて方もいらっしゃいますから。」
「そうなの?ところでデレデレちゃんはそんなに持ってきて何にするの?」
「私はこれと、これと、これです。」
取り出したのはソース、マヨネーズに粉チーズだった。
――嘘だろ!マジかよ!――
「ヤンデレちゃんはどうします?お醤油も各種ありますが?」
見ると、だし醤油・酢醤油・濃口、薄口醤油に減塩醤油。変わり種でカレー醤油にたまご醤油なんてのもあった。
「オーソドックスのでお願いします。」
「はい。」
薄口醤油を受けとるとヤンデレは黄身に少しキズを入れて醤油を少量たらしてソーセージを黄身にちょんちょん付けながらパクりと食べた。
「ん~♪」
――ソーセージ自体も美味しいのだけど卵の黄身を付ける事で楽しさが倍増する感じ♪――
食事のマナーとかはあまり気にしないヤンデレだが目玉焼きの食べ方は黄身を他の食材に付けながら食べるのが好きでこれが完成形だと信じてきた。そして、大半の人はこう食べると思っていた…目の前の人を見るまでは。
「ふんふんふんーん♪」
デレデレはプレートの中身を全て茶碗に移していた。
「ヤンデレちゃんみてみて♪じゃーん!」
「えええええ!」
「こっからが凄いよ!それー!」
盛付けた上からソース・マヨネーズ・粉チーズを掛けていた。
――台無しだよ!何もかも台無しだよー!―――
「混ぜまぜマゼMAZE!♪」
グッチャグッチャと音をたてて茶碗の中で渾然一体に成っていくのをヤンデレは黙って見てるしか無かった。
「そして~ばーん!」
取り出したのはスプーン。
デレデレは茶碗の物体をスプーンで掬うとあむっと口の中に入れる。
「ん~♪しゃあーわせ♪」
目を細めて本当に…信じられないが本当に幸せそうに食べていたのだ!
「ん?ヤンデレちゃんもたべりゅ?」
「…い、いやその…。」
「遠慮しないで♪はい、あーん♪♪」
「…………あーん。」
もしゃもしゃ。
「どう?」
「ん!」
「ん♪」
薄口醤油も濃口醤油も色が違うだけで塩分は変わらないぞ!
デレデレの食べ方はコレステロール高そうだな…。
しかし、食事ってキャラの個性が出せる場所だと再確認しました。
食事の検証は出来ました。
お付き合いありがとうございます。
次回もよろしくお願いします。