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体育の授業終了。

 褐色エルフがゴールを決めた。

 それは相手へ点が行く。

 間違いない自殺点だった。


「ちゃんとゴール出来ました」

「……うんそうだね。でも……アッチの方に入れてくれたらもっと良かったかな」


 彼女が決めたゴールと反対を指差しながら私は言った。


「もしかして……間違えてましたか?……ワタシ」

「全然大丈夫だよ」

「次は間違えませんから!」


 褐色エルフは細い腕を出してガッツポーズをすると次は私の補助に回るから自由に動いていてと付け足した。

 ……何をするのだろう?



 試合再開の笛が鳴る。

 会長と風紀委員長の周りには二人づつガードが付いている。

 そして体育委員長の近くではクラス委員長がガードに付いているが体格の差があり過ぎて役に立っているとは思えない。

 まあ、体育委員長に比べたら殆どの女生徒は小柄に見える。


 褐色エルフはバスケットボールをフワァっとした感じで両手で放りあげた。

 多分観ている人も含めてパスとも言い難いボールは手前数十センチで落ちると思っていた。私もそうだ。

 しかしボールはユラユラと空中を漂いスポンと私の手の中に収まる。

 まるで手の中に有るのが当たり前の様に掌に引っ付いたのだ。


「きゃっ」


 バスケットボールは私を引っ張る様に動き、併せて背中を風が押す感じがした。

 足がもつれて転びそうになるが空気の壁が私を支えて転倒を防いでる。


「……よく分からないけど」


 ゴール目掛けて走り出す。

 ……一歩……二歩………三歩。

 しかし目の前には後方に居るはずの体育委員長が立ち塞ぐ。


「補佐ちゃん悪いけど通してあげれない」

「…………点を入れる!風紀委員長……約束したから」

「なら余計に通したくないね!」


 ボールがピクリと動いた気がする。


「………ゴメンなさい……先……ハア……急いでます……から」


 ボールは意思を持ったかのように左右に動き手はそれに付随する感じで出る。

 傍から見たら体育委員長と一騎打ちを無謀にも行う様に見えるだろう。

 勝手に身体が動くにしても本人の体力にも関係するのか息が上がる。

 体育委員長の右手がボールに伸びるが、私の後頭部に謎の重さが加わり姿勢が体育委員長の腰の当たりまで低くなる。


「……何!」


 気づけば体育委員長を振り切って前に出ていた。

 一瞬だがボールは私の後ろへ流れたと思ったが、ボールは踵で弾かれ弧を描いて私の手の中に帰ってくる。


『見て見てあの娘!お姉さまを抜いたわ!』

『あの娘って何者?』

『生徒会長補佐の娘じゃなかったかしら』


 周りの歓声が聴こえる。

 ボールの弾む音。

 息が上がる。


 〈パンツ穿いてないから、目立つのは困るなぁ……〉


 あと少し、手を伸ばせばゴールへ届きそうだった。


「……補佐ちゃん、……ハア……まだ終わらせないよ!」


 元々私は運動神経は良くは無い。

 心臓がパンクしそうだし、息も苦しい……呼吸ってどうするんだっけ?



 目眩がする。

 それでも私は床を蹴り飛んだ。

 体育委員長が足下で頭から滑るのが刹那的に見えた。


 近くにゴール捉えた。

 レイアップみたいな姿勢でボールを籠に入れた。

 そのまま自然落下。

 誰かを下敷きにした気がした。

 だけど私の視野が狭まり視界が暗転(ブラックアウト)した。


体育の授業をやっと終わらせました。

まだやりたい事がありますから続けます。


遅筆でゴメンm(_ _)m


ではまた。

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