風紀委員長。
「ちょっとよろしくて?」
生徒会長の提案した親睦試合は大成功だった。
主な試合運びは風紀委員長が生徒会長をアシストしてキメる流れが出来ていた。
そして私達下級生はどうかと云うと走り回る代表、誰かに見られる恥ずかしさに周りを気にしてあまり動けない私………そして何か目的が有るのか最初から棒立ちしたまま動かない褐色エルフだった。
そんなのだから風紀委員長に呼ばれて私だけ体育館裏手に来ている。
「アナタさっきまでの試合は何なの?それに制服のままで体育の授業に出るなんてふざけてるのかしら」
「………いえ!違うんです」
「体操服を忘れたなら誰かから借りるとか見学するとか方法はあったはずでしょ!なんでしないの?」
「………それは」
言えるはず無い。
言えるならこんな姿、死んでも嫌!
「ふぅーっ。アナタの趣味をとやかく言わないですが、生徒会長補佐という職務をかろんじているなら生徒会長に迷惑になる前に悪い事言わないから早々に辞退なさい!」
「………風紀委員長は生徒会長のこと好きんですね」
失言。
みるみる風紀委員長の顔が紅くなっていく。
「バッ……バッカじゃないの!生徒会長とは……クラスメイトで……その……つまり……中等部の頃から私がサポートをして来ましたし……それに……生徒会長には昔からの想い人が……」
「……想い人?」
「ンン!……話がズレましたわ。次の試合でアナタ1点決めなさい!もし出来なければ補佐役を引退しなさい………よろしくて?」
「………なんでそこまで言うんですか?」
「アナタの様な破廉恥な方が生徒会長の側に一秒足りとも一緒にいるのが私耐えられませんの!」
破廉恥ってまさか……スカートを見るが安全ピンはキチンと止まっている。
「………アナタドコを見ていますの!それとも本気で私に喧嘩を売ってらっしゃるのかしら?」
風紀委員長の視線は私の下半身では無くもっと上の方…………。
「きゃっ!」
慌てて両腕で胸を隠すが汗でシットリ濡れたシャツは素肌に貼り付き胸の形を浮かび上がっていた。
ただ重要な部分は透けて見えるわけでなかったのが救いだった。
「今更隠しても遅いですわ!………アナタ女性としての慎みはありませんの?」
下着を着用していない事実は変えようが無い。
私にはただ黙るしか無かった。
「唯のノーブラ位で何目くじら立ててるだぁ風紀委員長ぉ!」
突如現れた声に私は驚きとただ救われたと思えた。
「アノですね!体育委員長。全ての女性をアナタの基準で物を考えないで下さいませんこと?」
「ん?風紀委員長まぁだこの前の身体測定の時にオレに胸囲負けたの気にしてんのか?わはは!」
「………潰す!絶対に次の試合に体育委員長!アナタを潰しますわ!覚悟なさい!」
そういい残して風紀委員長は体育館へ戻っていった。
「……ありがとうございます」
「ん?オレ何かお礼される事したか?」
言われてみれば体育委員長は風紀委員長をからかっていただけで私を見ていたわけでも無いんだよね。
「さっき小耳に挟んだけど、君が噂の補佐ちゃんかぁヨロシクゥ」
「よろ……しくです」
「次の試合はオレらと当たるから、オレが勝ったら放課後運動棟の委員会室に来な」
えっと数十日で11月なんですよね?