脅迫
生徒会長補佐の仕事に着いて三日経つが犯人は捕まらず一向に私が解放される事は無かった。
むしろこのまま犯人と生徒会長の共謀で私自身が絡めとられていく未来が手に取るように描けた。
そして犯人からの『お願い』と称した脅迫は生徒会長に手紙やメールなどで要求されている。
………私はただ生徒会長からの連絡に黙って従った。
「………もう嫌だ」
私以外の生徒が今の私の姿を見て嘲笑っている様に思える。
数日前までは私もあの輪の中にいたのに今は遠くに見える。
「おはよう」
隣席の褐色エルフが声を掛けてくれる、ちょっと前までは純粋に嬉しくてドキドキしているハズ。
でも今日の犯人からの要求は……。
『放課後までキミの下着を生徒会長が預かり休み時間は生徒会長室で過ごす事……だっそうだ』
『なんで………なんで私ばかり酷い目に合わないといけないんですか?』
『……そんな我侭を言わないでくれ、私だって辛いんだ』
脅迫状が届いてから生徒会長は朝の挨拶程度の感覚で私と唇を重ねるのが当然の様にしてくる。
両方の耳を塞がれて上顎を舌で撫でられると、辛い指示も最近ではどうでも良くなるほど脳が痺れて正常な判断が出来なくなる。
『駄々をこねても結局は指示に従うしか無いのだから』
『………それでも』
私は奥歯を噛み苦渋を呑む決断をした。
せめてもの抵抗と着衣のままでブラは外した。
だが下は流石に同性の前とはいえ抵抗はある。
スカートの裾を後ろ手にギュッと握ると口元に力が篭る。
『どうした?難しいなら手伝うか?』
『………結構です……じ、自分で出来ます……から』
そうは言っても、視界は潤み近くでもよく見えない。
耳のすぐ側で心音が聞こえる。
スカートの両端から手を入れると薄い布地に辿り着く。
たかが布切れ一枚と思ったがこれからソレを外す行為を考えるだけで動作は緩慢になる。
『………よし』
諦めと開き直りで自分では勢いを付けて下げたつもりでした。
指先は震えなん度も失敗する。
その度に心音は激しくなり膝がガクガク震える。
悔しかった。
泣いて許しを乞いたかった。
目の前の生徒会長がただ見ているだけなのが許せなかった。
_____貴女のせいでなんで私が酷い目に遭わないといけないの?
やっとの思いで脱いだ下着を小さく丸めて胸元を使って両手で隠す。
そんなささやかな抵抗すら生徒会長はただ右手を私に差し出すだけで打ち崩す。
いくら今朝替えたばかりのモノだとしても秘密を知られるのは例え母親でも嫌だ。
『そろそろHRが始まる時間だ。遅刻したら大変だからね』
『渡せばいいんでしょ?……だったら……あんまり見ないで……お願い』
生徒会長は下着を受け取ると一枚一枚広げてファスナー付きの透明のビニール袋に入れて口を綴じると学生カバンの中に無造作に放り込んだ。
アレでは他の人にも見られてもおかしかく無い。
『いやぁぁぁぁぁ!会長!……お願いします!せめて巾着に入れて下さい』
『安心したまえ。もし誰かに見られても《私のだ》と言えば問題無い……それにキミはもうワタシのだからな!安心したら授業に出るがいい』
『………会長ぉ』
これがたった数十分前に起きた事だとは言えない。
隣席のエルフにもクラスの皆にも知られるワケにはいかない。
何とか今日一日やり過ごさなきゃ。
「ねぇ次の体育バスケだって」
「………ん、なぁに?」
「顔紅いけど調子悪い?」
「だ、大丈夫だよ!元気元気♪」
「なら良いけど、授業始まるから急いで!今日は合同らしいからさぁ」
このまま下着無しで授業を受けるより体操着で一日過ごす方が安全。
私は安堵した。
「置いてくよ?」
「あっ待ってよ」
体操着の入った袋を抱えて私はエルフの後を追いかけた。
少々アウトっぽいけどまだ大丈夫だと思う。
消されたらダメだったって事ですね。
ではまた。




