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委員長の野望。

『お礼に委員長の言うことなんでも聞いてあげる』


 幼馴染の親友が私に掛けた盟約。

 貴女は何気無い一言だったと思うに違いないけどね。


「それで済まない事もあるのよ。ふふ」


 自分の頬を触れると口角が上がっているのが解る。私は笑っている。

 嬉しくて。嬉しくて。嬉しくて。

 これから起こりうる総ての事柄が楽しみで仕方がない。


 正門で声を掛けようとした私の目の前で貴女は知らない歳上の女性と何処かへ行ってしまった。

 それは楽しげに、まるで恋人だと見せびらかすように。

 貴女の母親からの電話を誤魔化した私の知らない場所で………嘘をついてまで関係を深めたかったの?


「………お仕置き物よね」


『学生さん』と呼ばれてニヤケて………(ノーマル)に走るなら私の気持ちは封印するつもりだった。

 でも相手が同性だと判った時点で心の蓋は開いてしまった。


「私は悪くない………悪くないのよ!」


 ただ疲れただけ。

 幼馴染の私。

 委員長の私。

 クラスメイトの私。

 親友の私。

 もう演じ無くても良いんだと思ったら肩の荷が降りた。

 元々彼女の幼馴染でいること事態荷が勝ちすぎていたのだ。


 私は携帯の待ち受けにしている彼女とのツーショット写真を見た。

 私に寄り添う様にしながら笑顔で片手でVサインを作る彼女を 正しい道へ連れていかなければと誓った。







 翌朝教室で机で突っ伏してる彼女を目にした時何か有ったのだと理解した。


「ねぇ、どうしたの?元気無いじゃない」

「………委員長あのね。大好きな友達とケンカしちゃったの」


 ケンカってあの年増とケンカしたんだ。

 好都合過ぎてニヤケてしまう。


「そっか……大変だったね。でも少し冷却期間を置いた方がお互いに良いこともあるわよ」

「………そう……かな」

「そうだわ!それならこの前の約束守ってもらおうかな」


 少し大袈裟だったかな。


「やくそく?」

「私の言うこと何でも聞いてくれるんだよね~たのしみだなぁ~何お願いしようかなぁ」

「えぇ~私今月小遣いピンチなの~高いものは嫌よ~」


 私にしがみついてお願いしてくる。本当にもぅ可愛いんだから。


「大丈夫よ貴女の無計画は今始まったばかりじゃないしね」

「委員長のいじめっこぉ」


 さて、本題。

 これに失敗したら彼女は私の物にならないわ。

 このまま知らない年増に易々渡せるほどこの娘との関係は軽くないし遊びじゃない!



「今度の金曜日空けときなさいね」

「金曜日は平日じゃぁ?」

「わすれたの?期末試験明日から木曜日までよ。金曜日から三連休じゃない」

「えぇ~そんなぁ期末試験どうしょぅ!」

「試験勉強私の家でやったんだから大丈夫よね。ふふふ」

「委員長ぉ」

「赤点なんて赦さないわよ!じゃねぇ」


 この三連休で彼女の私への認識を変えてみせる。


 そしてこの日の夜から彼女は私の家で泊まり掛けで試験勉強をしていった。

 寝落ちする彼女に悪戯をするのも考えたが、試験が終わるまでお預けにしよう。


 ただ年増と関係を持った事には少し腹が立ったので水性マジックで額に『肉』と書いた。


「どこまで安心して寝てんのよ」


 長いまつげ。

 ふっくらとして可愛らしい唇。

 我慢しなくちゃ。

 少し視線を外すと彼女の細くて長い指が見える。

 この手を少し貸して欲しい。

 私は彼女の部分(パーツ)で一番に好きな場所だ。


 私がこんなにも好きなんだからいいよね。


 彼女の頬っぺたにキスをしようとする。


「…………委員長ちゃんどうしたの?」

「寝るなら私のベッドで寝なさいよ!」


 バレてしまったのではと焦った。

 胸がドキドキ高鳴る。


 ベッドに入る彼女を見ていた。


「私も寝ますかぁ」


 彼女の眠る布団の中に入って電気のリモコンで灯りをマメ電球にする。

 真っ暗にすると彼女が恐がるからだ。


 布団の中に中は少し温かくて彼女の匂いでいっぱいだった。


「これって生殺しよね」

ちょっと短めですが、番外編的な感じです。


委員長の願いを叶えて上げたいのですが、どうなるでしょうね。


では。

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