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お姉さんと学生さん2 嵐の来訪者

 あの日の出会いから私の生活は一変した。

 学校帰りに一駅歩いてお姉さんの家に寄る。


『プランターの下にポストの鍵があるから中にある鍵で玄関を開けて』


 最初は戸惑ったけど、最近はお姉さんがズボラだから直ぐに部屋散らしちゃうので私が片付けなきゃって変な使命感が沸いてくる。


「今日はこのくらいかな」


 ビール缶を袋に纏めて、雑誌を纏めるだけで大分部屋らしくなった。

 玄関の扉が開く音がする。

 ここの家主の『お姉さん』の早めの帰宅だココロ躍らないわけがない。

 パタパタとスリッパを鳴らしてお出迎えをする。


「おかえりなさ………」

「チョット居るなら鍵くらい開けときなさいよ!」


 目の前には玄関先でブーツを脱ぐのに格闘しているお姉さんと差して変わらない年頃の髪の長い女性がいる。


 お互いに眼を合わせて『誰?』が素直な感想だろう。

 しかし状況判断は相手の方が数段速かった。


 フフンっと笑うと、女性はズカズカと部屋に入るとキッチンに向かう。


「コーヒーと紅茶どっちにする?」


 一瞬何を聞かれたか解らなかった私は言葉を詰まらせた。


「コーヒーでいいよね」


 まるで自宅の様にキッチンを使って豆から挽いてコーヒーを淹れる。普段飲むインスタントより濃い薫りが脳を刺激する。


「コーヒーってね薫りを嗅ぐだけでもストレスを軽減させる効果があるのよ」


 キッチンテーブルに乗る二つのコーヒーカップの意味は私にも解る。

 シュガーポットに手を伸ばそうとする私の手を女性はブロックした。


「騙されたと思ってストレートでいってみて」


 苦いのは嫌い。

 カップを持ったまま眺めてじっとする。


「警戒しなくても大丈夫よ!薬なんて入ってないから」


 何だか子供扱いされてる気がして煽る様にコーヒーを流し込む。


「ところであの娘とはドコまで進んだのかしら………キスは済ませたのかな?」


 盛大に噎せて咳き込んだ。


「………な、な」

「そう奥手なあの娘がねぇ……どうだった?………って聞くのも野暮よね」

「……知りません!コーヒーは美味しかったですけど………ところで貴女は誰なんでしょうか?」

「ん?聞いてなかったわたしは此所の家主………名義人なのよね」

「ウソ…………だってお姉さんが私に嘘をつくはずないもの!」

「そこまで言うならあの娘の何を知ってるのかしら……学生さん♪」


 反論しようにもたった数日と電車内で見ていただけで何も知らない。

 ただこの人の眼を真っ直ぐ見てるだけで身動きが取れなくなる。

 だから自然と視線を反らした。


「本当に何も知らないのね」


 私の(おとがい)を指に乗せるとそうするのが当たり前の様に唇を割って舌がヌルリと入り込むお姉さんと違うただ欲望を満たす為だけの行為。

 気持ちでは拒否をしてるのにお姉さんに教えられた身体が快楽を拒む事が出来ない。


 せめて自由に動かせる舌だけでも責めから逃れようとするが絡め取られて唾液を吸い取られていく。


「んふっ…………やめ……て」

「はっ………貴女達………気持ちイイ………場所も同じなのね」

「…………うそ………よ、感じて……な………い」


 キスだけで立つことすら出来ない。

 脚がガクガクする。

 したく無いけど両腕を彼女の背中に回さないと大きな快楽の本流に呑まれて正気を保てなくなる……恐くてしがみつくしか出来ない。


「やぁ……あん……やめ……て」

「素直に受け入れなさい」


 スナオニウケイレレバ………


 負けそうな気持ちになる。


「その娘から離れて下さい!!私から彼女を奪わないで………先輩!!」


 いつ帰って来たのだろうお姉さんによって引き離されて抱き締められていた。


「……………お姉さん……私………私…………」

「私が早く帰らなかったから………ごめんねぇ学生さん」


 私は仕切り直す様にお姉さんの唇に自分のを重ねた。


「貴女、学生さんに本気なんだね?今までそんな姿見たこと無かったよ」

「………先輩と学生さんがしてるのを見て胸の奥が痛かったんです!彼女とユックリ育んだのを奪われそうで恐かったんです!」


 私もお姉さんが大好きだ。

 汚されてしまった私をお姉さんは強く抱いてくれた。


「確かに学生さん………いい娘よね。貴女が気に入るのも解るわ。でもね……私も気に入っちゃったのよね学生さんのこと♪」


 お姉さんの肩が震えていた。

 私のせいで全面対決成るとしたら申し訳ない気持ちになる。


「いくら先輩でも学生さんは渡せません!!………それに………それに」

「あの事をまだ引っ掛かってるなら諦めなさい!今日は学生さんの味見だけで帰ってあげる………じゃあね♪」


 遠くでドアが閉まる音がした。



「ねぇ………ごめんね。私抑えられない!!」

「お姉さん…………」


 今日のお姉さんは荒々しく私を求めてきた。

 私の身体は痛みで悲鳴を上げるけど嫌じゃなかった。寧ろお姉さんで狂いたかった。


「お姉さん………待って……下さい。家に……電話させ……てぇ」


 朦朧とした状態で家に電話をかける。

 コールは三回で取られた。

 相手はお母さんだ。

「あの……あのね………お母さん…はぁん。」

『どうしたの?』

「らい……しゅうぅぅから期末……で……しょ?だからうふん……お、お勉強をね……イッ委員長のお家でするの」

『そういうのは早く言ってよね』

「………ごめんなさい………お母さん……これからみんなでイクから………ごめんねぇイクからぁ」


 慌てて電話を切った。


「いじわる!いじわるぅ~気づいたかも……」

「ピクピクして可愛かったわ………今夜は頑張りましょうね………お勉強♪」


 互いをただ貪欲に求め何度も私は気を失い。快楽で眼を覚ました。


「………お姉さん………あの人とどんな関係なんですか?」

「彼女は私の通う大学のサークルの先輩で女子演劇サークルの団長なの」


 この団長に見初められたせいで安納とした私の生活の歯車が狂い始めた。





少し続きますが、NTR要素ありの百合三角を楽しんで貰えたら嬉しいです。



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