心変わり
最近ワタシの生活に変化があった。
クラスメイトの一人の一言で誰もが腫れ物を触るように扱うようになった。
だから、だから………。
「こんな人気の無い場所に呼び出して私に何の用なの?」
「そんなに構えないで欲しいな。…………ただ聞きたいの貴女の本心」
「ほ……本心って?」
「…………好きなの?あの娘のこと………?あんな一言で変わっちゃうなんて…………」
「悪いけどこれ以上貴女に手を出すとこっちもアブナイんだよ!………これ以上の関係は無理なんだよ!今だって誰かに視られたら」
彼女は何かに怯えるように何度も後ろを気にしている。
「ワタシね………今でも夢に見るの。あの日の事………ワタシ達やり直せないかな?」
「あんな日々が良かったって!貴女どうかしてるよ!」
「そうしたのは貴女よ?ワタシは感謝してるの………本当の自分に気付いたから」
ワタシが微笑むと彼女の口はひきつり目は恐怖を訴えていた。
「ワタシね貴女が望むなら何でもするわ………だからあの娘は止めて………お願いします」
「な、何でもするなら………私に関わらないでよ!お願い。お願いします。だからもう許して………お願い」
あの娘が彼女をこんなにしたのね………許せない許せない許さない許さない許さない………。
何で、何で、何で、何で、何で………ワタシじゃ駄目なの?何でワタシ以外を選ぶの?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?
「………どうして………ワタシじゃ駄目なの?ねぇ!ねぇ!ねぇ!ねぇ!ねぇ!ねぇ!ねぇ!ねぇ!ねぇ!ねぇ!ねぇ!ねぇ!」
「ごめんなさい!ごめんなさい!許して………お願いします。許して下さい」
彼女は膝をついて頭を下げる。
ワタシが見たかったのはそんな姿じゃない!
ギラギラと輝く瞳に自信満々な笑い声の彼女が良かったのだ!
「謝らないで!貴女はそんな人じゃない!………そっか!あの娘が居なくなればワタシを見てくれる………ワタシだけを見ててくれるよね」
「ねぇ………あの娘は関係無いの………だからおかしな事しないで………ね?」
「貴女は優しいのですね………でもね、ワタシ………ワタシね。自分の大切にしてるのを取られるのは嫌なの!」
あの娘を沈したら許せそうな気がする。きっと貴女なりの愛の再確認。やり直せるわよきっと。
「なら、約束してくれませんか?」
「ヤクソク………」
「えぇ。もう金輪際あの娘に近づいたりしないで。話もしないで欲しいの……」
「わ、わかった約束す、る」
「まだ続きがあるのに約束してもらっていいの?」
「解ったから……なんでも言うこと聞くから」
「ありがとう。これからも貴女だけはワタシを虐めて下さいね?」
あれから数日たったが、彼女はあの娘とは会って話してはいないみたい。
これで彼女はワタシだけを見ててくれる。
ワタシの願いは叶ったのだ。
彼女はワタシを虐めにくる。
膝を震わせて、眼を泳がせながら命令をする。
まだ昔の様には戻らないけどワタシが彼女を戻してあげる。
始めて出会った頃のようにね。
虐めが善くないと大多数は言うけど、多数決が正しいわけでは無いのでしょう。
もし、誰かを虐めて傷付ける行為をしようとしてるなら最後まで面倒をみないと大変な事になりますよ。
では。