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ラーメン食べにいこうか

 学生でも社会人でも寮で過ごすとは、他者の存在を認める必要がある。


「ねぇラーメン食べに行くいかん?」


 まぁ寮生活をするわけだから地方出身やなんやらで、こんな会話もあるわけだけど……今何時だ?


「……らーめん?」

「そ、ラーメン行かん?」


 頭がボーッとする、意識が定まらないが単語だけが入ってきた。


「じゃ車横付けしてるから行こ♪」


 どうやら寝起きの息使いを返事と認識したらしく私はパジャマの上に半纏を羽織ると枕元においてある靴下を履く。


「おいおい、デレデレちゃんその格好で行くのかい?ズク出そうよ」


 同室の彼女ヤンデレちゃんのお国言葉なのだろうけど『ズク』だけは今もってよく解らない。

 以前質問した時は『ズクはズクだしぃ説明するのもズークーだー』だそうで結果今もって解らず仕舞いである。


「デレデレちゃんここの服に着替えてね」


 ワタシは用意された服に着替えると彼女の車に乗り込んだ。


「あのさ起こしちゃって御免、現地に着くまで寝てていいけど何ラーメン食べたい?」


 そりゃそーだ。

 ラーメンだけで、醤油、味噌、塩、豚骨って沢山あるんだから仕方無い。


「……ん。……とんこつ?」

「わかった♪じゃ寝てて良いよ着いたら起こすし」


 まだ暗い街の中を滑るように車は動きだし、ワタシはそのまま眼を瞑った。




 ワタシは波の上にいるようなユッタリとした揺れで眼を覚ました……まだ辺りは暗く寝ていたといってもそんなに時間もたっていないのだろう。


「…ん?デレデレちゃん起きた?でもまだだから寝てても構わないよ」


 気が付かなかったけどワタシの身体に毛布が掛けられていて彼女の意外なマメさを見つけた瞬間だったが眠気にワタシは負けてしまっていた。





「デレデレちゃん着いたよ~♪」


 起こされて驚いたのは凄くお腹が空いているのと……


「……ここ何処……?」

「博多」

「なんで来たの?」

「カーフェリー使ってだけど?」

「茶化さないで!」

「デレデレちゃんがとんこつ食べたいって言ったから?」


 なんで疑問系なのよ!

 ヤンデレちゃんに連れられての初博多。

 確かに美味しかった。

 替え玉も2回やったし。

 博多観光も楽しかった。


 しかし。


 博多に来た理由を考えてある疑問にたどり着く。


 帰りの車で彼女に聞いてみることにした。



「ねぇ……今回はとんこつで博多だったけど……」

「おいしかったねぇ♪」

「それは感謝してる……美味しかったし……デートも楽しかっ………じゃなくて!味噌って言ったら何処になったの?」

「味噌なら札幌、醤油なら東京」

「塩って言ったら何処に行ったの?」




「広東を想定してたよ」



「博多で良かった♪」

「なんで?」

「ヤンデレちゃんの運転中の凛々しい顔を間近で堪能出来るんだもの」

「たまにはズク出すよ私もね」


 何となく彼女のズクが解った気がした。











ズクの意味が解る人は同郷ですかね。

知らなかった方はそれでも大丈夫!使うこと無いから。


では。

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