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黒デレ。

デレデレの派生系列の黒化とか黒デレと云われる類いです。


解説はあとがきでね。

 この関係は今夜で終わりにしないと。

 ワタシの社会的地位も日常も…すべて…すべて壊れてしまう。


『愛情と憎しみは表裏一体。』


 こんな簡単な事も解らなく成る程…堕ちてしまったのだろうか?


 ――――――これ以上、愛情が深くなる前に終わらせよう。


「御主人様どうかされましたか?」


 ベンチに座るワタシの足を舐めながら女は上目使いで聞いてきた。

 この女の名前は『でれこ』先月オフ会で出会ったばかりだ。


「…ん。いや…娘がね。」

「ッハ。娘さんは……れろ。…幾つなん……ですか?」


 外灯の青白い光がでれこの青磁のような肌をより白く映していた…そう、彼女は夜とはいえ公の場所で惜し気もなく裸体を晒していた。

 彼女は少し上気していて解れた髪は肌に張り付き舌を動かず度に豊満な果実は揺れ動いていた。

 でれこの頭に触れて制止するとコートを着るように命じた。

 普通は家の事情なんかは短い関係では話す気にも成れないのだが…彼女との睦言も十も数える頃には少なくとも情が移ったとしてもおかしくは無い。

 コートを羽織った彼女はワタシに対面する形で膝の上に腰掛ける。


「……先程のお話し。娘さんと何かあったのたですか?」

「娘もね…14になるんだ。」

「今中2ですか?」

「いやね。中3で来年受験なんだけど……。」


 そんな話を始めたら、でれこはクスクス笑いだした。


「何か可笑しい事いったかな?」

「……いえ。私、嫉妬してしまいました。そう思ったら可笑しくて、可笑しくて。」

「でれこが嫉妬とはね。」

「あら、私だって女ですもの将来を思ってもらえる娘さんに嫉妬してもいいでしょ?」


 上目使いで聞いてきた。


「まぁそれくらいは…」


 彼女は軽く唇を合わせるとそのまま頬擦りをする感じで抱き合ったままでいた。


「……でも…今は私が御主人様の時間をいただいてますわ。」



 ★☆★☆★☆★☆★☆★


「お母さん、進路相談なんだからお洒落してよね?」

「このスーツじゃ駄目か?」


 女独りで子供を育てるのは楽では無い。


「……それに、お母さん若いし…私に似て美人だから早く好い人見つけてよね!」

「ワタシが美人なのは認めるが然り気無く自分を褒めるな。」

「お母さんそれ酷くない?ねぇ酷くない?」


 ワタシは娘と見つめあい笑った。

 今日はクーデレの三者面談なのだ。


「続きは学校で…じゃないと時間がぁ!」

「そうね。急ぎましょ。」


 学校までの道程は電車で2駅先までいって10分歩く。

 毎日通う娘は兎も角ワタシは入学式以来だ。


「貴女の先生って…」

「ん。とーっても素敵な人だよ。」

「おやおや随分と熱心だね。」


 顔を紅くしてうっとりとしている我が子に少々焦りとも苛立ちとも違う感情が出た。


「うふふ。」

「どうしたのお母さん。」

「何でもないわよ!本当に何でもない。」


 ――――ワタシは娘に嫉妬していたんだ。でれこの事言えないわね♪


「私、上履きに替えてくるから待ってて。」

「はいはい。」


 その後生徒指導室に向かう。

 部屋に入って驚いたのは応接間と思えるようなソファーにテーブルがあった事より、担任と紹介されたのが、でれこだったからた。


「はじめまして。担任のデレデレです。」

「お母さん。どうしたの?」

「…………あぁ。」

「立ったままも何ですからお掛け下さい。」


 デレデレ先生はそう促す。

 何かの意識が働いたのかワタシは斜向かいに座ると隣…先生の向かいに娘は座った。


『クーデレさん。クーデレさん。至急生徒会室までお越しください。』


「クーデレ呼ばれてるけど?」

「今日はお母さんとの話がメインだからクーデレさんはいってらっしゃい!」

「お母さん、先生ごめんなさい。行ってくるね。」


 娘が部屋から出た後、先生の目の色が妖しく輝いた。


「クーデレさんのお母さんの名前を見てもしかしてと思って、生徒会に打診して部屋を確保して良かったです。」


 目の前にいるのは娘の担任教師ではなく、ワタシの愛する奴隷でれこだった。


「あの日は淋しかった。」


 でれこは立ち上がると衣服を脱ぎ出す。

 ワタシの前では裸でいるのが当然の様に。


「あれから何度か自分で慰めましたけど…駄目なんです。」

「だからといって、何時あの娘が戻るか解らないのにそんな姿になって。恥をしりなさい!」


 でれこはワタシの隣に座ると当然のようにキスをねだってきた。


「クーデレさんなら大丈夫。当分帰って来ないですし部屋は鍵も掛かってますから誰にも邪魔はさせません。」

「…娘からは素敵な先生だと聞かされていたのだがね。」

「そんな♪素敵な奴隷だなんて♪♪♪」





「なあ、そろそろこの関係解消しないか?」

「嫌です!御主人様は誰か他に奴隷が出来たんですか?」

「そんなこと言うのは、でれこだけだよ。」

「なら、問題……」

「あるわよ。問題!ワタシはクーデレの母親で貴女は担任教師なのよ!生徒の母親と担任の女教師が肉体関係があるってどうなのよ!」

「良いじゃない?別に。」

「別にって……」

「だって、御主人様って母子家庭でしょ?なら大人として付き合えば文句は無いはずだわ。」

「でも、ワタシ達は女性同士…」

「今更、戻れる訳無いじゃない。」


 ―――――――チャンスだと思っていた……思っていたかった。でも、もう考えなくていいんだ。


「ワタシ、重いよ?」

「持ちますし、支えます!……全力で!」

「嫉妬もするし浮気は許さないよ?」

「そこまで私のことを……うれしいです!」

「殺したいくらい。」

「殺されたいほど。」

「愛しくて」

「恋しくて」

「デレデレは私の…ワタシだけの物。」

「はい。」


 ――――簡単な事だった。逃げなくて良かった。彼女も望んだ事だ。彼女がどれだけの人と関係を作ろうが壊せばいいんだ。ワタシがずっと傍にいればお互いに幸せになれる。


 その後娘が迎えに来て面談は終了する。

 娘と並んで校門に近付くと後ろから声を掛けられた。


「まって下さい!」

「…先生どうされましたか?」


 走って来たのだろう息を切らせていた。


「あの…ごしゅ………ヤンデレさん。先程は失礼しました。……お詫びに今度……お食事でも。」

「行ってきなよ!お母さん!!」

「………クーデレちゃん。ありがとう。」

「お母さん……私先生なら許すよ♪」


 ――――娘との年齢差なのだろうか?百合に理解有りすぎる……だけど今日は感謝するよ。ワタシ幸せになるから。

通常のデレデレとの大きな違いは、天然を計算でやっている。

腹黒なデレデレ状態を指すのですが。


解りやすくはブリッ子なんですね。

好きな人には兎に角デレるけど対象から外れた時は表面上での付き合いがあるか、完全に冷めた付き合いしかない。


ヤンデレとの違いは病みが無いとこですが、ヤンデレも派生が有りますから注意が必要ですね。


今回クーデレを出しましたが、名前縛りを忘れてクーデレはしてません。それらしい振る舞いはしてると思いたい。


黒デレはもう少し頭脳派を意識しないと駄目でしたね。

では、また。


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