表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/16

第16話「種族を超えて」

あれから——


数年が、過ぎた。


俺たちの冒険は——


いつの間にか、伝説になってた。


「オークの勇者」の物語。


種族の壁を——


越えた、英雄譚。


最初は——


誰も、信じなかった。


でも——


今は、違う。


王都の大通りを——


歩いてると、子供たちが集まってくる。


「グロッグさん!」


「本物だ!」


人間の子供も——


オークの子供も、ゴブリンの子供も——


みんな一緒に、笑ってる。


「サインください!」


「冒険の話、聞かせて!」


俺は——


膝を、つく。


子供たちの——


目線に、合わせる。


「いいっすよ! 何でも聞いてくれっす!」


エリシアが——


呆れたように、笑う。


「相変わらず、子供に甘いですわね」


「いいじゃん! 可愛いっすもん!」


リオンも——


剣を、磨きながら微笑む。


「昔なら——考えられない光景だな」



王国では——


「種族平等法」が、制定された。


オークや——


他の魔物種族も、市民権を得た。


共に——


学び、働き、暮らせる。


そんな——


社会が、実現した。


最初は——


反発も、あった。


「魔物に権利など!」


「危険すぎる!」


でも——


俺たちの活躍が、証明した。


種族なんて——


関係ない。


大切なのは——


心だって。


クロード騎士団長が——


王の前で、言ってくれた。


「彼らは——我が国の英雄であります」


「種族ではなく、行いで人を測るべきです」


王は——


頷いた。


「そうだな……我々は、間違っていた」


法律が——


変わった。


社会が——


変わった。


人々の——


心が、少しずつ変わっていった。



今日は——


小さな村に、立ち寄った。


ここにも——


変化が、訪れてる。


村の広場で——


子供たちが、遊んでる。


人間の子供が——


オークの子供と、鬼ごっこしてる。


「待てー!」


「捕まえてみろー!」


笑い声が——


響く。


ドワーフの子供も——


エルフの子供も、混ざってる。


みんな——


同じ、子供だ。


種族なんて——


関係ない。


ただ——


一緒に、遊んでる。


俺は——


立ち止まった。


胸が——


熱く、なる。


視界が——


滲む。


「やっと……」


声が——


震える。


「やっと、こんな世界になったんすね」


涙が——


頬を、伝う。


止められない。


この光景が——


嬉しくて、嬉しくて。


ずっと——


夢見てた、世界。


種族の壁が——


ない、世界。


みんなが——


笑い合える、世界。


それが——


ここに、ある。


エリシアが——


隣に、立つ。


「あなたが変えた世界ですわ」


優しい——


声だった。


「いや……みんなで、変えたんすよ」


俺は——


涙を、拭う。


「エリシアも、リオンも、ミーシャも、ザックも」


「みんながいたから……ここまで来れたんす」


リオンが——


剣を、掲げる。


「俺たちの冒険は——終わらない」


力強い——


声だった。


「まだまだ、やることはある」


ミーシャが——


弓を、担ぐ。


「次はどこ行く?」


ワクワクした——


声だった。


「新しい場所、たくさんあるよね!」


ザックが——


杖を、握る。


「どこだって付き合うぜ」


ぶっきらぼうだけど——


優しい、声だった。


グルーシャが——


俺の腕に、しがみつく。


「グロッグ様と一緒なら、どこでも!」


熱い——


視線だった。


「ついていきますわ、永遠に!」


「はいはい……ありがとな、グルーシャ」



夕日が——


沈み始める。


空が——


オレンジに、染まる。


美しい——


色だ。


俺たちは——


村を、出る。


次の町へ——


向かう。


まだまだ——


困ってる人が、いる。


助けを——


必要としてる人が、いる。


俺たちは——


そこへ、向かう。


それが——


俺たちの、使命だ。


勇者として——


じゃない。


仲間として——


友として。


ただの——


冒険者として。


「なあ、みんな」


俺は——


振り返る。


仲間たちの——


顔を、見る。


エリシアの——


誇らしげな、笑顔。


リオンの——


頼もしい、笑顔。


ミーシャの——


明るい、笑顔。


ザックの——


不器用な、笑顔。


グルーシャの——


純粋な、笑顔。


みんな——


最高の、仲間だ。


「異世界転生、最高っす!」


俺は——


叫ぶ。


空に——


向かって。


「これからも、よろしく頼むっす!」


「「「おー!」」」


声が——


重なる。


夕日の中——


俺たちは、歩く。


前を——


向いて。


未来を——


見つめて。


道は——


続いてる。


どこまでも——


続いてる。


まだ見ぬ——


景色が、待ってる。


まだ会わぬ——


人が、待ってる。


新しい——


冒険が、待ってる。


オークの勇者と——


仲間たちの、物語。


それは——


これからも、続いていく。


種族を——


越えて。


偏見を——


越えて。


限界を——


越えて。


俺たちは——


進む。


どこまでも——


どこまでも。


空は——


まだ、青い。


大地は——


まだ、広い。


世界は——


まだまだ、知らないことだらけだ。


それが——


楽しい。


それが——


最高だ。


グロッグ・ブレイドハート。


元は——


普通の人間だった。


今は——


オークの勇者だ。


でも——


本当は、そんな肩書きなんてどうでもいい。


俺は——


俺だ。


仲間と——


笑い合える。


困ってる人を——


助けられる。


新しい世界を——


見られる。


それだけで——


十分だ。


「行くぞ、みんな!」


「おー!」


夕日が——


背中を、照らす。


影が——


長く、伸びる。


一つ、二つ、三つ——


六つの影が、重なる。


俺たちは——


一つの、パーティだ。


これからも——


ずっと。



オークだけど勇者やってます。


その物語は——


ここで、終わる。


でも——


彼らの冒険は、終わらない。


世界の——


どこかで。


今日も——


誰かを、助けてる。


今日も——


笑い合ってる。


今日も——


前を、向いて歩いてる。


種族を——


超えた、絆。


それは——


永遠に、続いていく。


新しい——


世界で。


新しい——


明日へ。


——完——


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ