表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/16

第15話「新たな旅立ち」

戦いが終わって——


三日が経った。


王都は——


復興作業に追われていた。


破壊された城壁が、修復される。


倒壊した建物が、建て直される。


街に——


活気が、戻ってきた。


「グロッグ殿」


謁見の間で——


国王が、俺を呼ぶ。


「はい」


膝を——


つく。


「そなたの活躍、まことに見事であった。王国の名において、そなたに勇者の称号を授ける」


おお——


マジか。


勇者の称号って——


あれだ、正式なやつ。


「ありがとうございます!」


頭を——


下げる。


でも——


「でも、俺はまだまだ未熟っす」


顔を——


上げて、国王を見る。


「魔王は倒したけど、世界にはまだ危険がいっぱいあるっす。もっと強くならないと、みんなを守れない」


国王が——


微笑む。


「そうか。ならば、旅を続けるのだな」


「はい! パーティのみんなと一緒に、世界中を旅するっす!」


エリシアが——


一歩、前に出る。


「陛下、わたくしも同行いたします」


リオンも——


続く。


「俺もだ。まだこいつには及ばないからな」


ミーシャが——


手を挙げる。


「あたしも行く! グロちゃんと一緒じゃなきゃつまんない!」


ザックが——


腕を組む。


「まあ、こいつら放っといたら死にそうだしな」


みんなが——


揃ってる。


最高の——


仲間たちだ。


「では、そなたたちに幸あれ」


国王が——


手を掲げる。


謁見の間を——


出る。


廊下で——


クロード騎士団長が待っていた。


「グロッグ」


「騎士団長」


彼は——


俺の肩を、叩く。


「最初は……正直、認めたくなかった」


「知ってるっす」


笑う。


「だが、お前は俺の考えを変えた。種族じゃない、心だ。それを教えてくれた」


「照れるっすね」


頭を——


かく。


「また王都に戻ったら、顔を見せろ」


「もちろんっす!」




王都を——


出る前に。


俺には——


行かなきゃいけない場所があった。


「グロッグ様ああああああああっ!」


グルーシャが——


全速力で、突進してくる。


オークの村だ。


ドスン。


抱きつかれる。


重い。


「お、おう……」


村長が——


近づいてくる。


グルーシャの、父親だ。


「グロッグ殿、魔王を倒したと聞きました」


「はい、みんなで頑張ったっす」


村長が——


深々と、頭を下げる。


「我が娘を……よろしく頼みます」


「えっ」


「娘はずっとあなたを慕っております。どうか、妻にしてやってください」


おいおい——


プロポーズかよ! 


「ちょ、ちょっと待ってください! 俺、まだ旅に出るんすよ! 」


「旅にも同行させます!」


「グロッグ様! あたし、お料理も洗濯もできます! ついていきます!」


グルーシャが——


目を、キラキラさせる。


オーク視点だと——


俺、イケメンらしいし。


困った。


「あの、俺、今は冒険に集中したいっていうか……」


エリシアが——


助け舟を、出す。


「グルーシャさん、グロッグには今、やるべきことがありますの。もう少し待ってあげてくださいな」


「エリシアさん……」


グルーシャが——


涙目で、頷く。


「わかりました……でも、必ず戻ってきてくださいね」


「おう、約束するっす」


村を——


後にする。


背後から——


「待ってます、グロッグ様ああああっ!」


という——


叫び声が、聞こえた。


ミーシャが——


クスクス笑う。


「グロちゃん、モテモテだね」


「笑うなって……」




出発の——


朝。


王都の門に——


人が、集まっていた。


たくさんの——


民衆だ。


「オークの勇者!」


「ありがとう!」


「また戻ってきてくれ!」


声が——


響く。


子供が——


走ってくる。


「勇者様! サインください!」


「おう!」


しゃがんで——


紙に、名前を書く。


字は——


下手だけど。


「ありがとう!」


子供が——


嬉しそうに、笑う。


老人が——


近づいてくる。


「わしの孫を、救ってくれてありがとう」


深々と——


頭を、下げる。


「いえ、当然のことをしただけっす」


商人が——


手を、振る。


「旅の途中で困ったら、うちの店に来てくれ! サービスするぞ!」


「マジっすか! ありがとうございます!」


みんなの——


笑顔が、眩しい。


エリシアが——


隣に、来る。


「次の目的地はどこですの?」


地図を——


広げる。


「ここっす!」


指差した先は——


未開の大陸だ。


「東の海を越えた先にある、謎の大陸っす! 誰も行ったことがないらしいっすよ!」


リオンが——


眉を、ひそめる。


「危険じゃないか?」


「だから面白いんすよ! きっとすごい冒険が待ってるはず!」


ミーシャが——


目を、輝かせる。


「わあ! 未開の大陸だって! どんな生き物がいるのかな!」


ザックが——


溜息を、つく。


「まあ、こいつが行くって言ったら止まんねえしな」


「わかってるじゃないっすか!」


リオンが——


剣を、掲げる。


「ならば、行こう。まだ俺たちは成長途中だ」


エリシアが——


杖を、構える。


「未知なる知識が待っていますわね。楽しみですわ」


みんなが——


前を、向く。


「じゃあ、行くっすよ!」


門を——


くぐる。


民衆の——


歓声が、背中を押す。


「いってらっしゃい!」


「無事でな!」


「また会おう!」


手を——


振り返す。


みんなも——


手を、振ってる。



王都が——


遠ざかっていく。


街道を——


歩く。


風が——


心地いい。


「なあ、グロッグ」


リオンが——


話しかけてくる。


「なんすか?」


「お前と旅をして……俺は変われた気がする」


「リオンが?」


「ああ。種族とか、見た目とか……そんなものに囚われてた自分が、恥ずかしい」


彼は——


空を、見上げる。


「お前を見てたら、大切なのは心だって、わかった」


「照れるっすね」


笑う。


「でも、まだお前には勝てない。だから、もっと強くなる」


「おう! お互い、頑張ろうっす!」


拳を——


合わせる。


エリシアが——


本を、読みながら歩いてる。


「エリシア、前見ないと危ないっすよ」


「大丈夫ですわ。これは未開の大陸に関する数少ない記録ですの」


「へえ、何が書いてあるんすか?」


「古代文明の遺跡があるとか、巨大な魔獣が生息しているとか……興味深い内容ですわ」


目が——


輝いてる。


「楽しみっすね!」


ミーシャが——


スキップしてる。


「ねえねえ、グロちゃん! 未開の大陸って、美味しいものあるかな!」


「あるんじゃないっすか? 珍しい果物とか!」


「わあ! 食べたい!」


ザックが——


呆れた顔で、言う。


「お前ら、能天気すぎだろ」


「ザックも楽しみなくせに」


ミーシャが——


からかう。


「別に……」


顔を——


そむける。


でも——


口元が、緩んでる。


みんな——


楽しそうだ。


俺も——


楽しい。


異世界に——


転生して。


オークに——


なって。


最初は——


びっくりしたけど。


今は——


最高に、幸せだ。


仲間が——


いる。


冒険が——


待ってる。


これ以上——


何が、必要だ?


「なあ、みんな」


立ち止まる。


みんなも——


止まる。


「どうした?」


リオンが——


聞く。


「俺、みんなと旅できて、マジで幸せっす」


「急にどうしたんですの?」


エリシアが——


不思議そうな顔。


「いや、なんか言いたくなって」


笑う。


「これからも、よろしく頼むっす!」


ミーシャが——


飛びついてくる。


「グロちゃん! あたしも幸せだよ!」


リオンが——


肩を、叩く。


「ああ、こちらこそだ」


エリシアが——


微笑む。


「わたくしも……感謝していますわ」


ザックが——


そっぽを、向く。


「まあ……悪くねえな」


みんなの——


顔が、見える。


最高の——


仲間たちだ。


「じゃあ、行くっすよ! 未開の大陸へ!」


「おー!」


声を——


合わせる。


道は——


続いていく。


地平線の——


向こうに。


未知の——


世界が、広がってる。


どんな——


冒険が、待ってるんだろう。


どんな——


出会いが、あるんだろう。


考えるだけで——


ワクワクする。


俺は——


オークだけど、勇者だ。


それが——


俺の、誇りだ。


見た目なんて——


関係ない。


大切なのは——


心と、行動だ。


それを——


証明してきた。


これからも——


証明していく。


風が——


吹く。


新しい——


冒険への、風だ。


「グロッグ!」


リオンが——


指を、差す。


「見ろ、海が見えるぞ」


「マジっすか!」


走り出す。


丘を——


越える。


そこには——


青い海が、広がっていた。


キラキラと——


光を、反射してる。


「きれい……」


エリシアが——


呟く。


「あの海の向こうに、未開の大陸があるんすね」


「船は手配してありますの。港まで行きましょう」


「おう!」


海に——


向かって、歩く。


太陽が——


高く、昇ってる。


空は——


どこまでも、青い。


グロッグたちの——


冒険は、まだ始まったばかりだ。


世界は——


広い。


まだ見ぬ——


場所が、たくさんある。


まだ会わぬ——


人が、たくさんいる。


その全てが——


俺たちを、待ってる。


「行くぞ、みんな! 新しい世界へ!」


「おー!」


海風が——


頬を、撫でる。


潮の——


匂いが、する。


これから——


どんな冒険が、待ってるんだろう。


楽しみで——


仕方ない。


俺たちは——


前を、向いて歩く。


新たな——


物語へ。


オークの勇者と——


仲間たちの、冒険は——


これからも、続いていく。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ