成りをひそめる
街灯に滲む光が
やけに膨らんで淡かった
甘ったるい季節だからかな
君がくれたアメ玉のように
溶けかけそうでまだ形をどうやら成している
アスファルトに落ちた影が伸びては縮んで
二人分になる
かじかむ指先は繋ぐにはまだ早いって震えて
なんとなく目が合った君をまともに見れなくなる
木枯らしが吹き荒れる頃
カラスの鳴き声が
遠くで重なり合って
意味もないのに
ただただ笑い転げていた
枯葉が舞う
心が宙を彷徨う
輪郭がはっきりとしていく
瞬間がここにある
街灯に滲む光が
やけに膨らんで淡かった
甘ったるい季節だからかな
振り返ってみれば
君が嬉しそうな目で
右手を差し出していた
僕は何も言わずに
白く細いその手を握る




