5.代償?
こうして私たちは――元聖女の凛と出会い、同志として絆を結んだ。
そしてここから、私たちの“拠点づくり”が始まっていくのだった。
……とはいえ。
「まずはこの子の状態をちゃんと調べないとね」
凛はそう言って、夢愛の額にそっと手を当てた。
夢愛
「ンモ?(なにするの?)」
「大丈夫よ。ちょっと魂の状態を見るだけ」
(((そんなことできるんだ…)))
部屋の中の空気がふっと静かになる。
凛の手元から、淡い光がにじんだ。
司祭はすでに両手を組んで祈りモードだ。
「神よ……尊い……」
「…もうこの人尊いしか言わないのでは?」
(間違いないね)
しばらくして、凛はゆっくりと手を離した。
そして小さく息を吐く。
「……なるほどね」
「え、わかったんですか!?」
私は思わず身を乗り出した。
夢愛の牛耳もぴくぴくと動く。
凛は静かに頷いた。
「呪いじゃないわ」
「え?」
「あなたたちがこの世界へ来た“道”が歪んでいたの」
私と夢愛は顔を見合わせた。
「魂がそのゆがみに引っ張られて、身体との同期が乱れた。その結果――」
凛は夢愛を見る。
「近くにあった“肉体情報”を拾ってしまったのね」
沈黙。
私は恐る恐る聞いた。
「……なんで牛?」
凛はあっさり言った。
「たまたまでしょうね」
「ンモォォォォォ!!!(そんな偶然ある!?!?)」
司祭は深く頷く。
「魂の歪み……神の御業…深い……」
「いや神の御業とか多分関係ないと思います」
私は即ツッコんだ。
(というかなんでよりによって牛!?犬とか猫とかあるでしょ!?)
「犬でも困るでしょ」
(そうだけど!!)
夢愛が怒って床をドンと踏み鳴らす。
凛はくすっと笑った。
「でも安心して。方法はあるわ」
空気が変わった。
「本当ですか!?」
「ええ。魂の歪みを固定すれば、人間の姿に戻ることも出来るはずよ。」
「ンモ!!(やった!!)」
私はガッツポーズした。
「よかった……!」
しかし——
凛の表情は、ほんの少しだけ曇った。
「ただし……」
「え?」
「その儀式には、代償が必要なの」
静かな声だった。
放置してしまっていたので完結させたいと思います!
次でラストです!




