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カラクレナイ#78 観客達は

るんるん

段々とこいつの発してるオーラにも慣れてきて冷静に思考もできるようになったが…くっ、こいつどこまで飛んでいくんだ?山賊抱っこで頭が上下に揺れて気持ち悪くなってきた……どこだここ?見える限りは崖を登ってるようだが……下に湖もとい沼が、遠くに城が見えるからそこまで離れてはいないな。確かヌシと戦っていた沼の奥に高い崖があった。そこを登っているのだろう。

それにしても…この魔力のオーラを常に出してるなんて、とんでもない魔力の持ち主だな。下手したら師匠にも匹敵するんじゃなかろうか?黒幕が膨大な魔力の持ち主ってことはわかっちゃいたが…まさかここまでとは……到底俺には勝ち目がない。クソッ、このまま殺されてしまいか……?いや、こいつは俺のことを餌だと表現した。俺と言う餌で何を釣るんだ?うーん、俺を心配してくれる人……師匠?




一方その頃———


「王よ。正体不明の巨大な魔力の持ち主が紅咲様を」


「わかってる。はぁ…ヘルメースも対応できないときたか……チッ、あとでナイトメアに詰められるなぁ。……一回でも取り戻そうとしました感出すか。特大の撃って」


「えっ、助けないんですか?」


「お前ならわかるだろう?ナイトメアが勝手に助けに行くさ。本来なら私が介入する必要も無いが…怒った時のあいつは怖いからな……」


さてと、と言いながらスケアは左腕を肩の位置まで上げ、その前に何重もの魔法陣を展開し目を閉じて小声で詠唱を始める。


「血術「真理代入」「魔法展開」「出力累乗」「制限解除」「魔力超過」『鮮血淋漓』!!」


詠唱を終えるとガッと目を開きキュイーンという音を立てながら魔法陣をぐるぐると回転させる。それによって魔法陣から出た赤いエネルギーが収束しスケアの手のひらに球が作られていく。回転はどんどん早くなり、それに応じて赤い球も大きくなる。が、直径が5m程度になった途端に回転音が止まり球が小指ほどの大きさになったかと思えば、魔法陣が手のひら横一列に並び、特大ビームが放たれる。そしてもちろんそのビームは……


「あっは!!四聖が一人、魔界の王様スケア様ぁ!!城からここまで届くとかやっぱバケモンだねぇ!!ま、あたしには敵わないだろうけど♡」


「……ッ!!!!!」


ぐおぉっ!!あっぶねぇっ!!!今鼻先かすったぞ!!!ってこれ、城から出てるのか?てことは王様のビームかよ!よかったー、救いの手が見えるーってこのまま俺ごとこの血腫消し炭にするつもりじゃないよなぁ!?普通に死ぬが!?助けるなら助けるで別の方法を使ってくれよ!!と言うか消し炭になるより前に担いでるこいつが避けるために激しい動きをし過ぎて首が折れる!ずっと体が反対向きだから頭に血が昇ってるし…それ以上動かないでくれぇ!!うっ、急に意識が…段々と…遠のいてぇ……



————————————————————————


「ッ!!!」


「どうした?グロー?」


ところ変わって現在戦場を全力疾走しているナイトメア一行。全員ほぼ横並びで走っていたが急にグローが立ち止まる。その顔は驚きと悲しみに包まれていた。燈魔がすぐに振り返って問いかけるとグローは間を開けて小さく話し出す。


「……過ぎました。」


「なんやて?」


「だから!!もう未来の選択が出来なくなったんですよ!つまり、いおりんはもう……」


そう言うとグローは肩を落として俯く。一行の間には暗い雰囲気が漂い始めるがその中で一人、違うベクトルで…抑えきれないほどの暗く、淀んだ殺意と怒りを露わにする人物がいた。


「それは本当か。」


ナイトメアはグローに淡々と、それでいて素早く確認をとる。顔は俯いているため見えないが少し見えるその目は見開き、唇はわなわなと震え、握り拳は血が滴るほど強く握られていた。普段は抑えているであろう魔力も感情が高まるあまり多くはないが溢れ出ていて、髪は赤い魔力によって薄く包まれ変色し逆立っている。また、その影響かナイトメアが立っている場所が魔力に耐えきれず割れつつあり、砕けた小さな石が上に浮かんできている。

とここで、一行の背後にある城から北にある崖に向かって赤いビームが放たれる。ナイトメアはそれを見るや否や、燈魔たちを置いて、先ほどとは比べ物にもならない速さで一目散に崖に向かって走っていく。その姿はまるで獣で、目には赤い眼光が宿っている。走りながらナイトメアは呟く。


「絶対に……!絶対に殺す!!」

ナイトメアのマジギレ

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