カラクレナイ#63 とある秘策
ヌシは大きな声で叫んだあと、腕を乱暴に振り回して暴れ出す。グローらはそれらを簡単に見切り、軽くいなして後ろに下がる。先程までグローらが立っていた場所はヌシの腕で抉り取られ、デカい傷が残っている。それを見てグローが声を上げる。
「ハハッ、いいねぇ!破壊力は抜群だぁ!でも当たんないと意味ないよー!」
「グゥゥオオオォォッッ!!!」
「ぐっ、お前は大丈夫だろうが、俺はこれでも結構ギリギリなんだぞ!あんま煽るなって言っただろ!」
「もー、ちゃっかり本体はどっかに隠れてるくせにぃ。分身がそれ言っても信用ないよぉ?」
「……チッ、うるさいなぁ。こっちはこっちで好きにやるっつーの。間違って射線上に立たないように気をつけるんだぞ。危うく誤射してしまいそうだ。」
「怖いねぇ。これが大魔連合1のエージェントですかぁ。愛想良くないとモテないよぉ?」
「はいはい、やかましいなぁ。いいから来るぞ。」
余裕そうに談笑する二人の元にヌシが飛び込んでくる。二人は左右に分かれ左から銃弾を、右からバッドによる打撃を加える。だがそのどちらも腕で受け止められてしまい、ヌシの間合いに入った二人はラリアットを喰らって吹き飛ばされ、岩壁に打ち付けられる。
「……っぐ、っはぁ、なるほど?なかなかいいラリアットだ。僕が予知してなかった時に差し込むなんて……やるねぇ。」
「チッ、お前を信じて攻撃した俺がバカだったよ。予知ぐらいずっとやっとけよ……!」
「あのさぁ……忘れてるかもだけど、僕って一応怪我人なんだよぉ?そんな期待されてもさぁ。」
「あぁはいはい、ったく分かったよ。攻撃は自分で避けるさ。」
先にセンドウが立ち上がり、ヌシに向かって走っていく。走っていく途中で周りに3人の分身を展開し、銃を乱射する。しかしまたもや腕で銃弾を受け止められてしまう。それでも乱射は止めず、4人でヌシを取り囲み、翻弄しながら銃弾を全身に浴びせる。だが血器創造で作った口径〜のコルトを模した銃器でもヌシの体に傷ひとつつけられなかった。流石にまずいと思ったセンドウはグローがまだ横たわっている岩壁に下がる。
「あいつ、硬すぎないか?なんでこいつで傷一つつかないんだよ。ちょっと予想外だったな。」
「……まさかとは思うけど……センドウ、ブランクのある分身で戦ってないよね?」
「へっ?……まぁ、そうだけどよ。まさかここまで戦いの勘が鈍ってるとは思わなかったんだ。……はぁ、これだったら不意打ちの“これ”で一発だったな。」
そういいセンドウは懐から見た目だけみると何も変わらない一つの弾丸を取り出す。が見た目は変わらないが一つの弾丸にとてつもない量の魔力が込められているのがわかる。
「最初っから使えばいいのに……」
「あのな、こっちだって理由があんだよ。この弾はな、俺が魔力を長年溜めてきたとっておきなんだぜ?普段適当に撃ってる血で作った軽い球じゃないんだ。ぽんぽん撃てるわけないだろ?」
「ふーん、ほんと言い訳が下手だねぇ、センドウって。……威力は?」
「軽く撃つだけでビルが2〜3棟消し飛ぶ。」
「よーし、さっさとパーンと撃ってきてー」
「うるせぇなぁ……お前も協力しろ。今説明したせいで俺らの目的がバレちまったからな。当てるんだったらお前の協力が必要だ。……不本意だがな。」
「俺らって……勝手に加えないでよ。でもまぁ、いいよ。そろそろ終わらせたいと思ってたしね。」
グローはそういうとゆっくりと立ち上がりバッドを握る。センドウはため息をつきながらもヌシへ一歩ずつ歩いて近づいていく。そして一歩足を進めるごとに一体、また一体と分身が増えていく。最終的に100人ぐらいの集団になりヌシへと迫る。とそこに一人のセンドウが着地してくる。
「……遅れた。」
「ようやくきたねぇオリジナルくーん。まさかさっきまでの分身が勝手に言ってたことで慌てて出てきた感じ?」
「…全て支配下にある。独断専行などさせない。」
「本当かなぁ。ま、別にどーでもいいんだケド、ふっ、じゃあ行こっか。終わりだよぉっデカブツううぅっ!!」




