カラクレナイ#55 華麗な舞踏
分身、か。これまた強そうな魔式だなぁ。それにしてもここにいる人は四聖の従者っていう魔界の中でもトップの強さを持つ人たちというのもあって全員魔式が使えるのか……?あーいや、アイコスさんは血術だけか?まぁあれはあれで魔式に匹敵する強さだろう。現に対戦相手のグローを追い詰めてもいたしな。
あとまだわかんないのは……あの白い奴ぐらいだが、使えるのだろうか?まぁ先ほどからレイピアをビヨーンと伸ばしていたりそれらしきものはあるが……どうなんだ?
……さてと、思慮に耽ってないで試合を見届けよう。センドウは本体と分身で現在3人態勢でフォンを取り囲んでいる。それぞれLMG、アサルトライフル、リボルバー……もはやリボルバー以外は一つの分隊が持っているような武器構成だが……どうやら分身一体一体に意識があるようでそれぞれ自立して動いている。あー……どうやって意識を与えてんだ?
まさか分身の動きを全部本体が指揮しているわけないし……脳内でそんな並列処理出来たら流石に化け物すぎる……っとそうこう考えてるとセンドウと分身が動いた。
「ヒャッハァー!!トォーリガァハッピィーッ!!弾幕だぁぁっ!!ッハッハァーッ!!」
「あんまりはしゃぎすぎんなよ。あくまでこれは模擬戦なんだから間違えて蜂の巣にしちまったら大変だからな。」
「わかってるってぇ〜。まっ俺のLMGが加減できるかは保証できないけどなぁ〜ハハッ!」
「あのなぁ……最低限「オリジナル」の命令には従えよ?ほら、俺たちが騒いでるから何も言えずに淡々とターゲットと格闘してんじゃねぇか。早く火力支援してやんねぇと。」
本体がフォンに接近し格闘戦を仕掛け、分身がそれぞれ銃を撃ってそれをサポートしている。……分身の性格って違うんだな。先ほどの寡黙なセンドウからは想像できないトリガーでハッピーになる奴とキザなキャラが表に出てきたぞ?これでよく連携が成り立ってるもんだ……
本体が接近戦でその場に止め、LMGで逃げ道を塞ぎ、アサルトライフルで遠距離から攻撃。なるほどかなり完成された布陣だな。何でまだフォンはやられてないんだと思ったらあいつ、銃に撃たれないように本体の影に隠れて戦っている。これじゃフレンドリーファイヤしてしまうから迂闊に銃を撃てないんだろう。しかも、近接戦でもセンドウが押されつつある……こればっかりはフォンが一枚上手だったか?
センドウはどっちかっていうと遠距離タイプなんだろうなぁ……というかアサシンか?後ろからアンブッシュを狙うような戦い方の方が得意そうだ。こんな正々堂々正面から戦うような奴じゃなさそう。まぁあくまで推測だが。
「混血が何匹増えても同じですよっ!!まとめて駆除して差し上げます!!」
「魔式「世界を縫う針」っ!!」
フォンもついに魔式を本格的に使うのか。戦いはここからだが……結局フォンの魔式はどういう効果なんだ?今んところ物をビヨーンと伸ばす魔式っていう想定だが……そんなしょぼいわけない……はず!
そうこう言っているうちにフォンのレイピアがアホみたいに伸びてセンドウを串刺しにしようとする。本体は避けれたが……分身たちはレイピアが心臓にぶっ刺さり動かなくなってしまった。あのレイピア折れ曲がれるのか……かなり厄介だなぁ。ただ伸びる魔式というわけでもなさそうだ。
はぁ……というか、分身であっても死ぬのを見るのはまだ慣れないなぁ。吸血鬼はなかなか死なないから尚更心にくる。さっさと終わんないかなぁ。
「フッ、どうですか?私の魔式「世界を伸ばした針」は?混血如きに魔式を使うなど癪ですが……しょうがありません。殺せない方がムカつきますしね。」
「はぁ……詳細は教えてくれないのか?」
「どこに自分の手の内をバラすバカがいるというのですか?愚かですねぇ全く。」
今ここにいないグローに刺さってるがまぁいい。どちらかというとフォンの方が正論だからな。バラしたグローが馬鹿みたいな戦闘狂だっただけだ。
だがそうなるとフォンの魔式がいよいよわからなくなってきた。ただ伸びるだけならいいが……この試合の勝者もわかんなくなってきたなぁ。俺としては純血至上主義の白い奴よりもセンドウが勝つ方を望んでるんだが……大丈夫かぁ?
「……よし、降参だ。」
リグリキクルモンドです。フランス語です。直訳です。




