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カラクレナイ#51 可能性の戦い

「攻撃を当てれずに負ける。ですって?そんな先の未来見れないとあなた自身が言っていましたよね?全く、どうしてそのような結果に至ったのですか?」


「経験則だよ。俺が魔式を展開したらおっさんの取る行動がぜーんぶわかるんだ。当たるわけないだろぉ?」


「……まぁ、そういうことにしておきましょう。正直なところ、元からあなたの言うことは余り信用していないので……」


「言うねぇ〜」


これから被弾しないっていう話をしているわけだが……あの満身創痍の体でできんのか?いまだに傷は塞がってないわけだが……と思ったら傷口に瘡蓋のようなものができていた。

瘡蓋と違って何やら結晶のような光沢があるから……血術で塞いだようだ。まぁ動きにくいだろうが無いよりかはましか。そもそも痛みに鈍感な吸血鬼にはいるのかどうかわからないが。


「じゃ、そろそろ……フルスロットルでぇっ!!」


「フッ、実に……っ、勇猛ですねぇ。」


グローが放ったフルスイングをアイコスはハルバードで受け止める。だがその一撃の重さに思わず後退りしてしまっていた。ここぞとばかりにグローはバッドを振り回す。

一撃ごとに後ろに一歩下がっていくアイコスだったが、バッドを振った直後の隙を狙いカウンターを差し込む。しかしわかっていたと言わんばかりにニヤッと笑ったグローから逆にカウンターとして腹に蹴りを喰らってしまう。

もちろんアイコスのカウンターは避けられ、さらに追撃として最上段の構えからの振り下ろしを喰らって地面に顔を埋めてしまう。……バッドってあそこまででかい破壊痕残るんだな。半径5mぐらいあるぞ。


「おぉっと!言い忘れてたぁ!!俺の攻撃は魔式によって常に最大のダメージになるんだぁ!!気をつけといてぇっ!!」


グローは地面に突っ伏しているアイコスにさらに追撃を加えていく。1発殴っていくごとに地面が大きく陥没していく。最初に残した破壊痕が次第に沈んでいき、それよりも二回りもでかい痕が残る。

4、5回追加で殴った後、グローは血塗れのバッドを肩に乗せ、ゆったりとアイコスを見下ろす。アイコスは顔が血まみれになりながらもふらふらと起き上がり顔から滴る血を腕で拭う。するとグローは起き上がったアイコスに向かって挑発するように手招きをする。

深呼吸をしたのち、アイコスは刃が砕けたハルバードをグローに投げ、新品を作り直してグローに振り下ろす。グローは余裕そうに体を翻し投げられた斧槍を避けると、そのまま振り下ろされた斧槍を上段の蹴りで迎え撃ち、折る。しかしそのまま振り下ろされた斧槍から血の結晶が生えてきてグローを襲う。それすらもグローは難なく横に避け、安全圏からバッドで球を打つ。だがそれらの球は空中で血槍に迎撃されアイコスには届かない。なるほど、魔式を解禁した今でもなかなかいい戦いをする。


「ぬるいなぁ……おっさんの攻撃ってそんなもんだっけ?」


「好き勝手言ってくれますね……まさかここまで動きが変わるとは……先程まであのようなカウンターや不意打ちに対応できていなかったと言うのに、今では別人のような反応速度だ。」


「そうなるように世界に決められているからなぁ。さっき言った予言が冗談じゃ無いこと、そろそろ信じてもらえそうかぁ?」


「えぇ。ですがあなたのその魔式……一つ重大な弱点があるのでは?」


弱点?こんな強い力を持った魔式に弱点なんてあるのか?強いて言うなら火力は自分の地力だよりってとこか?だがさっき言ってたことが確かなら……グローはいつも攻撃を最大乱数で出せるってことだ。正直グローの火力は十分だと思うからそこまで重大な弱点にはならなそうだが……


「へぇ?言ってみてよ。」


「……あなたの魔式の弱点。それは魔力消費が激しいこと、でしょう?運命を操る能力、そんなものすごい力には絶対に多大な代償が必要なはず。違いますか?」


なるほど。確かにそう言われればそうだ。運命を決められるなんて桁外れな能力、消費する魔力もものすごい量だろう。グローの反応は……笑顔が引き攣ってるぞ。わかりやすすぎるだろ。


「フッ、図星のようですね。……さらに深く考えるなら今のあなたは今までの戦いでかなり消耗しているはず。そこから察するに連続使用できるのは少なく見積もって3分、多くとも5分で魔力が切れる筈です。」


「ハ、ハハハッ。まさかそこまで読まれるとはなぁ……そう、あんたの言うとーりさぁ。だから……俺にとっては今こうして話してる時間も無駄なんだよ。さっさとやろうぜぇ?」


「いいでしょう。ですがこちらとしても先程と同じように一方的に殴られる趣味はないので……少しセコい事をします。」


な、なんだ?ここにきて新しい技か?血術はバリエーション豊かで羨ましいぜ。


「なんだよ。セコくてもなんでも見切ってやるから安心しろ。」


「フッ、でしたらよかった。まぁただの血槍なんですが……これであなたに引導を渡してあげましょう!!」


そういい、アイコスは次々と血槍を打つ。だが、ただの血槍?そんなありきたりなもの、軽くいなされて終わりそうだが……ん?


「……ッ!?」


「気づきましたか?そう、この血槍は弾速が早く、何より距離減衰がない。つまりこの血槍は無限に壁を跳ね返り続け、あなたを攻撃するのです。もちろん私が当たってもなんの障害もありません。破壊力はありませんが……私の目的はあくまであなたを消耗させること。あなたの魔力さえ削れれば……私の勝ちは決まったようなものです。」


「そしてあなたの性格からして……自分が言い出したことは必ず実現しようとするはず。」


「さぁ!ここからが真の終幕(フィナーレ)です!あなたはこの血槍の弾幕を全て避け切ることができますか!?」

グローの魔式を使った攻撃は確定会心だと思ってください。

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